きょうの潮流
 

 ふたりは、海とともに生きてきました。漁師の家に育ち若い頃に知り合って恋愛結婚。八代海からの恵みをうけ、長く「夫婦船」で生計をたててきました

 

▼ところが、当たり前のように食べてきた魚によって、体がむしばまれていきます。けいれんや手足のしびれ。水俣病の症状でした。「妻は去年の4月、『痛いよ痛いよ』といいながら死んでいきました」と、夫の松崎重光さん

 

▼水俣病と認められないまま亡くなった松崎悦子さん。妻の無念さを重光さんが伝えようとしていたときでした。突然マイクの音が切られ発言はさえぎられました。環境省が水俣病被害者の声を聞く懇談の場で

 

▼「スイッチを切るなんておかしいじゃないですか。人間の常識では考えられんですね。母ちゃんが泣いて苦しんで苦しんで逝ったから…ほんとうに聞こうと思えば時間の問題なんか関係ない」と重光さん。出席した各団体の発言時間は、わずか3分。形ばかりで聞くつもりはないといわんばかりの対応です

 

▼その場にいた伊藤信太郎環境相はきのう謝罪に出向きました。しかし、事務局の不手際というなら、なぜそのときに謝りたださなかったのか。水俣病にたいし、まともな調査もせず、救済も線引きし、全面解決に背を向けてきた自民党政治の姿勢がここでもあらわに

 

▼水俣病が公式に確認されてから68年。国や加害企業のチッソから見捨てられてきた多くの人たちが今も認定を求めて闘っています。長年苦しんできた被害者の声をいつまで切り捨てるのか。

 

 

 

 

「なぜいまだに被害者が訴え続けなければならないのか。被害が被害として認められない現実があるから」
#環境省 #マイク切り 事件の根本にある問題が語られています。

 

伊藤環境大臣が水俣病の被害者に「謝罪」。「まさかマイクを切るなんて」という白々しい言葉の数々。最後に笑って握手を求め写真を撮らせる。懇談の場で、マイクを切られたり音を絞られたりした人たちは複数人いた。大臣はそれを止めもしなかった。

 

 

「上の人は何も知らない、何を言っても届かない」…70年続く水俣病の苦しみを3分で話せと言う国に、被害者は根本的な意識の隔たりを見る

 

 

 言いたいことを伝えられないまま亡くなった犠牲者は多い-。伊藤信太郎環境相と水俣病患者・被害者団体8団体の懇談会で発言中にマイクの音を切られた2団体の代表は8日、謝罪に訪れた伊藤環境相らに「個人ではなく、被害者全員に謝って」と訴えた。「持ち時間の3分で語りきれる経験ではないことを分かってほしい」。被害者の訴えは切実さを増すばかりだ。

 

 「苦しんで苦しんで亡くなった現状を(政治を動かす)上の人は何も知らない。これまで何を言っても届かなかった」。水俣病認定されないまま昨年亡くなった妻の話の途中にマイクを切られた水俣病患者連合副会長の松崎重光さん(82)は、伊藤環境相と懇談会で司会をした木内哲平特殊疾病対策室長に切々と訴えた。

 「松崎さん個人に謝罪をしたい」と国から申し出を受けたが「同じように苦しむ人の代表として活動している」と全ての被害者への謝罪を要望。妻を含む水俣病犠牲者らの位牌(いはい)124体をまつった水俣病センター相思社を謝罪を受ける場に選んだ。妻を亡くした昨年4月からの思いの丈を原稿にし、練習を重ねる松崎さんを支えた永野三智さん(40)は「必死の訴えの最中に打ち切られ、国から被害を受けた立場なのに立場が逆転している。同じことをされたらどう感じるのか」と追及。木内室長は「被害者への思いが足りなかった」とうなだれた。

 水俣病被害者・支援者連絡会代表代行の山下善寛さん(83)も個人への謝罪申し出は断り、複数の被害者団体からなる連絡会として謝罪を受けた。世間からは1団体に与えられた3分を超過したことへの批判もあったという。「70年近く続く問題を3分にまとめさせること自体が問題。税金を使って水俣まで大臣が謝罪に来ることになったが、その場で部下を指導すれば済んだ話。根本的な意識の問題だ」と指摘した。

 4月26日の大臣会見で「地域の声をしっかり聞きたい」と話していた伊藤環境相。反省の弁を繰り返した一方、被害者側が提出した要望書への回答やその期限について、「検討する」「できるだけ早く、数カ月以内の回答を目指す」と言葉を濁した。被害者団体は訴える。「崩された信頼をどう再構築するのかが問われている」

 

水俣病患者ら発言中にマイクOFF 「大臣の指示ではない」と環境省

 
大臣の支持ではないって?そこにいたじゃないか!もし真剣に被害者と向合う姿勢なら、大臣がマイクを切った職員に注意を促すのが普通だ。おざなりに時間さへ過ぎればと言う態度だったことは鮮明だ。
 
 
 水俣病の患者・被害者らと伊藤信太郎環境相との懇談の際に被害者側の発言が制止された問題で、環境省は8日の衆院内閣委員会で「これまで準備してきた対応例にならい、事務方の判断で行ったものであり、大臣の指示を受けたものではない」などと釈明した。

 環境省の神ノ田昌博環境保健部長は質疑で、発言が制止された経緯について「懇談ではこれまでも各関係団体の発言時間に大きな格差が生じたり、大臣から回答する時間を十分確保できなかったりという進行管理上の問題が生じていた」としたうえで、「このため従前よりマイクの音を切るという対応も含め、環境省の事務方で対応例を準備してきた」と説明。実際に音を切ったのは「今回が初めてだ」と答弁した。

 立憲民主党の中谷一馬氏が「事務方の誰が発言をさえぎる指示を出したのか」とただしたのに対し、神ノ田氏は「特定の人が指示を出して(マイクの音を)切ったということではなく、それぞれ役割分担する中で対応が取られた」と述べるにとどめた。マイクの音を切って発言を制止する対応例が省内で作成された経緯については「どの時点で組み込まれたか、経緯は確認できていない」とした。

 林芳正官房長官は質疑で「関係者の方々を不快なお気持ちにさせる不適切な対応だった」としたうえで、「政府としても、私からもおわびを申し上げたい」と陳謝した。中谷氏は「音声が出ないようにして発言をさえぎるという行動は、岸田政権の『聞く力』のなさを体現する大変残念な出来事だ」と批判した。


 一方、立憲は同日、国会内で環境省の大森恵子官房審議官らへのヒアリングを実施した。伊藤氏は記者会見で「7日に初めて報告を受けた」と述べており、出席議員は対応の遅れを指摘した。

 大森氏は、伊藤氏からは「後半の連休に入るか入らないかくらい」に1日の対応について確認するよう指示があったとし、「事実関係を整理して報告したのが7日になった」と釈明した。3分間でマイクを切る運用を定めたマニュアルはないとし「前年のやり方を前の担当者に聞いて勉強した」と説明。出席議員からはマイクを切る運用をやめるよう要請されたが「限られた時間の中でどのようにすればみなさんの意見がうかがえるか、知恵を出して考えていきたい」と述べるにとどめた。【鈴木悟、田辺佑介】

 

水俣病患者団体「極めて愚弄」伊藤環境大臣が直接謝罪 マイク切られた男性「国会の人たちは一般の人の話を聞いていない」【news23】

 
熊本県で水俣病の患者・被害者団体と伊藤信太郎環境大臣との懇談中に環境省の職員がマイクの音を絞った問題で、伊藤大臣が謝罪しました。水俣病の患者らの切実な訴え、大臣に届いたのでしょうか。
 
■懇談会で“マイク切り” 伊藤環境大臣が直接謝罪

8日夜、再び熊本県水俣市を訪れた伊藤環境大臣。

伊藤信太郎環境大臣
「この度は5月1日の環境省の者が、マイクをしぼって誠に申し訳ございませんでした」

謝罪した相手は、遺族で水俣病患者連合副会長の松﨑重光さん(82)です。

伊藤大臣は謝罪後、水俣病と認められず亡くなった松﨑さんの妻・悦子さんの位牌に手をあわせました。

松﨑重光さん
「懇談会をまだ別に慌てて双方するよりも、よく落ち着いてお話を聞いていただき、また話していただけたら」

ことの発端は5月1日、水俣病の患者・被害者団体から話を聞く場として開かれた懇談会。

松﨑重光さん
「(私の妻は)去年4月に『痛いよ痛いよ』と言いながら死んでいきました」

松﨑さんが亡くなった妻・悦子さんの苦しみや思いを訴えるさなか…

松﨑重光さん
「私はいつも家内と話していました…」

環境省
「申し訳ございません、お話をおまとめください」

環境省の職員が発言を制止。そして…

参加者
「スイッチが切られた」

事前に伝えていた持ち時間の3分を過ぎたとして、マイクの音量が絞られました。

参加者
「聞いてやれーな、大臣」

参加者
「マイクを切ったことについて、どういうふうに思われますか」

伊藤環境大臣
「私はマイクを切ったことについては、認識しておりません」

■環境省職員に「(マイク)切ることがあれば使わないでいい」

一週間以上経った、8日。

伊藤環境大臣
「水俣病は環境省が生まれた原点です。環境省の大臣として、いかに大切に思っているかをお伝えしたい」

8日夕方、約束の時間に5分遅れで会場入りした伊藤大臣。参加者一人ひとりに頭を下げました。

参加者
「患者や患者団体を極めて愚弄して、環境省の歴史に消し難い汚点を残したのではないか」
 
参加者
「問題はその場に同席した大臣自らが司会者に対して、きちんと監督指導すべきだったと思うんですよ」

伊藤環境大臣
「監督指導、非常に大事だと思います。環境省3000人くらいいるんですけど、全部把握して、環境省も所掌が非常に広いです。私もまだ日が浅いですが、一生懸命勉強して、みなさんのご期待に応えるような大臣の仕事をしたい」

大臣に続いて、松﨑さんのもとを訪れたのは司会を務めた職員。

環境省が改めて設けるとした懇談の場について、松﨑さんはこう問いかけました。

松﨑重光さん
「そのときもマイクは使いますか?切ることがあれば使わないでいいですよ、もう。この通り話しますんで。マイクなんか使ったって何ともならんとです。切れば切ったで、人間の感情を無駄にふやかすような結果になると思う。国会の人たちは、一般の人間の話を聞いとらんということですもんね」

■トラウデンさん「懇談会で大臣が『もう少し聞きましょう』と言っていれば…」

小川彩佳キャスター:
1週間経ってようやく大臣が直接謝罪となりました。

トラウデン直美さん:
そもそも最初の懇談会の場で大臣が、「もう少し聞きましょう」と一言言っていれば、ここまで大きくなることはなかったのではないでしょうか。

何より、懇談会は「どんな思いをしたか」ということを伝える場であるはずなのに、声を届けている最中にマイクを切られてしまうという、声を届けられない、声が届かないことを目の当たりにしてしまったという気持ちも持たれたかと思います。

「ちゃんと声は届いている」ということを、この先の対応や行動でみせていただきたいなと思いますね。

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環境省、水俣病患者らに謝罪へ 懇談中マイク切る 「不適切だった」

 
マスコミは「水俣病の被害者の訴えの途中でマイクを切った」ではなく「水俣病の被害者の訴えの途中でマイクを切ったのは環境大臣を新幹線に間に合わせるためだったという言い訳をした慶應大学医学部卒の環境省特殊疾病対策室の木内哲平室長」って毎回言うべきなんじゃないかな。
 
 
 今月1日にあった水俣病患者らの団体との懇談の場で、環境省がマイクの音を切るなどして団体側の発言を遮った問題をめぐり、環境省は7日、近く団体側に直接謝罪する意向を明らかにした。林芳正官房長官も対応は「適切でなかった」との認識を示した。
 
 懇談相手だった伊藤信太郎環境相による謝罪は現時点で予定されていないという。

 現地で司会を務めた、環境省の木内哲平・特殊疾病対策室長によると、懇談の場では各団体が話す時間を3分と設定。伊藤環境相の帰りの新幹線に間に合わせるため、時間を超えるとマイクの音を切る運用を決めていた。このため、時間経過後に環境省の職員が2団体に対し計2回、マイクの音を切ったという。

 省内で聞き取った限り、こうした運用方針は昨年もあったが、実際には制限時間を超えてもマイクの音を切ることはなかった。今回は事前に団体側に説明したり、会場でアナウンスしたりして理解を求めるつもりだったが、「急いでいて気が動転していた」ため、しなかったという。

 問題について、伊藤環境相には7日に報告し、マイクの音を切られた2団体に事務方が謝罪するよう指示を受けたという。ただ、具体的な時期や、再び懇談の場を設けるかどうかは決まっていないという。

 担当者はマイクの音を切ったことなどによって「不信感を与えたことは不適切だった」と説明。3分という時間設定も適切かどうか検討するとした。