市長の方針に異論唱えたら処分…元校長が7日会見、教育現場への政治介入に危惧「発信し続けることが大事」

 
松井一郎・橋下徹の「利権漁り」コンビは、教育現場へ介入しまず日の丸・君が代斉唱を強要し歌わない教職員を一人一人監視した。次には公立学校への詳細な干渉を始める。現場が急速に子供と共に成長する場から管理職・教育委員会・維新政治に従服する歪曲した形態へと変貌した。管理社会である。教育現場を知らない「権力を振り回す」維新に教育現場は窮地に陥る。
 
 「現場の先生が考えなくなっている」。久保さんは暗い歴史を念頭に、警鐘を鳴らす。「戦前の教員も『上が言うから仕方がない』とあきらめているうちに、教え子を戦場に送り出すようになったのではないか。戦争がいつでもできる国につながる危険な状況だ」「小さな声でも、発信し続けることは大事だ。後になって『こんな日本の教育になってしまった』と、何も言わなかったことを後悔したくない」
 
教員の鏡である。あっぱれ!この校長のいる職場の教職員は心強かったのでは!
 
出来もしないオンライン授業を出来ると言う
→体制が整っていないままスタート
→教育現場・保護者も混乱

これって、今問題が紛糾している万博事業も変わらないのでは?

交通渋滞、防災計画等々、
このまま開幕して結局混乱しそう。
 
 
 新型コロナ禍で授業の原則オンライン化を突然発表した松井一郎大阪市長(当時)の方針に異論を唱え、文書訓告を受けた元市立小学校長の久保敬さん(62)が7日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見を開く。定年退職から2年余り。権力に向き合い、処分の理不尽さについて発信を続けるのはなぜか。(北川成史)
 
 
 「単に僕が名誉を回復したいからじゃない。教育委員会が子どものほうを向き、自立して教育政策を進めているかを問いたい」。久保さんは、そう強調する。
 
 2021年5月、市立木川南小校長だった久保さんは、通信環境が不十分なまま導入されたオンライン授業について「学校現場は混乱を極めた」などとする提言書を松井市長らに送付した。すると3カ月後、市教委から「職務上の義務に違反し、教育公務員としての信用を傷つけた」と文書訓告を受けた。
 
 2022年1月、久保さんは市教委に要望書を提出。処分の取り消しとともに、職務上の義務違反や信用失墜行為について具体的説明を求めたが、回答はなかった。

◆定年退職後、人権侵害救済を申し立て
 
 
 久保さんは同年3月、定年退職したが、沈黙を選ばず、昨年2月には大阪弁護士会に人権侵害救済を申し立てた。「僕が黙れば問題がうやむやになり、教育が政治家の思うつぼになっていく」と危惧するからだ。
 
 1985年に教員になり、解放教育にも携わった久保さんは「大阪の教員には、学校教育を通じて助け合う社会をつくる心意気があった」と振り返る。だが、現場の闊達(かったつ)さは十数年来、橋下徹氏や松井氏による大阪維新の会の行政下で損なわれたという。
 
 教育振興基本計画づくりに首長が関与できる条例の制定や、内申点に結果を反映させる独自の学力テストの導入などが進んだ。「統制強化の教育施策がトップダウンでどんどん下りてきた。子どもに対してはテスト、テストで競争させ、画一的な数値評価が進んだ」
 
 教育の独立性低下に危機感を抱く人は多い。久保さんを支援するため、教員OBを含め100人以上の規模の市民応援団が結成された。
 
 
◆「大阪だけの問題ではない」
 市民応援団は今年1月、文書訓告を決定した経緯の調査を求める要請書を市教委に提出した。市教委幹部のメールのやりとりを情報公開請求した結果、久保さんの提言書への対応は市教委の主体的な判断ではなく、ゆとり教育に否定的な元文部科学官僚で、大阪市特別顧問を務めていた大森不二雄氏の指示がうかがわれるという。
 
 久保さんは「政治的権力による教育への不当な介入は大阪だけの問題ではない」と感じている。背景に第1次安倍政権下の2006年に成立した改正教育基本法を見て取る。
 
 改正法で「愛国心」が盛り込まれたほか、教育の自由をうたう条項の文言が修正され、政治介入の余地をつくった。教育現場が疲弊し、息苦しくなっている実態は、教員のなり手不足のほか、子どもの自殺やいじめ件数の増加という面でも表れていると指摘する。
 
◆脳裏をよぎる戦前の暗い歴史
 「現場の先生が考えなくなっている」。久保さんは暗い歴史を念頭に、警鐘を鳴らす。「戦前の教員も『上が言うから仕方がない』とあきらめているうちに、教え子を戦場に送り出すようになったのではないか。戦争がいつでもできる国につながる危険な状況だ」
 
 一連の出来事は、欧米やアジアなどの教育研究者にも伝わり、久保さんと交流の輪ができた。「正当性のない文書警告を放置すれば、さらに意見が言えず、ますます抑圧的な学校になる」と背中を押された。特派員協会での会見では、こうした海外の教育研究者からの反応も、内外のメディアに知ってほしいと願う。
 
 久保さんは力を込める。「小さな声でも、発信し続けることは大事だ。後になって『こんな日本の教育になってしまった』と、何も言わなかったことを後悔したくない」
 
 

「20人に1人というのは異常」「平均負債額は595万円」海外より衝撃的なほど多い、日本人の“ギャンブル依存症”の実態

 
維新が万博の成功率が極めて低いのに、「嘘とペテン」で何としても万博をやるというのは、その延長戦に賭博「カジノ」をどうしても開催したい維新の思惑がある。「利権」の代表格「カジノ」だけではインフラ整備を国費でやる事ができない。であるならば国費でインフラ整備が出来る「万博」をくっつけたのである。
 
ギャンブル依存症を今以上増やす「カジノ」を推進させていいのか?重篤な患者を増やしていいのか?家庭崩壊に繋がるカジノを容認していいのか?維新の「利権」に加担すべきでない💢
 

 

 
ギャンブル依存症は意志や根性ではどうにもならない、治療すべき病気である――。

 そう語るのは、「ギャンブル依存症問題を考える会」の代表理事である田中紀子さんだ。田中さんは祖父、父、夫のギャンブルと借金に振り回される人生を送り、自分もまたギャンブル依存症になってしまった過去がある。
 
 ここでは、ギャンブル依存症が引き金となった事件をまとめた田中さんの著作『 ギャンブル依存症 』(2015年刊行、角川新書)から一部を抜粋して紹介する。カジノがない国であるにも関わらず、「ギャンブル大国」となっている日本の実態とは――。(全2回の1回目/ 続きを読む )

◆◆◆

20人に1人がギャンブル依存症の日本人
 
「病的ギャンブラー」は全国に536万人いると推計される──。

 2014年8月に厚生労働省研究班の調査結果として発表された数字は、折りしもカジノ建設議論と重なり社会の耳目を集めました。

 この数字は、前年(13年)に無作為抽出した成人4153人に対する面接調査の結果から割り出されたものです。

「やめられないと分かっていてもギャンブルをやめたいと思ったことがある」「ギャンブルをしていることを配偶者などに隠したことがある」など20項目の質問をして、5項目以上に該当した場合、病的ギャンブラーと判断しています。この基準は国際的なものです。

 その結果、男性の8.7%、女性の1.8%が該当したことから全国536万人という数字が割り出されたわけです。成人全体では国民の4.8%にあたるので、およそ20人に1人になります。

 実は厚労省では5年に一度、この調査を行なっています。前回08年に行なった調査に関しては社会の関心がほとんどなく、マスコミに取り上げられることもありませんでしたが、このときは推計559万人となっていました。今回と極端な違いはありませんでした。

 この数字が多いのか少ないのかといえば、「衝撃的なほど多い」といえます。

 諸外国でも同様の調査は行なわれています。たとえばアメリカ・ルイジアナ州の02年調査では1.58%(アメリカ全体で1.40%というもう少し前の調査結果もあります)、フランスの08年調査が1.24%、韓国の06年調査が0.8%、スイスの08年調査が0.5%などとなっています。

 ルイジアナ州、フランス、韓国にはカジノもありますが、それでもこの程度の数字です。世界的に見れば、病的ギャンブラーの割合は100人に1人程度の国が多いといえます。それに対して日本は20人に1人ということなのですから、やはり異常です。
 
平均負債額は595万円!
 病的ギャンブラーは、ギャンブル依存症者とも言い換えられます。

 依存症というのは、単なるギャンブル好きとは意味が違います。

「やめよう」という意志があってもやめられない人たちのことです。

「病的といっても、程度がしれているのではないか」と思われる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

 たとえば、精神科医の森山成彬先生が2008年に発表した「病的賭博者100人の臨床的実態」という論文があります。その中にある臨床的実態調査を見れば、事態の深刻さがわかりやすいはずです。

 森山先生は、福岡県でメンタルクリニックを開業されている方です。帚木蓬生というペンネームで『閉鎖病棟』などの小説を書かれていることでも知られています。ギャンブル依存症に関しても、この分野の第一人者。そのため、05年8月にクリニックを開設してからわずか2年間で、100人のギャンブル依存症患者(病的賭博者)を診られています。男性92人、女性8人だったそうです。

 その100人のデータによれば、初診時の平均年齢は39.0歳で、ギャンブルを始めた平均年齢は20.2歳となっています。

 平均27.8歳で借金を始め、初診までには平均1293万円をギャンブルに注ぎ込んでいます。平均負債額は595万円。100人のうち28人は自己破産を含めた債務整理をしていました。また、17人がうつ病、5人がアルコール依存症を併発させていて、本人だけでなく配偶者の15%もうつ病やパニック障害などで治療を受けていました。

 こうした数字を見てみれば、娯楽の域をはるかに超えているのがわかります。

 家計を崩壊させて、本人も家族も精神的なダメージを被ります。

 それも短期間の「はしか」のようなものではありません。20歳くらいでギャンブルを始めてから7、8年かけて後戻りが利かないほどのめり込んでしまい、20年ほど抜け出せずにいるということです。

 依存症の患者が自ら精神科の門を叩くものなのかという疑問を持たれる人もいるかもしれませんが、本人ではなく家族が先に相談に行く場合が多いものです。
 
ギャンブル依存症は、「治療すべき病気」
 病的ギャンブラーあるいはギャンブル依存症というと、「どうしようもないギャンブル好き」というイメージを持たれるかと思いますが、実際には一般の人と同じように普通にギャンブルを楽しんでいたのに、自分でも気がつかないうちに、やめたくてもやめられないギャンブル依存症という病気を発症していたのです。

 世界保健機関(WHO)では、ギャンブル依存症を「治療すべき病気」と位置づけています。人間性の問題に過ぎず、意志によってなんとかできると考えられがちですが、そうではありません。世間がそういう意識を持っていると、ギャンブル依存症者に対しては、ただ白い目が向けられがちになるので、正しい理解が広まってほしいと思っています。

 誤解から生まれる弊害をなくすためには「ドーパミン制御障害」などと病名を変えるのもひとつの方法ではないかと、私は思っています。

 実際のところ、ドーパミンの過活動が大きな原因のひとつになっています。そのように本人の意志だけではなんともできない病気だという認識を持つことが大切です。

 最近はギャンブルを行なっている際に脳内ではどのような変化が起きているかに関して、脳画像研究なども進められています。脳のメカニズムから解明していく必要がある病気だとわかってきたからです。

 北里大学医学部の精神科には「ギャンブル障害専門外来」が設置されています。

 そのホームページでも、ギャンブル障害(ギャンブル依存症)は「嗜癖障害のひとつ」と説明されています。嗜癖(アディクション)とは、やめようと思いながらもやめられない、なんらかの習慣への耽溺状況を意味します。

 薬物依存、アルコール依存、摂食障害、買物依存、セックス依存などもそうです。

 北里大学のホームページでは次のように解説されています。

《依存症に陥っている人には、自分が依存症である事を認める事ができず、問題を過小評価する事がしばしばあります。ギャンブル障害などの嗜癖障害についても同様です。ギャンブル障害の症状を知っても「自分は違う」、「自分は最後には勝つから大丈夫」、「自分はあの人に比べたらましだから大丈夫」などと感じる傾向があり、このように感じてしまうことが、やめられない原因になる事もあります》

《ギャンブル障害では、ギャンブルへの強い欲求が生まれます。この強い欲求を「渇望」と呼びます。そして、次第にギャンブルに賭ける金額と費やす時間が増えていきます。これを「耐性」と呼びます。また、一度、ギャンブルをやめても、何かのきっかけで、またのめり込んでしまいます。これを「感作」と呼びます。「渇望」「耐性」「感作」は依存症や嗜癖障害に認められる脳の機能的な変化によるものと言われています。これが、ギャンブルをやめ続ける事を難しくしています》

 ギャンブル障害が深刻化すれば、家庭内不和や離婚、DVやネグレクト、失職や借金、刑事問題(横領、詐欺、窃盗、殺人など)、希死念慮に発展することがあるとも書かれています。希死念慮とは、死にたいと願うことで、自殺願望とは少しニュアンスが違うものです。うつ病の症状のひとつとして挙げられることも多い用語です。
 
意志や根性ではどうにもならない
 北里大学のギャンブル障害専門外来で実際に治療に当たっている蒲生裕司先生は、この本のために次のようにも教えてくれました。

「病気の呼び方はさまざまですが、ギャンブル依存症は正式な医学用語ではありません。世界保健機関が定める精神および行動の障害の臨床記述と診断ガイドライン(ICD─10)では『病的賭博』という診断名が用いられ、アメリカ精神医学会が定める精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM─5)では『ギャンブル障害』という診断名が用いられています。病的なギャンブルの背景には統合失調症、気分障害、発達障害、精神遅滞などのさまざまな併存疾患があり、ギャンブル障害を単一の概念として定義することの是非については、議論が必要だと考えます。

 ギャンブル障害の研究はまだまだ発展途上です。神経学的、行動学的な知見が集積されてきていますが、それがギャンブル障害の原因によるものなのか、結果によるものなのかという点については、はっきりしたことはわかっていません。

 ただ、確実にいえるのは、意志や根性でどうにかなる行動ではないということです。ギャンブルという行動を維持する要因はさまざまです。なぜギャンブルという行動にのめり込んでしまうのかという個別の事情を無視して、叱咤激励を繰り返すような対応はすべきではありません。また、自殺のリスクが非常に高いことも重要であり、このような点からも、個々に応じた適切な対応というものが求められます」

「立ち直る」「更生する」はNGワード
 ギャンブル依存症に対する誤解をなくすため、私は「(依存症から)立ち直る」「更生する」といった言い回しをしないでいただきたいと行政機関などに呼びかけています。そのことについては『朝日新聞』(2015年5月28日付)でも取り上げてもらいました。

《「ギャンブル依存症は病気であり、個人の資質や性格が原因とみなす表現は解決を遠のかせ、偏見や誤解を生む」と訴える。

 呼びかけているのは、「ギャンブル依存症問題を考える会」。(略)田中紀子代表は「日本ではまだ自分の意志で何とかなる問題と思われがちだ」と指摘する。

 カジノ誘致を検討している自治体が、ギャンブル依存症対策の例として、自助グループを取り上げた際に「ギャンブル依存症から立ち直らせる」と文書の中で説明していたのを修正してもらったこともある。「依存症から更生するためには」といった言い回しは報道を含め、今も目に付くという。田中さんは「精神論や道徳論で片づけられると相談しにくくなり、問題が長期化してしまう」と話す》

 この記事の中では、成瀬メンタルクリニック(東京都町田市)の佐藤拓先生の言葉も紹介されていました。

《病気だと診断を受けることで、本人も家族も過去のいびつな言動を受け入れることができる。医師の診察を受けたり、自助グループに通ったりと、回復までには時間がかかるので、早期に医療につなぐ社会の環境作りが大切だ》

 というものです。

 この問題を考えるにあたっては、病気を理解することから始めていかなければならないのです。

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田中 紀子