ピュリツァー賞、特別賞にガザ取材の記者たち「勇気ある働きを評価」

 

 

 米コロンビア大は6日、優れた報道などをたたえるピュリツァー賞を発表し、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を取材するジャーナリストたちを特別賞に選んだ。

 選考委員会は「ガザ地区での戦争を報じるジャーナリストやメディア関係者の勇気ある働きを評価する」と選考理由を説明。その上で「凄惨(せいさん)な状況下で、パレスチナ人らの話を伝えるため、途方もない数のジャーナリストたちが命を落とした」と指摘した。また、犠牲者には詩人や作家も含まれ、こうした状況は「人間の経験に関する貴重な記録が失われていることを意味する」とした。

 選考委はこのほか、音楽ジャンルの一つ、ヒップホップの地位確立に貢献し、2021年に亡くなった作家で批評家のグレッグ・テイト氏も特別賞に選んだ。

 注目度の高い公益部門では、保守派の連邦最高裁判事が共和党支持者の資産家から豪華旅行の接待を受けたことなどを報じた非営利の米調査報道機関「プロパブリカ」を選出した。この報道が端緒となり、連邦最高裁は昨年11月、構成する9人の判事に関する初めての倫理規定を発表した。【ニューヨーク中村聡也】

 

尊敬する医師谷川智行さん
イスラエル軍による、ラファ東部の住宅や公共施設への爆撃。
怒りと悲しみと悔しさが入り混じる。

 

虐殺やめろ。ラファへの攻撃やめろ。世界中が止めろ。今すぐ止めろ。これ以上 #誰も殺すな

 

 

ハマスが受け入れた停戦案、イスラエルが拒否-ラファ作戦継続

 

 

(ブルームバーグ): イスラム組織ハマスは6日、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で仲介役のカタールとエジプトが提示した停戦案に合意したと表明したが、イスラエルの戦時内閣は「イスラエルが必要とする要求を満たすには程遠い」として、全会一致で合意内容を拒否。戦闘の即時停止への期待はついえた。

イスラエル政府は「ハマスに軍事的な圧力をかけるため、ラファでの作戦を継続する」と表明すると同時に、「受け入れ可能な条件の下で合意に達する可能性を模索するため」仲介役との協議の場に代表団を派遣するとも明らかにした。イスラエル軍はこれに続く発表で、ガザ南部のラファ地域でハマスの拠点を標的とした新たな空爆を実施したことを明らかにした。

ハマスはこれより数時間前にテレグラムに投稿した声明で、停戦案に最高指導者ハニヤ氏が同意したことを明らかにした。この直後には合意の詳細を巡る疑問が浮上し、米国とイスラエルはそれぞれ、ハマスの返答を精査していると発表した。

イスラエル戦時内閣メンバーのガンツ前国防相はテレグラムへの投稿で、ハマスの提案は「仲介役とこれまで行ってきた協議に対応しておらず、大きな隔たりがある」と述べた。ただ、イスラエルの代表団がカイロで交渉担当者らと協議するだろうと語った。

カタールとエジプトは、昨年10月7日のハマスによるイスラエル襲撃を受けて発生した戦争を終結させるため、仲介役となってカイロで停戦協議を進めている。

バイデン米大統領はラファへの侵攻を「レッドライン」と呼び、他の高官と共に、イスラエルに対し民間人を保護することなくラファ侵攻に着手しないよう繰り返し警告してきた。先週テルアビブを訪問したブリンケン米国務長官は民間人の保護に向けた計画をまだ確認できていないと述べていた。

バイデン氏とイスラエルのネタニヤフ首相は6日に会談。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、「100万人を超える罪のない人々をより大きな危険にさらし得るラファでの作戦」に関する米国の立場をバイデン氏はあらためて明確に伝えたと述べた。

 

原題:Israel Says a Cease-Fire Plan Backed by Hamas Falls Far Short、Israel Rejects a Cease-Fire Plan for Gaza Embraced by Hamas(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

 

 

「イスラエルは休戦を受け入れよ」 中東諸国中心に圧力強まる

 
 
 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスが休戦案の受け入れを発表したことで、中東諸国などからはイスラエルに対し、休戦に同意するよう求める声が高まっている。イスラエルは交渉に応じる姿勢を示しつつも、ハマスが受け入れた休戦案については「要求からかけ離れている」とし、6日夜にはガザ地区南部ラファに激しい攻撃を加えた。多数の避難民が集まるラファでも人道危機が拡大すれば、休戦を求める圧力がいっそう強まりそうだ。
 
 「アラー・アクバル(神は偉大なり)」。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などによると、ガザ地区では6日夜、多くの住民が路上で口々にこう叫び、早くも「休戦」を祝う姿が見られた。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、ガザ地区では人口の75%にあたる約170万人が避難生活を強いられており、約110万人が「壊滅的なレベル」の食料危機に直面している。ガザ地区では全体の4分の3にあたる277平方キロに退避勧告が出され、住民の多くは文字通り、隣国エジプトとの境界まで追い詰められている状況だ。それだけに、休戦合意は住民に残されたわずかな希望となっている。

 だが、イスラエル首相府は6日、休戦に向けた交渉に代表団を派遣することを決めた一方、「ハマスに軍事的圧力をかける」として、ラファでの軍事作戦を続ける意向を表明。イスラエル軍は同日夜、ラファ東部で「ハマスを標的とした軍事作戦」を始めたと明らかにした。

 こうした中、中東諸国を中心に、イスラエルに対して圧力をかけるよう求める声が強まっている。アラブ諸国などでつくる地域協力機構「アラブ連盟」のアブルゲイト事務局長は6日、X(ツイッター)に「イスラエルを支持する米国と西側諸国は責任を果たすよう求める」と投稿。仲介国エジプトのシシ大統領もフェイスブックで「ガザ地区の包括的な停戦に向けた交渉の前向きな進展を注視している」と書き込み、「すべての当事者」に対して合意に向けて努力するよう呼びかけた。

 ロイター通信によると、トルコのエルドアン大統領も6日、ハマスが休戦案の受け入れを表明したことを受け「イスラエルも同じ歩みを進めるべきだ」と語り、イスラエルに圧力をかける必要性を強調。イスラエル国内でも6日夜、商都テルアビブやエルサレムなど各地でデモがあり、ネタニヤフ政権は休戦案に合意して人質解放を実現させるべきだと訴えた。【カイロ金子淳】
 
 

サンダース氏、上院選出馬 左派の代表格

 
 
 【ワシントン共同】米民主党系無所属のバーニー・サンダース上院議員(82)は6日の動画声明で、11月の大統領選と同時に実施される東部バーモント州の連邦上院議員選挙で再選を目指すと表明した。プログレッシブ(進歩派)と呼ばれる急進左派の代表格で、2016年と20年の大統領選の民主党候補指名争いに出馬し、若者の人気を集めたことで知られる。

 07年に上院議員に就き、現在3期目。23年から上院厚生教育労働年金委員会の委員長を務めている。

 

アメリカの大学で広がるガザ抗議デモ、社会への不満が根底か…大統領選の争点に

 
 
■米大統領選2024 論争の現場<1>

 全米各地の大学に広がる抗議デモの「震源地」は、物々しい雰囲気だった。5日、米ニューヨークのコロンビア大学の出入り口は施錠され、周囲は二重の鉄柵で囲まれていた。

 大学では、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に抗議する学生らがキャンパスの一角を占拠していた。4月30日に警官隊がテントを撤去し、100人以上を拘束した。

 「イスラエルの攻撃でガザの子供たちが殺され、餓死している。だが、大学は攻撃に関与するイスラエル企業に投資している」
 デモを主導した一人でイスラム教徒の大学院生、スエダ・ポラットさん(23)は憤る。学生らは同大が運用する約136億ドル(約2兆900億円)の基金の一部がイスラエル企業に流れているとして、投資の中止を求めた。

 米国で近年、若者を中心とする急進左派が存在感を増している。2011年には格差の解消を求めて「ウォール街占拠運動」を起こした。ガザをめぐる抗議デモは、米国の社会問題への不満が根底にあるとの見方もある。

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 11月5日の米大統領選に向け、争点となっている問題の現場を訪ねた。
 
 

ガザ南部ラファで複数回にわたる攻撃 イスラエル軍が空爆か

 
 
避難者などおよそ120万人が身を寄せるガザ地区南部ラファで6日、複数回にわたって攻撃があり、現地のジャーナリストは、NHKの取材に対し、ラファ東部の地域で、イスラエル軍が少なくとも10回空爆を行ったなどと明らかにしました。これまでのところ詳しい被害の状況は分かっていません。

ラファ周辺では、このところ連日のようにイスラエル軍による空爆などで多数の死傷者が出ていると伝えられていますが、イスラエル軍は6日、ラファの住民などに対し、ラファ東部の一部でまもなく作戦を実施するとして安全のため直ちに退避するよう、SNSなどを通じて通告していました。

一方で、イスラエル軍は、軍事作戦の規模や期間については明らかにしていません。

イスラム組織ハマスは6日SNSで声明を発表し「空爆などを続け、多くの住民が犠牲となっているなかで、東部の住民に退避を強いている。ネタニヤフ政権が、パレスチナ人に対しての戦争を継続する決意を裏付けるものだ」と述べ、イスラエル側を強く非難しました。