憲法記念日の3日、さまざまな立場から憲法に関して問題提起する集会が各地で開かれた。東京臨海広域防災公園(東京都江東区)で行われた護憲派による集会には、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党の幹部が参加し、各党を代表してあいさつした。

 

あいさつに立った共産党の田村智子委員長は「戦争をする国づくりを何としても止めていこうではないか」と切り出し、政府が反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を決めたことなどを批判した。

その上で、岸田文雄首相とバイデン米大統領が、4月の首脳会談で自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた防衛協力を確認したことに言及し、「自衛隊を米軍の事実上の指揮下に置く。わが国の主権を日本から切り離して米軍に委ねろということなのではないか」と批判を重ねた。

「武力で平和は守れない」と強調した田村氏は、「憲法9条を貫いて、ASEAN(東南アジア諸国連合)と協力して、対話! 対話! 対話! 対話!」と語気を強め、「対話を続けることこそが、東アジアを、日本を、戦争の心配のない地域にすることができる」と主張した。「憲法9条にこそ力がある。これを皆さんとともに示していきたい」とも述べた。

また、次期衆院選で立憲民主党などとの連携を目指す方針を念頭に「自民党、公明党の政権を許すわけにはいかない。立憲主義を取り戻す『市民と野党の共闘』を大きく広げていこう」と呼び掛けた。

集会では他に、れいわ新選組の櫛渕万里共同代表と社民党の福島瑞穂党首が登壇してあいさつした。

 

 

「憲法いかせ」「改正の世論を」 憲法記念日、護憲派・改憲派が集会

 
「憲法無視の自民党政治を終わらせる」と参加者
「改憲、改憲 叫んでいる そういう勢力、中心的なところにいる人たちほど 古い政治しがみついている」と、共産の田村委員長
「裏金議員、この方々が果たして 憲法の議論をする正当性はあるんでしょうか」と、立民の逢坂代表代行
 
 
 憲法記念日の3日、護憲派と改憲派によるイベントが各地で開かれた。

 護憲を訴える「九条の会」などでつくる市民グループは、東京都江東区の東京臨海広域防災公園で「武力で平和はつくれない! とりもどそう憲法いかす政治を」と題して集会を開いた。主催者発表で3万2千人が参加した。

 司法試験指導校「伊藤塾」塾長の伊藤真弁護士は、武器輸出の制限緩和や日米首脳会談で合意された米軍と自衛隊の「指揮統制」の連携強化に触れて、「自衛隊が世界中で戦争をできる部隊に変えられてしまっている」と指摘。「憲法なんかどこ吹く風だという考えで、憲法無視の政治が進もうとしている。世界に誇る憲法の理想に向けて連帯し、憲法をいかす政治を取り戻そう」と呼びかけた。

 東京都千代田区では、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などが共催し、日本会議などが協賛する改憲派の集会「公開憲法フォーラム」があり、主催者発表で約800人が参加し、オンラインで約1万2千人が視聴した。

 主催者を代表してジャーナリストの櫻井よしこ氏が「戦後の日本国のねじ曲がった国のあり方を立て直すのが憲法改正。岸田首相の背中を押して、政治家が憲法改正に走らねばならない世論をつくりましょう」と呼びかけた。自民、公明、維新、国民民主各党の代表も登壇した。(渡辺洋介、編集委員・北野隆一)

 

 

 

立民・逢坂誠二氏「裏金議員が憲法の議論をする正当性はあるのか」 

 
 
憲法記念日の3日、さまざまな立場から憲法に関して問題提起する集会が各地で開かれた。東京臨海広域防災公園(東京都江東区)で行われた護憲派による集会には、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党の幹部が参加し、各党を代表してあいさつした。

立民の逢坂誠二代表代行は冒頭、党公認候補が共産と社民の支援を受けて勝利した衆院東京15区補欠選挙(4月28日投開票)に言及し「いろんな立場、考えの違いはあろうとは思うが、こういう結果を導き出していただいた皆さんに心から感謝を申し上げる」と述べた。

その上で、自民党派閥政治資金パーティー収入不記載事件に絡めて「裏金議員が憲法の議論をする正当性はあるのか」と訴え、疑惑を持たれている自民議員が憲法改正を唱えることが「異常な姿だ」と持論を展開した。

また、衆院憲法審査会の野党筆頭幹事として、憲法審での緊急事態条項新設の議論にも疑問を示した。

緊急時の国会議員の任期延長を可能にすべきだとの意見を念頭に「まず、災害に強い選挙をしっかりと実現するための議論を十分にやり尽くすことだ。『議員の任期を延長して緊急事態に備える』というのは順番が違う」と主張した。

逢坂氏は、党の憲法問題に対する姿勢を「立憲主義を深める観点から、未来志向の憲法議論を皆さんとともに真摯に行う」と紹介し、あいさつを締めくくった。
 
 

改憲原案作成し議論深化を―自民 期限区切らず冷静にと反論―立民

 
イライラ…立憲甘い立ち位置💢きっぱりした姿勢見せられないなんて、民意と剥離している💢
 
 
 憲法記念日の3日、与野党はNHK番組で討論した。自民党憲法改正実現本部の加藤勝信事務総長は「大型連休明けに具体的な改憲原案の作成に入り、ベースにして議論を深めたい」と主張。立憲民主党の逢坂誠二憲法調査会長は、岸田文雄首相が9月までの自民総裁任期中の改正を掲げていることを踏まえ「期限を区切る首相の誘導に乗らず、冷静に議論したい」と反論した。

 日本維新の会の音喜多駿政調会長は「首相の公約のためには遅くとも7月末までの国会発議が必要だ」として、原案を作成する起草委員会を一刻も早く発足させるべきだと訴えた。