経団連が好き勝手なことが出来る要因の一つに、労働組合の腰の折れた情け無い姿勢が大きい。内部留保を過去最高ため込んで、労働者には雀の涙のような賃上げをしてやったと連合に恩を売る。これでは自民党と経団連の深い闇の繋がりは切れない。
「裏金問題」を発端として企業献金に疑念が抱かれる中、わが国最大の経済団体「経団連」にも注目が集まっている。政界との癒着を疑う声も高まる一方だが、その正体は、カネに物を言わす圧力団体でしかないのか。知られざる政治献金の実態に迫る。
「何が問題なのか」――。昨年12月、加盟企業による自民党への献金の是非を問われた経団連・十倉雅和会長は、記者団を前にこう言い放った。
今なお、岸田政権を大いに揺るがしている派閥の「裏金問題」。この原資となっているパーティー券収入の多くは企業の“まとめ買い”によるもので、実質的な企業献金の体を成している。
さらに、自民党の政治資金団体である「国民政治協会」に対しても、毎年多額の企業献金が行われている。その額、実に24億円。そしてこの大部分は、経団連が主導しているものなのだ。
“政治とカネ”の問題が指摘されて久しい。それでもなお、なぜ企業は政治に対する寄付を行うのか。主導する経団連の目的は何なのか。そして冒頭の会長発言の通り、そこには本当に「何の問題もない」のだろうか。
献金の「廃止」と「再開」の歴史
経団連の事情に通ずるジャーナリストが政治献金の歴史を概説する。
「もともとは『自由主義経済を守るため』という理念のもとで始まったものです。個々の企業が直接的に政治家に何かを要求することがないようにと、経団連が間に入る仕組みが整えられていった。経団連が業界ごとに額を割り当て、各企業の献金をあっせんしていた形です。この規模は拡大し続け、バブル期の頃には、100億を超える額が自民党に寄せられていました」
こうして献金に歯止めが利かなくなった中で転機となったのが、「リクルート事件」や「佐川急便事件」など、いわゆる“政治とカネ”の問題だ。桁違いのカネが政策をゆがめていた事実が相次いで発覚し、政治献金に強い疑念の目が向けられることになったのだ。
その結果、自民党が下野するのと時を同じくして、93年、当時の平岩外四会長(東京電力)の時代に献金のあっせんは全廃された。
さらに政界では、特定の企業や団体に政治がゆがめられることのないようにと、政党交付金制度も導入される。毎年約300億円もの税金が各政党に分配されることで、民間からの寄付に頼らずとも、十分な政治資金を得られるようになったということだ。
だが、経団連の「献金廃止」の意思は、そう固いものではなかった。
「政治への影響力低下を懸念して、04年、一時的に献金は復活されることになりました。『政策評価方式』という、自民党への献金を正当化する仕組みを用意したのです。しかし、09年に民主党政権が発足すると、自民党支持のスタンスを取る経団連としては、野党に献金することになり不都合な状況となってしまった。そこで、ほどなくして献金への関与を取りやめることになりました」(同)
まさに紆余曲折。「廃止」と「再開」の狭間で揺れる経団連だったが、
「やはり献金を廃止していた間、政界における経団連の存在感が低下した感は否めません。米倉弘昌会長時代(10~14年)には、当時の安倍政権と関係が悪化し、経済財政諮問会議のメンバーから経団連が締め出されたこともあった。このような背景が重なって、ついに14年、榊原定征会長(東レ)時代に、経団連による献金は本格的に再開されることになったわけです。“あっせん”という言葉は使われず、強制力のない“呼びかけ”という表現に変わりはしたものの、『政党交付金がありながらなぜ献金が必要なのか』という批判の声は、今も絶えず上がっています」(元日経新聞証券部記者で、経済ジャーナリストの磯山友幸氏)
有料版では、こうして現在も続く政治献金の本当の目的と知られざるカラクリ、その背景にある自民党側の営業活動の実態、また収支報告書から見えた“横並び献金”などについて詳報している。
デイリー新潮編集部
「年を越せる気がしない」食品値上げ31%で庶民から悲鳴…自民党「さらなる賃上げ」公約に「物価以上の所得増ですね」皮肉の声も
16年が平均1ドル=108円だったことを加味すれば、足元の水準1ドル=160円では約1.5倍も費用がかさむことになる。今年の外遊も例年の規模感と同じなら、単純計算では12.6億円の出費である。
「個人的に行くのならまだしも、問題は国民から預かった税金を使って何をしているのかということです。そもそも、対米追従ばかりで独自外交を展開していないのだから、外遊の成果が見えない。だから毎度、『物見遊山に行っているだけ』との批判が出る。政府にとって慣例になっているだけで、円安・物価高に苦しむ庶民なんて知ったことではないのでしょう」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
しかも、外遊先として集中しているのが欧米だ。最多7人がフランスを訪れ、次いで4人がベトナム、ベルギー、イタリア、アメリカを訪問する。ことごとく円の価値が下がっている国である。
自民党は、党のホームページやSNS上に、堂々と《物価上昇を超える、さらなる「賃上げ」を実現する》との公約を掲げている。SNS上には、この公約を皮肉るようなコメントが投稿された。
《「今年、物価上昇を上回る所得を必ず実現します」と岸田さんが約束してくれているので、物価上昇のニュース=それを上回る所得の増加を意味するって事ですよね。やったぁ~!!》
それと同時に、物価高に直面し、生活苦を訴えるような書き込みも相次いでいる。
《収入は同じなので値上げで生活きつくなってます》
《賃金は相変わらず上がる気配はなく。「物価高だから仕方ない」と溜息を吐きつつも何とか暮らしている訳ですが。こうも値上げが続くとそれも出来なくなるんじゃあるまいか。マジで今年は年を越せる気がしない》
《もう無理だよこんなの!!家計が持つわけない!!!》
《多くの人が知っている通り 日本は世界有数の貿易大国で 資源に乏しく食糧自給率も低く 生活に関するモノの多くを 輸入に頼っているのに「円安は国内で暮らす限り問題ない」とか言い切るのって浅はかというか 愚かと言うか… 恥ずかしくないのかなって思う》
「最新の日本経済新聞・テレビ東京の4月の世論調査(4月29~30日)では、首相に処理してほしい政策課題の設問に対して、1位が物価対策の36%(前回より7ポイント上昇)で、2位の子育て・教育・少子化対策(33%・同3ポイント上昇)、3位タイの経済全般と「政治とカネ」(ともに32%・同1ポイント上昇)、年金(32%・同4ポイント上昇)を上回っています。賃金がなかなか上がらない状況のなかで、物価の上昇は実質所得減になり、国民にとっては生活に直結した深刻な問題なのです」(政治担当記者)
政治改革はもちろん大事だが、物価対策を重視しなければ、政権に未来はない。
異常円安が生活直撃
小池書記局長 アベノミクス転換を
小池氏は、財務省が「口先介入」「覆面介入」を仕掛けているとの報道について「いくら小手先の為替市場操作を行っても、日銀は利上げをできず、米国も利下げをする姿勢がないため、日米の金利差が縮小する見込みはなく、円売りドル買いの動きを止めることは困難である」と指摘。そのうえで、円安の背景について、30年来の「成長しない経済」によって「日本の経済力そのものが低下しているという構造的な問題もある」と語りました。
小池氏は「こうした事態を生んだ最大の原因はアベノミクスにある」と厳しく批判。安倍政権以来の「異次元の金融緩和」によって日銀が大量の国債を保有しているため、「利上げに踏み切れない状況にまで突き進んでしまった責任は極めて重大だ。破綻したアベノミクスを真剣に反省し、抜本的な政策転換を図ることが必要だ」と主張しました。
小池氏は物価高騰対策として、抜本的な中小企業支援と一体の最低賃金の引き上げ、消費税減税・インボイス中止などが必要だと主張しました。