【政界地獄耳】自民の支部政党交付金「前倒し支払い」解散意識か

 

★28日投開票の衆院3補選の結果にかかわらず、自民党は会期末に野党が不信任案を出すことも想定し、解散シフトに入った。25日、自民党幹事長代理・木原誠二は「今、自民党は非常に厳しい状況だ。政権交代が起きてもおかしくない」と発言。首相・岸田文雄の側近だけに複雑だ。「この発言にはいろいろな見方がある。常識的には党内の引き締めだろうが、27日には首相が異例ともいえる2度目の島根の選挙区入りだ。島根には選対委員長・小渕優子が張り付いている。負け試合と思っているのか、幹事長・茂木敏充が島根に入らないことへの暗黙の批判ともとれる。一方、早期解散は厳しい結果になるぞと、意図的に報道させ、解散に前のめりの首相を思いとどまらせる意図もある」(自民党ベテラン議員)。

★補選が厳しいことは織り込み済みだとしても、汗をかいていることを見せることは大切だ。それを党内がどう見るか、国民がどう見るかは意味がある。24日、自民党は「支部政党交付金支給通知書」を各議員に配布した。これは政党助成金の分配で自民党以外もこの時期実施する。自民党は加えて「パーティー収入が減るなど諸般の状況を鑑み、4月分は通常200万円のところ100万円増額して300万円を支給、また次回7月分の支部政党交付金については通常7月末である支給時期を6月に繰り上げ、夏の活動費と合わせて計500万円(7月分200万円、夏の活動費は通常200万円のところ100万円増額して300万円)を支給する」とした。

★確かに政治とカネ、パーティー裏金事件とさまざまなカネの透明化が必要だが、この時期の前倒し支払いは解散・総選挙を意識していると勘繰られてもやむを得まい。この支給が偶然だとしても、何かと物入りな若手の議員には助かる話だ。政局は大きく動き始めてきた。(K)※敬称略

 

 

企業・団体献金禁止こそ

衆院政治改革特委で塩川氏 国民主権侵害する賄賂

 
 衆院政治改革特別委員会が26日に開かれ、各党が意見表明を行いました。日本共産党の塩川鉄也議員は「今国会の重要な課題は、裏金事件の全容を解明し、その政治責任を明らかにし、金権腐敗の根を断つ抜本的改革を実現することだ」と主張しました。

 塩川氏は「核心問題は企業・団体献金の全面禁止だ」と強調。「そもそも企業献金は本質的に政治を買収する賄賂。企業献金は国民主権と相いれず、国民が主権者として政治に参加する権利を侵害するものだ」と主張しました。

 30年前の「政治改革」について、政治とカネの問題を選挙制度の問題にすり替えて小選挙区制を導入し、「政党支部への献金」「政治資金パーティー券の購入」という二つの「抜け道」をつくって企業・団体献金を温存、政党助成金との二重取りを認めたことの失敗は明らかだと指摘。「企業・団体献金を全面禁止し、抜け道は完全にふさがなければならない」と強調し、「政党助成制度の廃止を一体として行うことが必要だ」と主張しました。

 また、塩川氏は、法改正では「秘書・事務方のせいにして政治家が罪を免れることを許さないため、議員・政治家の責任をきびしく問う仕組みが必要だ」と主張。収支報告書が翌年11月末まで見ることができない等の現行を改め、早期に公開し、報告書要旨を官報などで公的に永久に残し、国民が直接チェックできるようにすべきだと述べました。

 立民・維新など各党が、企業・団体献金の禁止に言及する中で、自公両党は一切触れず、自民党は居直りました。
 
 
きょうの潮流
 
 最大10連休にもなるゴールデンウイークがきょうから始まりました。コロナ5類移行後、初の大型連休で海外に向かう人たちも増えています
 
▼楽しげな様子に影を落としているのが円安と物価高です。なかには自炊で節約しようと大量の食べ物を持参する人も。外貨への両替や現地で買い物をして、こんなに円の価値が下がったのかと実感する人たちも多い
 
▼すでに輸入大国と化した日本。国内では円安・物価高の影響は死活問題になっています。輸入頼みの食料品や燃料の値段は上がる一方で生活を圧迫。原材料費の高騰で下請けや中小企業が苦しんでいるのに、トヨタ自動車など輸出大企業は大もうけをため込んでいます
 
▼止まらない異常な円安。主な原因とされるアベノミクスが開始された2013年の平均レートは1ドル97円ほどでした。異次元の金融緩和、超低金利政策による急激な円安の狙いは「世界一企業が活動しやすい国」にするためでした
 
▼円安や株高、物価高にして企業がもうかれば、給料もあがり消費も増え景気が回復する。そんな幻想はどこへやら。科学性や論理性に欠ける、企業のための政策、くらしの視点が抜け落ちている―。経済学者の山家悠紀夫(やんべ・ゆきお)さんが指摘していたアベノミクスの特徴は今も
 
▼分析も反省もなく踏襲している岸田政権や日銀に、解決の道を示すことはできません。連休中には、メーデーや憲法集会が各地で結集されます。生活の苦難を打開し、平和を守る。道を切り開くのはみずからのたたかいです。

 

共闘 民主主義の当然の姿

衆院東京15区補選 酒井候補勝利へ小池書記局長訴え

3補選あす投票

 
 衆院選東京15区補欠選挙(28日投票)での酒井なつみ候補(立憲民主党)勝利をめざし、江東市民連合主催による街頭大演説会が26日、亀戸駅前で行われました。酒井候補、日本共産党の小池晃書記局長、立民の野田佳彦元首相、江東市民連合の宇都宮健児共同代表が、最後までの支持・支援を有権者に呼び掛けました。島根1区、長崎3区とあわせて大混戦のまま明日(28日)投開票されます。

 大勢の聴衆を前に小池氏は「酒井候補は、市民と野党の共闘でがんばることを明確にした。私たちの願いを託せるにふさわしい候補者」「何としても勝っていただきたい」とエールを送りました。

 自民党の裏金問題について、「法律をつくる国会議員が法律を守っていないから、みんなが怒りの声をあげている」と指摘。自民党が示した政治資金規正法改定案について、「法律を守らなかった人たちが罪に問われないような法律をつくっても何の意味もない」と批判しました。「もうこんな政治を続けるわけにはいかない。決着をつける選挙にしよう。この選挙で選ぶのは一択、酒井さんしかいない」と述べ、大きな歓声を受けました。

 相手候補が、酒井陣営を「立憲共産党」などと攻撃していることについて小池氏は「もちろん、日本共産党と立憲民主党は違う。しかし、『裏金政治を終わらせなければいけない』とその違いを超え力合わせて政治を変えようとしている。これが民主主義の当然の姿だ」と強調しました。

 酒井候補が市民連合と共通政策の協定を結び、企業・団体献金の禁止、ジェンダー平等、気候危機対策、「憲法も国民生活も無視する軍拡は許さない」ことなどを確認していることを紹介。「『立憲共産党』などというレッテル貼りをみんなの力ではね返し、市民と野党の共闘こそが当然の姿だということを示す結果を出そう」と訴えました。

 小池氏は最後に「選挙戦はデッドヒートです。二まわり三まわり支持を広げに広げてください。みなさんの力をかしてください」と呼び掛けました。

 酒井候補は「みなさんの期待をしっかり受け止めまっとうな政治を実現する」と決意を語りました。野田氏は「市民と野党が共闘し金権腐敗政治を許さない覚悟をもったチームの一員でないといけない」と述べ、酒井氏への支持を訴えました。