保険証残せ 署名145万人に

集会で国会議員に提出

倉林副委員長・宮本議員ら参加

 
 
 今年12月に予定されている健康保険証の廃止を撤回させようと署名の提出集会が25日、衆院第1議員会館で行われ、オンラインと合わせて520人が参加しました。医療団体連絡会議、中央社会保障推進協議会、マイナンバー制度反対連絡会の主催。

 現行の健康保険証存続を求める署名約42万筆が国会議員に提出されました。署名は累計約145万筆に達しています。

 集会では全日本民主医療機関連合会の岸本啓介事務局長が開会あいさつ。「政府が責任をもって、国民皆保険制度を守り抜くと方向転換をするまで頑張っていきたい」と語りました。

 自治体情報政策研究所の黒田充さんは、政府がマイナ保険証への一本化を強行する理由として「IT利権があるのではないか」と指摘。「マイナポータルは自己の情報を民間企業に提供できる仕組みを持っている。民間は、もうけを生み出す宝の山として情報を使いたがっている」と強調しました。

 日本自治体労働組合総連合医療部会議長の鮫島彰さんは、公立病院の現状を報告。「マイナ保険証の専用レーンを設けて対応しているが、1日1500人とか2000人が来院し、全員がマイナ保険証を持っているわけではない」と訴えました。

 行動提起では、引き続き署名活動に取り組むことのほか、「自治体での保険証廃止反対意見書を採択させる運動」や「国会議員への地元事務所を含めた働きかけ」を行うことが呼びかけられました。

 日本共産党、立憲民主党の国会議員が参加。共産党から、倉林明子副委員長・参院議員、宮本徹衆院議員が出席しました。

 

 

 河野氏らは保険証を「人質」に任意であるマイナカード取得を事実上強制。「密告」を奨励して医療機関に圧力を強めるが、こうした手法こそがマイナカード不信を増幅させたと気付くべきだ。

 


 武見敬三厚生労働相=写真(左)=が、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用率に関係なく、閣議決定通り、現行の健康保険証を12月に廃止すると言明した。
 

 

 

 マイナ保険証の利用率は3月も5・47%と低迷している。
 

 背景にはマイナカードへの国民の疑問や不安があり、誠実に対応しないまま現行保険証を廃止すれば、混乱は避けられまい。政府には廃止方針の撤回を求めたい。
 

 政府は、マイナ保険証の利用率低迷を「現行保険証を前提とした(医療機関の)対応」(武見氏)のためと分析。5~7月を利用促進集中取り組み月間に定め、利用者を増やした病院に最大20万円、診療所や薬局にも同じく10万円の一時金を支給するという。
 

 河野太郎デジタル相=写真(右)=も自民党の国会議員に、支援者らがマイナ保険証の使えない医療機関を見つけた際、政府窓口へ連絡するよう求める文書を配った。
 

 しかし、利用率低迷の原因は不安を顧みずマイナカードの普及を強引に進める政府にある。医療機関への責任転嫁は筋違いだ。
 

 昨年、約1万6千件もの「ひも付け」ミスや負担割合の誤表示が発覚したが、政府は「不安払拭のための措置」を講じることを前提に現行保険証の廃止を決めた。
 

 しかし、システムの不具合はいまだ解消されていない。千葉県保険医協会は昨年12月の調査に応じた医療機関のうち53%でトラブルがあったと発表。沖縄県や島根県の国民健康保険組合も2月、マイナポータルで医療費情報が閲覧できないトラブルを公表した。
 

 現行保険証を維持すれば、暗証番号のないマイナ保険証や保険証に代わる資格確認書も不要だ。
 

 政府が現行保険証の廃止に固執する背景には、医療分野の個人情報を集積し、活用したいという経済界の要請があるが、人命に優先する経済政策などあり得ない。
 

 河野氏らは保険証を「人質」に任意であるマイナカード取得を事実上強制。「密告」を奨励して医療機関に圧力を強めるが、こうした手法こそがマイナカード不信を増幅させたと気付くべきだ。