国民年金は零細企業や個人経営そして高齢世帯が保険料を払っている。一番弱い層の国民である。そこに焦点をあてる国の冷酷さ。「自己責任で死ね」っていうこと。それを言うなら大企業や富裕層に言ってくれ!これ位の金額は痛くも痒くもないだろう。

 

2年間で月額990円アップ
毎年1月、厚生労働省より翌年度と翌々年度の国民年金保険料が発表されています。国民年金保険料には前納制度(保険料を前倒しで一括納付する制度)があり、最大2年(24月)分まで前納できることが翌々年度分まで発表される理由となっています。

2024年1月には、2024年度(2023年1月にもすでに発表)と2025年度の保険料額が発表されています。2023年度の国民年金保険料は月額1万6520円だったのに対し、2024年度は月額1万6980円となり、2025年度の保険料は月額1万7510円となります。2023年度から2025年度までの2年で、実に月額990円も上がっています。

保険料額は賃金の水準を基準として変わる
月額990円を年額にすると、1万1880円です。なぜ、これほどまで保険料が上がるのでしょうか。各年度の国民年金保険料の実際額は、法定基準額の1万7000円(2019年度以降)に保険料改定率を掛けて算出します。
その年度の保険料改定率は、「前年度の保険料改定率」に「名目賃金変動率」を掛けて算出することになります(図表1)。保険料の額は10円単位となりますので、計算の結果生じた10円未満の数字は四捨五入します。

 

筆者作成

2023年度の保険料の改定にあたっての保険料改定率は0.972でした。当該年度の実際の保険料額は1万7000円×0.972で1万6520円となっていました。

2024年度の保険料額については、名目賃金変動率が+2.8%でした。その結果、2024年度分の保険料改定率は前年度改定率0.972×名目賃金変動率1.028で0.999(小数点第4位を四捨五入)となり、実際の保険料額は1万7000円×0.999=1万6980円です。

そして、2025年度の保険料額については、名目賃金変動率が+3.1%となり、さらにプラスになりました。2025年度分の保険料改定率は前年度改定率0.999×名目賃金変動率1.031で1.030となり、実際の保険料額は1万7000円×1.030=1万7510円と計算されます(図表2)。

 

 

筆者作成

このように2年度連続で賃金の水準が上がっていることから、2025年度は保険料の額がさらに上がることになります。現在あるいは将来、第1号被保険者や任意加入被保険者となる人は納付予定の保険料額を確認し、保険料額が割引できる前納制度の活用も検討しておきましょう。

また、第1号被保険者で収入が少なく、保険料の納付が困難な場合は、保険料免除や猶予の対象にならないかを確認し、対象となる場合は必要な手続きを忘れずに行うことが大切です。

 

執筆者:井内義典

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー