静観を決め込むなら主要メディアは女帝の言いなり。完全に腰が引けている。

 

 

「ウソはつかないが本当のことを言わない」──。痛烈な“女帝”批判も黙殺だ。月刊誌「文藝春秋」で小池百合子都知事の「学歴詐称工作に加担した」と告発した元側近の小島敏郎氏が12日夕、報道陣の取材に応じた。

 

 その3時間前の定例会見で、小池都知事は学歴詐称疑惑を改めて否定。「以前も騒いだのは2020年の6月で都知事選の直前。毎度毎度、選挙のたびにこうした記事が出ることは残念」と不快感をあらわにした。

 小島氏は20年当時、エジプトの名門カイロ大学卒業に疑義が持たれた小池から相談を受け、「カイロ大から声明文を出してもらえばいい」と提案したと主張。小池知事から依頼を受けた元ジャーナリストが卒業を証明する文案を作成し、ほぼ同じ内容が「カイロ大声明」となり、エジプト大使館のフェイスブックに掲載されたと訴えている。

 この日の会見で小池都知事は、小島氏の提案について「鮮明には覚えていない」と真正面から答えず、冒頭の発言はその対応を小島氏が皮肉ったもの。小池氏が次の知事選や衆院選で「カイロ大卒」と称した場合、公選法違反容疑で刑事告発するかと記者に問われると、弁護士である小島氏は「最終的に裁判所で決着をつけなければいけない時のために証拠を保全している」と言い切った。法廷バトルも辞さない構えだ。

■一部では告発を「知事と袂を分かった小島氏の『私怨』」と…

 そんな元側近の覚悟をよそに、主要メディアは「爆弾告発」をほぼスルー。学歴詐称の偽装工作というウソにウソを重ねる悪質な疑惑を前に及び腰で、小池都知事の反論しか報じない。一体なぜ?

「小島氏の手記を一読した時は『小池知事はここまでやるのか』と驚きました。しかし誰が文案を作成したにせよ、知事の卒業を今もエジプト大使館とカイロ大が認めている以上、疑義を挟む小島氏の告発に乗るわけにはいかない。告発には卒業を覆す決定的証拠の提示もなく、慎重に扱わざるを得ないのです」(民放の報道番組スタッフ)

 今回の告発は一部で「知事と袂を分かった小島氏の『私怨』」(都政関係者)とネガティブに評されているらしいが、小池知事の言い分だけをタレ流す理由にはならない。少なくとも今回の疑惑について、独自にカイロ大やエジプト大使館の見解を求めるべきだろう。

 静観を決め込むなら主要メディアは女帝の言いなり。完全に腰が引けている。

 

 

小池都知事“学歴詐称疑惑”に「都議会でも説明」の眉ツバ…答弁は女性の都政策企画局長が

 
 
 小池百合子・東京都知事(71)の「カイロ大卒」という学歴を巡り、地域政党「都民ファーストの会」元事務総長の小島敏郎氏(75)が月刊誌「文藝春秋」(24年5月号)で「(小池氏の)学歴詐称疑惑の隠蔽工作に加担した」と告発し、波紋が広がっている。

 記事によると、小池氏の側近だった小島氏は2020年6月、小池氏から学歴詐称疑惑の対応を相談され、「カイロ大から声明文を出してもらえばいい」と提案。3日後に学長名の声明が出されたのだが、小島氏はこの声明に疑念を持っているという。

 12日の定例会見で告発記事の真偽について問われた小池氏は「毎度毎度、選挙のたびにこうした記事が出るのは、そもそも残念だ」などと不快感を示しつつ、「会見だけでなく、都議会でも説明してきた」と説明していたのだが、果たしてそうなのか。

 少なくとも最近の都議会会議録を確認する限り、小池氏はこの疑惑について答弁に立っていないことが分かる。


 今年2月29日の都議会定例会でも、上田令子議員(58)ら複数の議員が小池氏の「カイロ大卒」の学歴を巡る「疑問」を取り上げていた。例えば上田氏の発言はこうだ。
 
「知事のアラビア語が堪能かどうかは、もはや都民の誰も、私も期待せず、唯一関心を持っているのは詐称、虚偽の有無であります。昨年11月、私は『女帝 小池百合子』に登場する知事とカイロ大学時代に同居していた北原百代さんのお話を伺ってきました。知事は、度々落第するも、1976年10月、必要な条件を満たして飛び級のごとく卒業したことがるる指摘されております(略)必死になって必要な条件を満たす勉強をしていたはずだった頃、エジプト航空ハイジャック事件が発生しました。(略)不思議なことに、当時のこの新聞記事では、コメントされた若き知事の身分が、カイロ大生ではなく日本航空駐在員になっており、働きながらクリアできた条件が気になって仕方がございません。この必要な条件とは何だったのか、学籍番号は何番だったのか、詳しくご説明ください」

「学歴問題です。お答えにならないようですが、知事に投票した366万人の有権者のために、議場で真贋を明らかにしていただきたいものです。学籍番号については、一度もお答えになっていないと思います。百合子さんはカイロ大を卒業していないと実名で明言している北原百代さんに確認したのです。彼女のいうことが虚偽なのでしょうか伺います」
 
■まるで女帝の“守護神”

 ちなみに「北原百代さん」とは、小島氏とともに「文藝春秋」で「カイロで共に暮らした友への手紙」と題し、小池都知事の学歴詐称疑惑について詳述している人物だ。昨年も同様に複数の議員が小池都知事の「学歴詐称」を繰り返し問うているのだが、小池都知事に代わって答弁しているのが、なぜか都政策企画局長の古谷ひろみ氏だ。

「経歴についてでございますが、当時のことについては、知事がこれまで議会など様々な場面でお伝えしてきたとおりでございます」

「知事がこれまで議会など様々な場面でお伝えしてきたとおりでございます」

 知事本人の学歴、経歴を巡る極めて「個人的」な質問にもかかわらず、いくら都幹部とはいえ、なぜ「他人」である古谷氏が答えているのか。まるで森友学園問題で疑惑を追及された安倍晋三元首相に代わって、当時の財務官僚が「記憶ない、記録にない」などと繰り返していた姿と重なってしまう。


 古谷氏は一橋大経済学部を卒業後、都庁入庁。港湾局勤務が長い。港湾経営部長、総務部長などを歴任し、2019年に女性初の港湾局長に就いた。抜擢したのは小池都知事だ。

 小島氏や北原氏の告発を聞く限り、この問題で小池都知事はすでに「詰んでいる」ように見えるが、潔白を示したいのであれば「女帝の女守護神」に答弁させるのではなく、自らが積極的に答えるべきではないのか。