赤ベンツ不倫・広瀬めぐみ議員が秘書に給与を“上納”させていた疑惑が 証拠音声も
国会議員をなんだと思っているのであろうか??自民党婦人局の通称「視察旅行」中身は「観光旅行」のパリでの写真をLINEで流したのがこの御仁。危機感がないというかオツム空っぽのオバちゃまなんだろうな。こんな奴と一緒の職場はやりにくいのが手に取るように分かる。バカに付ける薬なし状態だ。
先生には12月分は渡しています
「赤ベンツ不倫」「勤務実態なき幽霊公設秘書疑惑」の次は「秘書給与詐取疑惑」である。自民党の広瀬めぐみ参議院議員(57)。公設秘書が給与を「先生に渡した」と話している証拠音声が残されている上、LINEには「違法なことだから」との文言まであって……。
「赤ベンツ不倫」「勤務実態なき幽霊公設秘書疑惑」の次は「秘書給与詐取疑惑」である。自民党の広瀬めぐみ参議院議員(57)。公設秘書が給与を「先生に渡した」と話している証拠音声が残されている上、LINEには「違法なことだから」との文言まであって……。
***
手元に一本の音声データがある。自民党の広瀬めぐみ参議院議員の地元・岩手の事務所にいる公設第一秘書のA氏に対し、政策秘書を務めていたB氏がかけた電話の通話記録。その中の重要部分をご紹介しよう。
A氏 広瀬めぐみ事務所でございます。
B氏 東京事務所、Bです。お疲れさまです。
A氏 お疲れさまです。
B氏 Aさんちょうどよかった。1件照会したかったんですが、しーちゃんってさ、給与とか賞与とかって出た?
A氏 給与は出ましたよ。Bさん聞いたかもしれないですけど、結局、私第二だったの11月じゃないですか。11月まで私が第二給与もらっていたので、C(A氏の妻の名前)12月分からしかもらえなかったんですね。
B氏 うんうん。
A氏 それで今日1月分のは入っているんですよ。先生には12月分は渡しています。
B氏 あーなるほど。
A氏 賞与はないですよ。
B氏 あーそうなんだ。分かりました分かりました、オッケーです。
A氏 なんかありました?
B氏 ないないない。ないけどそういえば手続きしたかなって。
途中で出てくる“しーちゃん”とは、一時期、広瀬氏の公設第二秘書を務めていたA氏の妻のこと。そして、まさにこのA氏の妻に関する疑惑をお伝えしたのが、本誌(「週刊新潮」)3月28日号の記事である。そこでは、彼女が勤務実態のない“幽霊公設秘書”だとささやかれていることについて詳述した。
秘書の給与が広瀬氏に?
弁護士でもある広瀬氏が参院選に挑み、岩手選挙区で見事当選を果たしたのは2022年7月のこと。
「Aさんは広瀬さんの当選直後にまず公設第二秘書になり、同じ年の11月に公設第一秘書になっています」(広瀬氏の地元事務所の関係者)
A氏が公設第一秘書になったことで枠が空いた公設第二秘書に就任したのがA氏の妻であった。昨年初夏、本誌が参議院で秘書の現況届を確認したところ、A氏の妻の採用時期は22年11月29日。参議院議員課の秘書担当職員によると、
「秘書給与は月に何日働かなければ支払われないといったような規定はないので、例えば11月末に秘書になり、1日しか働いていない場合でも、翌12月10日に給与が満額支払われます。公設第二秘書の給与については、1級1号給で月32万5680円からとなっており、一番高いと3級5号給で47万5200円です。この数字は地域手当相当額も含んだものになります」
本誌の取材に対しA氏の妻は、秘書給与を自分で全額受け取っていたとしていた。が、冒頭の通話記録を聞く限り、その証言は疑わしいと言わざるを得ない。何しろ彼女の夫であるA氏は、
「先生には12月分は渡しています」
とはっきり述べているのだから――。
“先生”とは無論、広瀬氏のこと。“12月分”がA氏の妻の給与を指すのは明白だ。そこから浮かび上がってくるのは、公設第二秘書を務めていたA氏の妻の給与が広瀬氏に渡った、という構図に他ならない。
公設第二秘書の給与は公金が原資である。その秘書給与を巡る事件を引き起こした国会議員として思い出されるのは、辻元清美参議院議員。代議士だった02年当時、勤務実態がない政策秘書の給与を詐取していたことが本誌報道で明らかになり、翌年に逮捕。04年に有罪判決が下っている。
手元に一本の音声データがある。自民党の広瀬めぐみ参議院議員の地元・岩手の事務所にいる公設第一秘書のA氏に対し、政策秘書を務めていたB氏がかけた電話の通話記録。その中の重要部分をご紹介しよう。
A氏 広瀬めぐみ事務所でございます。
B氏 東京事務所、Bです。お疲れさまです。
A氏 お疲れさまです。
B氏 Aさんちょうどよかった。1件照会したかったんですが、しーちゃんってさ、給与とか賞与とかって出た?
A氏 給与は出ましたよ。Bさん聞いたかもしれないですけど、結局、私第二だったの11月じゃないですか。11月まで私が第二給与もらっていたので、C(A氏の妻の名前)12月分からしかもらえなかったんですね。
B氏 うんうん。
A氏 それで今日1月分のは入っているんですよ。先生には12月分は渡しています。
B氏 あーなるほど。
A氏 賞与はないですよ。
B氏 あーそうなんだ。分かりました分かりました、オッケーです。
A氏 なんかありました?
B氏 ないないない。ないけどそういえば手続きしたかなって。
途中で出てくる“しーちゃん”とは、一時期、広瀬氏の公設第二秘書を務めていたA氏の妻のこと。そして、まさにこのA氏の妻に関する疑惑をお伝えしたのが、本誌(「週刊新潮」)3月28日号の記事である。そこでは、彼女が勤務実態のない“幽霊公設秘書”だとささやかれていることについて詳述した。
秘書の給与が広瀬氏に?
弁護士でもある広瀬氏が参院選に挑み、岩手選挙区で見事当選を果たしたのは2022年7月のこと。
「Aさんは広瀬さんの当選直後にまず公設第二秘書になり、同じ年の11月に公設第一秘書になっています」(広瀬氏の地元事務所の関係者)
A氏が公設第一秘書になったことで枠が空いた公設第二秘書に就任したのがA氏の妻であった。昨年初夏、本誌が参議院で秘書の現況届を確認したところ、A氏の妻の採用時期は22年11月29日。参議院議員課の秘書担当職員によると、
「秘書給与は月に何日働かなければ支払われないといったような規定はないので、例えば11月末に秘書になり、1日しか働いていない場合でも、翌12月10日に給与が満額支払われます。公設第二秘書の給与については、1級1号給で月32万5680円からとなっており、一番高いと3級5号給で47万5200円です。この数字は地域手当相当額も含んだものになります」
本誌の取材に対しA氏の妻は、秘書給与を自分で全額受け取っていたとしていた。が、冒頭の通話記録を聞く限り、その証言は疑わしいと言わざるを得ない。何しろ彼女の夫であるA氏は、
「先生には12月分は渡しています」
とはっきり述べているのだから――。
“先生”とは無論、広瀬氏のこと。“12月分”がA氏の妻の給与を指すのは明白だ。そこから浮かび上がってくるのは、公設第二秘書を務めていたA氏の妻の給与が広瀬氏に渡った、という構図に他ならない。
公設第二秘書の給与は公金が原資である。その秘書給与を巡る事件を引き起こした国会議員として思い出されるのは、辻元清美参議院議員。代議士だった02年当時、勤務実態がない政策秘書の給与を詐取していたことが本誌報道で明らかになり、翌年に逮捕。04年に有罪判決が下っている。
「賞与……出してる?」
問題の音声データに戻ろう。B氏はA氏との会話が終わると、地元事務所の別のスタッフに代わってもらい、用件を話した後、電話を切っている。続いて、B氏と参議院議員課の担当者の通話が再生される。
B氏 あっ広瀬めぐみ事務所と申します。お世話になってます。ちょっと教えて下さい。先ほど、ウチの事務所の第二秘書、Cの件で、賞与が出てるとか出てないとかっていう話があったじゃないですか。あれ聞きたいんですけど、賞与……出してる? 本当に? 3割分くらい出てるよーみたいなこと、先ほど聞いて。
担当者 はい、先ほど申し上げましたけれども。少々お待ち下さいね。
B氏 はいはい。
担当者 C様の件ですよね?
B氏 そうそうそうそう。
担当者 そうですね。期末手当、勤勉手当が支給とありますね。
B氏 3割出てる?
担当者 はい。
B氏 なーにを見てんのかなあ、あいつなあ。うーん。あれ、23日にまとめて出したってことかな、そうすっと。
担当者 そうですね。23日にまとめて振り込みとかされていて。と、期末手当、勤勉手当分として、お支払いされていると思います。
前出の参議院議員課の秘書担当職員が言う。
「公設第二秘書の賞与は現在、1回につき、期末手当がベース給与の1.225月分、勤勉手当が1.025月分支払われます。賞与は年2回。6月と12月で、12月の分は基本的に12月10日に支払われます。在職期間が3カ月未満の場合、賞与は約3割が支給されます」
通話記録では、賞与が支払われたのが23日となっているが、
「12月10日までに賞与が支払われるためには、9営業日前までに秘書として採用されたという届出がされている必要があります。11月29日に採用された場合、届出が9営業日前までに間に合わず、賞与の支払いがずれこむ可能性は十分にあります」(同)
問題の音声データは、B氏と担当者の会話が終わると、機械音声が“1月10日午後14時41分のメッセージです”と伝え、再生が終了する。22年11月以降の給与についての会話が交わされていることから推測するに、これは23年1月10日に録音された通話記録なのだろう。
問題の音声データに戻ろう。B氏はA氏との会話が終わると、地元事務所の別のスタッフに代わってもらい、用件を話した後、電話を切っている。続いて、B氏と参議院議員課の担当者の通話が再生される。
B氏 あっ広瀬めぐみ事務所と申します。お世話になってます。ちょっと教えて下さい。先ほど、ウチの事務所の第二秘書、Cの件で、賞与が出てるとか出てないとかっていう話があったじゃないですか。あれ聞きたいんですけど、賞与……出してる? 本当に? 3割分くらい出てるよーみたいなこと、先ほど聞いて。
担当者 はい、先ほど申し上げましたけれども。少々お待ち下さいね。
B氏 はいはい。
担当者 C様の件ですよね?
B氏 そうそうそうそう。
担当者 そうですね。期末手当、勤勉手当が支給とありますね。
B氏 3割出てる?
担当者 はい。
B氏 なーにを見てんのかなあ、あいつなあ。うーん。あれ、23日にまとめて出したってことかな、そうすっと。
担当者 そうですね。23日にまとめて振り込みとかされていて。と、期末手当、勤勉手当分として、お支払いされていると思います。
前出の参議院議員課の秘書担当職員が言う。
「公設第二秘書の賞与は現在、1回につき、期末手当がベース給与の1.225月分、勤勉手当が1.025月分支払われます。賞与は年2回。6月と12月で、12月の分は基本的に12月10日に支払われます。在職期間が3カ月未満の場合、賞与は約3割が支給されます」
通話記録では、賞与が支払われたのが23日となっているが、
「12月10日までに賞与が支払われるためには、9営業日前までに秘書として採用されたという届出がされている必要があります。11月29日に採用された場合、届出が9営業日前までに間に合わず、賞与の支払いがずれこむ可能性は十分にあります」(同)
問題の音声データは、B氏と担当者の会話が終わると、機械音声が“1月10日午後14時41分のメッセージです”と伝え、再生が終了する。22年11月以降の給与についての会話が交わされていることから推測するに、これは23年1月10日に録音された通話記録なのだろう。
LINEで「違法なことだから…」と“自白” 赤ベンツ不倫・広瀬めぐみ議員に秘書の給与を上納させていた疑惑が
「やっぱり違法なことだから、もうやらない」
***
ではなぜ、このような会話が交わされ、それがわざわざ録音されているのか。その背景事情を示すLINEのスクリーンショットも手元にある。問題の通話記録と同じ1月10日にLINEでやり取りしているのは、広瀬氏とB氏だ。
そこではまず広瀬氏が、公設第二秘書の給与明細と賞与明細をもらっておくよう命じた上で、
〈彼に第二秘書のボーナスもでてるんじゃないかということと、第一のボーナスもでてるんじゃないかと思うので〉
と書いている。対するB氏の返信は、
〈個人情報の兼ね合いもあるのでもらえるか分かりませんが、聞いてみます〉
〈了解です〉
その後、LINE電話で音声通話を交わし、広瀬氏は次のように書くのだ。
〈必ず録音してね〉
〈やっぱり違法なことだから、もうやらない、あるいは新しい人が入るかもしれない、でもよい。とな(ママ)かく奥さんにはやめてもらおう。まずは彼がくすねたことを明らかにしておかないといけないから、そこはよろしく〉
給与、賞与を上納させていた疑惑が
これらのやり取りが交わされたのは、13時40分前後から14時46分までで、〈必ず録音してね〉は14時16分。前編で紹介した電話の録音記録は14時41分のものだった。つまり、B氏は広瀬氏からLINEで依頼され、A氏との会話を録音した、という流れに見えるのだ。LINEでのやり取りから推測すると、広瀬氏は、A氏の妻の分の賞与をA氏が「くすねた」と疑い、B氏に調査を依頼したのではなかろうか。
しかし本来、A氏の妻の分の賞与はA氏夫妻の家計に入るのだから、それを「くすねた」などと疑うこと自体が不可解。そこからもやはり広瀬氏が、A氏の妻の分の給与や賞与を上納させていたのではないか、という疑惑が浮かび上がる。そして〈違法なことだから〉というくだりは、彼女自身に違法性の認識があったことをうかがわせるのである。
こうした重大な疑いについて当の本人は何と弁明するのか。3月下旬、文書で取材依頼書を送った後のある日の午前中、広瀬氏は例の赤いベンツではなく、白い車に乗って都内の自宅に帰ってきた。車を降りるや、ほとんど走るようにして家に入ろうとする彼女に、音声データやLINEのやり取りについて質したが、
「文書で頂いておりますので!」
と何度も声を張り上げるのみ。家に入ると慌ただしく扉を閉め、施錠してしまった。
その後、広瀬氏は回答期限を大幅に過ぎてから文書で答えた。A氏の妻の給与などを上納させたのではないか、という点について、
〈ご指摘のような「上納」させたという事実がないことを明確に申し上げます〉
とした上で、
〈私は令和4年8月から議員活動を始めましたが、資金不足で大変であったことから、A氏から金銭の借り入れをしていました。A氏の好意で、同氏が融通できる金額を一時借用しておりました。したがって、「上納」という事実は一切ございません〉
支離滅裂な弁明
秘書給与の「上納」ではなく、A氏からの「借金」だと言うのだ。不可解な主張である。そもそも、A氏は「先生には12月分は渡しています」とはっきり語っている。貸金ではなく、給与の上納だからこそこのような言い方をしたのは明白だ。広瀬氏の不自然極まる弁明によって、疑惑はより深まったといえるだろう。
広瀬氏の奇妙な主張は他にもある。LINEの文言「違法なことだから」について、こう宣うのだ。
〈ご質問に「違法なこと」とありましたが、当時の政策秘書(退職済み)が違法な提案をしてきたことがありました。当然、それはお断りしております〉
もはや支離滅裂である。前編では、秘書が給与を広瀬氏に上納していたと思わせる会話記録などと併せて報じている。
「週刊新潮」2024年4月4日号 掲載
秘書給与の「上納」ではなく、A氏からの「借金」だと言うのだ。不可解な主張である。そもそも、A氏は「先生には12月分は渡しています」とはっきり語っている。貸金ではなく、給与の上納だからこそこのような言い方をしたのは明白だ。広瀬氏の不自然極まる弁明によって、疑惑はより深まったといえるだろう。
広瀬氏の奇妙な主張は他にもある。LINEの文言「違法なことだから」について、こう宣うのだ。
〈ご質問に「違法なこと」とありましたが、当時の政策秘書(退職済み)が違法な提案をしてきたことがありました。当然、それはお断りしております〉
もはや支離滅裂である。前編では、秘書が給与を広瀬氏に上納していたと思わせる会話記録などと併せて報じている。
「週刊新潮」2024年4月4日号 掲載
赤ベンツ不倫→秘書給与詐取疑惑 広瀬めぐみ参院議員の釈明は説得力ゼロ 「5000万円預金」をどう説明するのか
政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が解説する。
「プライベートな目的で個人として第三者から金銭を借り入れた場合は資産等報告書に記載しなければ資産公開法違法です。一方、借金を政治活動に使ったのであれば、借りたのは、党の支部又は政治団体だった可能性があり、政治資金収支報告書に収入と支出を明記しなければ政治資金規正法違反の不記載になります。個人で金銭を借りて政治活動に使ったのであれば、その金銭を裏金化していることになってしまいます」
ましてや広瀬氏は法を遵守すべき弁護士資格を有している国会議員である。説明責任が問われているのは言うまでもない。
「プライベートな目的で個人として第三者から金銭を借り入れた場合は資産等報告書に記載しなければ資産公開法違法です。一方、借金を政治活動に使ったのであれば、借りたのは、党の支部又は政治団体だった可能性があり、政治資金収支報告書に収入と支出を明記しなければ政治資金規正法違反の不記載になります。個人で金銭を借りて政治活動に使ったのであれば、その金銭を裏金化していることになってしまいます」
ましてや広瀬氏は法を遵守すべき弁護士資格を有している国会議員である。説明責任が問われているのは言うまでもない。
「赤ベンツ不倫」に続いて、今度は「公金詐取疑惑」である。不祥事まみれの自民党・広瀬めぐみ参院議員が秘書給与を詐取していたのではないか、という疑惑を「週刊新潮」と「デイリー新潮」が報じた。当の広瀬氏は給与を詐取していたわけではなく「秘書からの借金だった」と回答したが、あまりに苦しい言い訳であるのは、当人の公的な報告書を見ても明らかなのだ。
***
〈必ず録音してね〉
まずは今回の報道を振り返ってみよう。
自民党麻生派に所属する広瀬氏について、3月21日発売号の週刊新潮が指摘したのは広瀬事務所に勤務する公設第二秘書の勤務実態についてであった。
2022年7月の参院選に当選した後、岩手県遠野市で不動産業を営むA氏が広瀬事務所に採用されていている。当初は公設第二秘書だったA氏が公設第一秘書に採用されたのは22年11月。その直後に空席となった第二秘書に採用されたのがA氏の妻だった。このA氏の妻が勤務実態のない幽霊秘書と地元で囁かれている疑惑について詳報したのである。
さらに今回、23年1月頃の広瀬事務所関係者の通話音声とLINEのスクリーンショットを入手。そこには公設第二秘書の秘書給与を詐取していたことを示す証拠が記されていた。
まずはLINEについて。やりとりしているのは、広瀬氏本人と当時の政策秘書。そこで広瀬氏は公設第二秘書の給与明細と賞与明細を第一秘書からもらっておくようこの政策秘書に指示した上でこう綴っている。
〈彼に第二秘書のボーナスもでているんじゃないかということと、第一のボーナスもでてるんじゃないかと思うので〉
〈必ず録音してね〉
すると、通話音声ではこう続く。音声はこの政策秘書と公設第二秘書の夫である第一秘書との会話だ。
そこでは政策秘書が第一秘書に対し妻、つまり第二秘書の給与と賞与が振り込まれたかどうかについて尋ねている。
「12月分は渡しています」
政策秘書「しーちゃん(注・公設第二秘書のこと)てさ、給与とか賞与とかって出た?」
第一秘書「(中略)12月分からしかもらえなかったんですよね」
政策秘書「うんうん」
第一秘書「それで今日1月分のは入っているんですよ。先生には12月分は渡しています」
政策秘書「あーなるほど」
第一秘書「賞与はないですよ」
先のLINEのやりとりに戻ろう。そこで広瀬氏は政策秘書にこう送っている。
〈やっぱり違法なことだから、もうやらない、あるいは新しい人が入るかもしれない、でもよい。となかく(ママ)奥さんにはやめてもらおう〉
この一連のLINEと通話のやりとりから以下のことが読み取れる。
・広瀬氏はなぜか公設第二秘書の給与と賞与の明細を知りたがっていた
・それを実際に政策秘書が公設第一秘書に尋ねたところ「(22年の)12月分(の給与)は渡している」と語った
・広瀬氏はこの件について「違法性」を認識していた
しかもこの第二秘書に勤務実態がないという疑惑があるのは、先に触れた通り。
もし、勤務実態のない公設秘書の給与を政治家本人が上納させていたとすれば、公金を詐取したことになり重大な犯罪になりうる事案である。実際、2002年には辻元清美参院議員の事務所で秘書給与流用が発覚し、辻元氏本人と秘書らが詐欺容疑で逮捕、有罪となっている。
ちなみにこの第二秘書はこのやりとりの後もやめることなく、少なくとも昨年夏までは広瀬事務所に勤務していることを確認している。つまり、それまでは給与の詐取を行っていた疑いを持たれても仕方ないのである。
〈必ず録音してね〉
まずは今回の報道を振り返ってみよう。
自民党麻生派に所属する広瀬氏について、3月21日発売号の週刊新潮が指摘したのは広瀬事務所に勤務する公設第二秘書の勤務実態についてであった。
2022年7月の参院選に当選した後、岩手県遠野市で不動産業を営むA氏が広瀬事務所に採用されていている。当初は公設第二秘書だったA氏が公設第一秘書に採用されたのは22年11月。その直後に空席となった第二秘書に採用されたのがA氏の妻だった。このA氏の妻が勤務実態のない幽霊秘書と地元で囁かれている疑惑について詳報したのである。
さらに今回、23年1月頃の広瀬事務所関係者の通話音声とLINEのスクリーンショットを入手。そこには公設第二秘書の秘書給与を詐取していたことを示す証拠が記されていた。
まずはLINEについて。やりとりしているのは、広瀬氏本人と当時の政策秘書。そこで広瀬氏は公設第二秘書の給与明細と賞与明細を第一秘書からもらっておくようこの政策秘書に指示した上でこう綴っている。
〈彼に第二秘書のボーナスもでているんじゃないかということと、第一のボーナスもでてるんじゃないかと思うので〉
〈必ず録音してね〉
すると、通話音声ではこう続く。音声はこの政策秘書と公設第二秘書の夫である第一秘書との会話だ。
そこでは政策秘書が第一秘書に対し妻、つまり第二秘書の給与と賞与が振り込まれたかどうかについて尋ねている。
「12月分は渡しています」
政策秘書「しーちゃん(注・公設第二秘書のこと)てさ、給与とか賞与とかって出た?」
第一秘書「(中略)12月分からしかもらえなかったんですよね」
政策秘書「うんうん」
第一秘書「それで今日1月分のは入っているんですよ。先生には12月分は渡しています」
政策秘書「あーなるほど」
第一秘書「賞与はないですよ」
先のLINEのやりとりに戻ろう。そこで広瀬氏は政策秘書にこう送っている。
〈やっぱり違法なことだから、もうやらない、あるいは新しい人が入るかもしれない、でもよい。となかく(ママ)奥さんにはやめてもらおう〉
この一連のLINEと通話のやりとりから以下のことが読み取れる。
・広瀬氏はなぜか公設第二秘書の給与と賞与の明細を知りたがっていた
・それを実際に政策秘書が公設第一秘書に尋ねたところ「(22年の)12月分(の給与)は渡している」と語った
・広瀬氏はこの件について「違法性」を認識していた
しかもこの第二秘書に勤務実態がないという疑惑があるのは、先に触れた通り。
もし、勤務実態のない公設秘書の給与を政治家本人が上納させていたとすれば、公金を詐取したことになり重大な犯罪になりうる事案である。実際、2002年には辻元清美参院議員の事務所で秘書給与流用が発覚し、辻元氏本人と秘書らが詐欺容疑で逮捕、有罪となっている。
ちなみにこの第二秘書はこのやりとりの後もやめることなく、少なくとも昨年夏までは広瀬事務所に勤務していることを確認している。つまり、それまでは給与の詐取を行っていた疑いを持たれても仕方ないのである。
資産等報告書には何が書かれているか
週刊新潮のこうした指摘に対し、広瀬事務所は取材に以下のように回答している。
〈私は令和4年8月から議員活動を始めましたが、資金不足で大変であったことから、A氏(注・公設第一秘書)から金銭の借り入れをしていました。A氏の好意で、同氏が融通できる金額を一時借用しておりました。したがって、「上納」という事実は一切ございません〉
要は公金を詐取したのではなく、あくまで金を借りただけだ、と抗弁しているのである。
さらに3月29日には広瀬氏の代理人弁護士が週刊新潮に対し抗議書を送付。
〈会話において公設第一秘書A氏が発言しているのは、A氏の貸付金のことであり、公設第二秘書が通知人(注・広瀬氏)に金銭を渡していたなどという事実は一切ありません〉
と改めて主張した。
しかし、先のLINEにある通り、広瀬氏本人が違法性を認識していることからこの言い訳は相当苦しいと言わざるを得ない。さらに、それらを裏付けるのが広瀬氏本人が提出している公的報告書の存在である。
国会議員は資産公開法によって、任期開始日時点で所有している資産を提出しなければならない決まりになっている。当の広瀬氏は参議院に対し、22年11月1日付で「資産等報告書」を提出している。
その報告書を閲覧すると、都内に所有する土地や建物の他に、預金として「50000000円」と記されている。さらに、借入金という項目には「該当なし」とある。つまり、広瀬氏は5000万円の預金を有する上、借金ゼロ。とても資金難であるようには見えないのだ。
ではこの報告書を提出した後に借金をしたということは考えられるだろうか。
本当に資金難なのか
参議院の議員課によれば、
「資産等報告書のほかに資産等補充報告書というのもございまして、こちらは当選時の資産等報告書からの増減を記載していただく形になります。借入金の増減などがあれば、前年1月1日から12月31日までの増減を翌年4月に提出していただきます」
となると広瀬氏の場合、一昨年12月までに借入金が発生したなら、すでに資産等補充報告書を提出しているはずだ。実際、差し当たって上納させた疑いが持たれているのは22年12月の給与。ところが、この点も確認したところ、広瀬氏はこの補充報告書を提出していないことがわかった。
では、政治資金収支報告書ではどう記載されているのか。
広瀬氏が代表を務める政党支部と政治団体は二つ存在している。「広瀬めぐみ後援会」と「自由民主党岩手県参議院選挙区第一支部」である。
本来、支部や団体として金銭を借り入れた場合は政治資金収支報告書に借入金として記載することになっている。しかし、令和4年分の両団体の報告書を見ても、そうした記載は見当たらなかった。
また、支部の報告書の収入欄をチェックすると、総収入約6800万円のうち、党本部から交付金が6400万円、医師会などからの献金が約300万円。広瀬氏からこの支部への寄付は100万円しかなく、やはりここでも資金難であることは伺えない。後援会に至っては収支上、ほとんど稼働していないように見える。
専門家の意見は
政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が解説する。
「プライベートな目的で個人として第三者から金銭を借り入れた場合は資産等報告書に記載しなければ資産公開法違法です。一方、借金を政治活動に使ったのであれば、借りたのは、党の支部又は政治団体だった可能性があり、政治資金収支報告書に収入と支出を明記しなければ政治資金規正法違反の不記載になります。個人で金銭を借りて政治活動に使ったのであれば、その金銭を裏金化していることになってしまいます」
ましてや広瀬氏は法を遵守すべき弁護士資格を有している国会議員である。説明責任が問われているのは言うまでもない。
週刊新潮のこうした指摘に対し、広瀬事務所は取材に以下のように回答している。
〈私は令和4年8月から議員活動を始めましたが、資金不足で大変であったことから、A氏(注・公設第一秘書)から金銭の借り入れをしていました。A氏の好意で、同氏が融通できる金額を一時借用しておりました。したがって、「上納」という事実は一切ございません〉
要は公金を詐取したのではなく、あくまで金を借りただけだ、と抗弁しているのである。
さらに3月29日には広瀬氏の代理人弁護士が週刊新潮に対し抗議書を送付。
〈会話において公設第一秘書A氏が発言しているのは、A氏の貸付金のことであり、公設第二秘書が通知人(注・広瀬氏)に金銭を渡していたなどという事実は一切ありません〉
と改めて主張した。
しかし、先のLINEにある通り、広瀬氏本人が違法性を認識していることからこの言い訳は相当苦しいと言わざるを得ない。さらに、それらを裏付けるのが広瀬氏本人が提出している公的報告書の存在である。
国会議員は資産公開法によって、任期開始日時点で所有している資産を提出しなければならない決まりになっている。当の広瀬氏は参議院に対し、22年11月1日付で「資産等報告書」を提出している。
その報告書を閲覧すると、都内に所有する土地や建物の他に、預金として「50000000円」と記されている。さらに、借入金という項目には「該当なし」とある。つまり、広瀬氏は5000万円の預金を有する上、借金ゼロ。とても資金難であるようには見えないのだ。
ではこの報告書を提出した後に借金をしたということは考えられるだろうか。
本当に資金難なのか
参議院の議員課によれば、
「資産等報告書のほかに資産等補充報告書というのもございまして、こちらは当選時の資産等報告書からの増減を記載していただく形になります。借入金の増減などがあれば、前年1月1日から12月31日までの増減を翌年4月に提出していただきます」
となると広瀬氏の場合、一昨年12月までに借入金が発生したなら、すでに資産等補充報告書を提出しているはずだ。実際、差し当たって上納させた疑いが持たれているのは22年12月の給与。ところが、この点も確認したところ、広瀬氏はこの補充報告書を提出していないことがわかった。
では、政治資金収支報告書ではどう記載されているのか。
広瀬氏が代表を務める政党支部と政治団体は二つ存在している。「広瀬めぐみ後援会」と「自由民主党岩手県参議院選挙区第一支部」である。
本来、支部や団体として金銭を借り入れた場合は政治資金収支報告書に借入金として記載することになっている。しかし、令和4年分の両団体の報告書を見ても、そうした記載は見当たらなかった。
また、支部の報告書の収入欄をチェックすると、総収入約6800万円のうち、党本部から交付金が6400万円、医師会などからの献金が約300万円。広瀬氏からこの支部への寄付は100万円しかなく、やはりここでも資金難であることは伺えない。後援会に至っては収支上、ほとんど稼働していないように見える。
専門家の意見は
政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が解説する。
「プライベートな目的で個人として第三者から金銭を借り入れた場合は資産等報告書に記載しなければ資産公開法違法です。一方、借金を政治活動に使ったのであれば、借りたのは、党の支部又は政治団体だった可能性があり、政治資金収支報告書に収入と支出を明記しなければ政治資金規正法違反の不記載になります。個人で金銭を借りて政治活動に使ったのであれば、その金銭を裏金化していることになってしまいます」
ましてや広瀬氏は法を遵守すべき弁護士資格を有している国会議員である。説明責任が問われているのは言うまでもない。