最後の最後まで、神宮外苑開発樹木伐採反対を言い続けてきた坂本龍一さん。芸術家の一人として自然を破壊する事への怒りであったのだろう。日本は余りにも「利権」優先で、簡単に自然を破壊し続けている。原発然りである。

 

 

 亡くなった坂本龍一さんの遺志を受け継ぐアーティストらが22日、東京都新宿区の聖徳記念絵画館近くの路上で、明治神宮外苑再開発による樹木伐採に反対するデモを行った。
 

 坂本さんが生前、共同主宰した社会問題を考える団体「D2021」が企画した。同団体によると、延べ約6000人が参加。中心メンバーでミュージシャンの後藤正文さんは「坂本さんや忌野清志郎さんなどの有名人に代弁させて終わりにしてはいけない」と呼び掛けた。

 

 

 作家のいとうせいこうさんは「一部の限られた人々の経済的利益のために、多くの森を破壊することは日本文化の自滅です」などとするメッセージを送った。
 

 坂本さんの娘でミュージシャンの坂本美雨さんも「この美しい木々とその周りの無数の命を絶やさずに開発する方へ舵かじを切っていただけるよう、切に願います」などとするコメントを寄せた。坂本さんは、小池百合子東京都知事らに手紙を送り、再開発の見直しを訴えていた。 (山口登史)

 

坂本龍一さんが反対訴えた明治神宮外苑再開発 22日に樹木伐採中止運動を実施

 
3月31日に71歳で亡くなった音楽家、坂本龍一さんの公式SNSが20日、更新され、坂本さんが生前に反対を訴えていた東京・明治神宮外苑の再開発に関し、22日に樹木伐採中止を呼び掛ける運動が行われると発表された。

インスタでは「坂本龍一の意志を引き継ぐ、神宮外苑の樹々伐採中止を呼びかけます。ぜひお集まりください」と告知。坂本さんが共同主宰を務めた「D2021」による呼びかけで、22日午後4時から同8時まで神宮外苑絵画館前西側通路で行うという。

以下、全文

ひとりの人間として社会に対し発信を続けた坂本龍一さんの生き方に、私「たち」もひとりの人間として、意志を引き継ぎます。

「D2021」は、まだ見ぬ理想の社会とは何かを考え、坂本さんと共に行動してきました。一緒にやってきて気がついたことは、有名なひとりが発信しても、有名/無名の隔たりない「みんな」で課題を引き受けなければ社会が変わることは決してないということです。
 
坂本さんは亡くなる1ヶ月前に、神宮外苑の樹々を伐採しないで欲しいという趣旨の手紙を東京都知事、新宿区長、港区長、文部科学相、文化庁に宛てて書きました。「目の前の経済的利益のために、先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません。これらの樹々はどんな人にも恩恵をもたらしますが、開発によって恩恵を得るのは一握りの富裕層にしかすぎません」と。

坂本さんの死をもって集まることに、抵抗がないといえば嘘になります。でも何もしないで終わることを彼が望まないことも知っています。天国から「何かしないの?」と急かされている気もします。

社会に対する憂いと愛を持って、彼の姿勢と意志に連なるように、神宮外苑の伐採が予定される樹々の前に集まりましょう。

続けます。繋げます。

 

 

外苑再開発 坂本龍一さんは手紙を送りアジカン後藤さんは声を上げた

 

 

 多数の樹木伐採に批判が続く明治神宮外苑地区(東京都)の再開発。批判のうねりを広げたのは昨年3月に亡くなった音楽家・坂本龍一氏が小池百合子都知事らに送った手紙だった。なぜアーティストは声をあげるのか。坂本さんとともに社会問題を考え、外苑再開発の是非を問う集会を仲間たちと開いたロックバンド「アジアン・カンフー・ジェネレーション」の後藤正文氏(47)に話を聞いた。

 

 ――神宮外苑の再開発を知ったのはいつですか

 新国立競技場の建設のときに条例を変更し、周辺を再開発する、というのはなんとなく知っていました。ただ、詳細を知って問題意識が深まったのは坂本さんが取り上げてからです。仲間たちと話して、教授(=坂本さん)の遺志を受け継いで何かできないかと集まりました。
 

 ――昨年4月、坂本さんと後藤さんらでつくった社会問題を考える団体「D2021」が主催となって、神宮外苑で様々なアーティストがライブをする集会を開きました。

 当時は伐採まで期間も無い様子でした。すぐに動かないと間に合わないんじゃないかと、仲間たちと話しました。対立ではなく対話が必要だという立場で、参加者たちと車座になって議論もしました。事業者が市民との対話の場をきちんと設けていない、という問題意識が一番大きいです。

 ――なぜ、集会なのでしょう

 

 

坂本龍一さんも大江健三郎さんもいないけど…「事故から13年、脱原発をあきらめない」代々木公園で集会

 

 能登半島地震被災地の石川県珠洲(すず)市で、かつて「珠洲原発」の建設を止めた住民運動に関わった元市議の北野進さんも参加。「原発ができていたら(今回の地震で)奥能登が被ばくしていたかもしれない」と危険性を訴えた。

 

 

 昨年亡くなった作家の大江健三郎さんや音楽家の坂本龍一さんらが呼びかけた「さようなら原発」運動の全国集会が20日、東京・代々木公園で開かれた。主催者発表で約6000人が集まり、一時雨が降る中、脱原発を訴え、集会後は周辺をデモ行進した。

 

 東京電力福島第1原発事故直後の2011年6月、大江さんや坂本さん、21年に亡くなった瀬戸内寂聴さんら9人が呼びかけ人となって始まった。原発のない社会を目指し、署名や集会などを続けてきた。
 20日の集会では、大江さんらと共に呼びかけたルポライターの鎌田慧さん(85)が登壇。「大江さんも坂本さんも瀬戸内さんも亡くなった。ここまで頑張って13年がたったが、まだ原発はある」と述べ「あきらめずに声を上げて廃炉、脱原発に向かっていきたい」と力を込めた。

 

 

 能登半島地震被災地の石川県珠洲(すず)市で、かつて「珠洲原発」の建設を止めた住民運動に関わった元市議の北野進さんも参加。「原発ができていたら(今回の地震で)奥能登が被ばくしていたかもしれない」と危険性を訴えた。(岡本太)