衆院憲法審、会長職権で設定されていた幹事懇が見送り。それでも自公維国が28日の審査会開催を目指すという。
自民党は先日党大会で、今年中に改憲国民投票を目指すと掲げた。しかし、底なしの金権腐敗で自浄作用も見えない自民党に、改憲を語る資格などないというべきだ。

 

 

 衆院憲法審査会は21日、森英介会長(自民)が職権で決めていた幹事懇談会の開催を見送った。与党は今国会初の審査会実施に向けて日程協議をしたい考えだったが、自民党派閥の裏金事件への対応が先決だとする立場を崩さない立憲民主党と共産党が欠席した。

 

 これを受け、与党と日本維新の会、国民民主党の幹事らは国会内で非公式に意見交換し、28日の審査会開催を目指すことを確認した。与党筆頭幹事を務める自民の中谷元氏は記者団に、裏金事件と憲法審は「切り離すべきだ」と指摘した。

 一方、立民の逢坂誠二氏は職権で幹事懇開催を決めたことに対して「承服できない」と反発。政治資金収支報告書の不記載が発覚した自民議員が憲法審のメンバーに含まれていることも問題視し、日程協議に当面応じない考えを示した。

 

 

森元総理は「追及を受けない自信」がある? 「キックバック再開の真相」と「裏金議員の処分の行方」に迫る

 
 
 自民党の派閥の裏金問題をめぐり、18日、下村元文部科学大臣が政治倫理審査会(政倫審)に出席。「キックバックが継続された経緯」をめぐっては、「誰が最初に言ったか覚えていない」と説明した。
 
 「キックバック再開の真相」と「裏金議員の処分の行方」について、JX通信社 代表取締役の米重克洋氏に聞いた。

━━18日の下村氏の政倫審での弁明をどう見たか?

「もちろん、説明責任を果たし、疑問が解決し腑に落ちる形が理想だが、そもそも政倫審には法的な強制力がなく、嘘をついてはいけないなどの制約が一切ない。そのため、新しいことがわかると期待していた人はおそらく誰もいなかったが、蓋を開けてみると本当に何の意味もなかった」

━━「森元総理や安倍派幹部の関与」についての発言も注目されてたが、特になかった。そもそも、なぜ政倫審の場で下村氏が彼らの関与について話すことが期待されていたのか?

「下村氏は森元総理とは比較的距離があるとされており、安倍元総理が亡くなった後も安倍派の運営には関われていなかった。そんな人間関係の対立があるため、森元総理や安倍派の他の幹部の関与について何か話すのでは、と期待されていた」

━━17日には自民党大会が開かれたが、注目すべき点はあったか?

「森元総理が出席したことだ。安倍派の面々が次々と森元総理の元に立ち寄って話しかける姿を見て、私は『森元総理は自民党の裏金問題についてあまり大きな打撃・追及を受けないという自信があるのでは』と受け取った。捜査機関の捜査もある意味及ばず、国会の追及にも限界があるため、『乗り切った、山を越えた』と考えているような印象があった」
 
 
━━週末に行われたANNの世論調査では、「政倫審に出席した議員の説明責任は果たされていない」と答えた方は84%、また、不記載があった議員の処分は「必要である」との回答が83%となった。岸田総理も言及しているが、今後処分はどうなるのか?

「まだ分からない。一部では『離党まではいかないのでは』『除名は無理だろう』などと報じられているが、どのくらい厳しい処分を科せるかが今後の自民党に対する信頼につながっている。世論をしっかり受け止めて厳しい処分を科さなければ、政権としても行き詰まってくるだろう」
 
 
━━今後、4月には衆議院の補欠選挙があり、9月は自民党総裁選が控えているが、どのような展開が予想されるか?

「補欠選挙には3つ選挙区があるが、自民党は1カ月前に差し迫った状況で1つしか候補者を決められていない。このこと自体が自民党の厳しさを物語っている。この後もし3つとも負けるようなことになると、岸田総理の選挙の顔としての適格性にはかなり傷がついてしまうだろう」

━━このような状況において、総選挙はどうなるのか?

「10日、公明党の石井幹事長が総選挙の時期について『自民党総裁選の後、つまり9月より後ろになる可能性が高い』という趣旨の発言をした。 おそらくこの発言はただの推測ではなく、『岸田総理ではない新しい選挙の顔を選んでほしい』ということと、『総選挙は来年の都議選や参院選に被らない日程でやってほしい』という2つの意味が込められている。政局的には、岸田総理が代わって総選挙が行われるという方向に徐々に流れているような印象を受ける」
(『ABEMAヒルズ』より)