この声聞いて胸痛みません??日本政府は💢

会見に出席した英会話学校講師で英国人のアダム・ブラウンさん(35)は、日本人の妻との間にいる11歳の息子から「パパ、送り返されちゃうの?」と聞かれ、「胸が苦しかった」と語る。「(外国人が)常に家族崩壊や強制送還におびえながら暮らす国を選ぶだろうか」と問いかけた。

 

記者会見で、永住許可の取り消し制度成立に不安の声を上げるアダム・ブラウンさん(左)とミンスイさん

 

永住許可の取り消し制度を盛り込んだ入管難民法改正案が閣議決定されたことを受け、外国人支援に取り組む弁護士や永住者たちが3月19日、東京・千代田区の参議院議員会館で記者会見を開いた。

永住者たちは、取り消し制度の導入により日本での生活基盤を失い、家族らと離別することへの不安を訴えた。
何が問題になっている?
政府は15日、外国人技能実習制度に代わる新たな「育成就労制度」を創設する入管難民法の改正案を閣議決定した。

法案には、永住許可を得ている外国人が税を納付しなかったり、拘禁刑に処されたりした場合、永住資格を取り消すとの内容が盛り込まれた。さらに、在留カードの常時携帯など入管法上の義務を遵守しない場合も、取り消しの対象となる。

現在の制度でも、永住者の在留資格を一度得たからといって、永住許可を受け続けることができるわけではない。虚偽の申請をしたり、1年を超える懲役や禁錮刑に処され強制退去となったりした場合などは、永住資格を失う。

法案の規定について、丸山由紀弁護士は記者会見で、「失業や病気、高齢化などによって生活状況が変わり、税の納付が難しくなることは誰にでも起こり得る。日本国籍者と同様に、督促など税に関する法規で対応すれば足りることだ」と強調した。

加えて、拘禁刑に処された場合も取り消しの対象となることについて、「これも日本国籍者と同様の刑罰とその後の社会での更生で十分であり、それ以上の処分は外国籍者に対する差別だ」と指摘した。

法案は、永住資格を取り消す場合、法相の職権で別の在留資格への変更を許可すると定めている。これに対し、丸山弁護士は「資格変更の判断は職権で行われるため、中長期の在留資格が許可されるとは限らない」と問題点を挙げた。

「永住許可取り消しは、『外国籍の人に対しては一生管理を続ける』という制度に他ならない。永住者という、最も安定した在留資格をやっとのことで得た人でも、国の方針を変更してその地位を剥奪できるようにするというのは本当に恐ろしいこと」(丸山弁護士)

「家族にも取り返しのつかない損害」
記者会見では、日本で暮らす永住者たちも発言した。

イギリス国籍を持つアダム・ブラウンさんは、2009年に来日し、日本国籍の妻と子どもの家族3人で暮らしている。

「日本は私の故郷であると実感し、日本社会に貢献できることを誇りに思っています。だからこそ今回、永住資格の取り消しに関する法案が突然出されたことを、深く憂慮しています。息子は『パパ、(イギリスに)送り返されちゃうの?』と私に尋ねました。親として子どもにそのような質問されて、胸が苦しくなりました」

ブラウンさんは、自身と同じように永住者として日本で家族と生活する人々に言及し、こう訴えた。

「日本に強い帰属意識を持っている人たちの在留資格を取り消すことで、当事者のみならず家族にも取り返しのつかない損害を与えます。家族そのものを崩壊させ、これまで築いてきた平穏な生活が一瞬のうちに破壊されかねません。決して大げさではないと思っています」

ミャンマー出身のミンスイさんは、「外国人であっても、日本の社会をある部分で支えています。税金を滞納する場合、日本人と同じように元々ある法律で対応するので良いのではないでしょうか」と疑問を呈した。


「パパ、送り返されちゃうの?」息子の言葉に英会話教師の胸は痛んだ

 

 

 永住権を持つ外国人の永住資格を取り消せる規定を含む法改正に反対する在日外国人らが19日、東京都内で記者会見し、「不安でたまらない」などと訴えた。

 

 政府は、外国人労働者を受け入れる在留資格「育成就労」の創設を柱とした入管難民法などの改正案を15日に閣議決定した。従来の技能実習制度に代わり、就労1~2年で職場変更(転籍)を可能とする。一方、永住許可を得た外国人が故意に税や社会保険料を納付しない場合に永住者の在留資格を取り消せる規定があり、日本弁護士連合会が撤回を求める会長声明を出すなど懸念の声がある。

 19日の記者会見は、法改正に反対する弁護士グループが主催した。指宿昭一弁護士は「急病や失職で税金を払えなくなったり、在留カードの携帯を忘れたりしただけで永住権を剝奪(はくだつ)される事態が起きてはならない」などと指摘し、「永住者を一生不安にし、安定を与えない法律だ」と批判した。制度改正を検討した有識者会議では議論されなかった規定が突如、浮上したとも述べた。

 会見に出席した英会話学校講師で英国人のアダム・ブラウンさん(35)は、日本人の妻との間にいる11歳の息子から「パパ、送り返されちゃうの?」と聞かれ、「胸が苦しかった」と語る。「(外国人が)常に家族崩壊や強制送還におびえながら暮らす国を選ぶだろうか」と問いかけた。

 

 

差別的な投稿で名誉を傷つけられた…川口のクルド人たちが石井孝明氏に慰謝料など500万円を求めて提訴

 

 

 埼玉県川口市などに住むトルコなどの少数民族クルド人らが19日、交流サイト(SNS)のX(旧ツイッター)による差別的な投稿で名誉を傷つけられたとして、フリージャーナリスト石井孝明氏に慰謝料など500万円を求め、東京地裁に提訴したと発表した。
 

 原告は日本クルド文化協会代表理事のチカン・ワッカス氏ら10人のクルド人と、夫がクルド人の日本人女性。同協会やクルド人の企業2社も加わった。
 

 チカン氏は19日に東京都内で記者会見を開き、「無責任な投稿によりクルド人の子どもも学校でいじめられるようになった。すぐやめてほしい」と訴えた。
 

 訴状によると、石井氏は昨年5月以降、クルド文化協会はテロ行為を支援している危険な団体と決めつけたり、日本に住んでいる全てのクルド人が不法就労していると誤解させたりする根拠のない投稿を、Xで拡散させたとしている。クルド人の子どもの写真を引用し、「放置されて平日からうろうろしている」との投稿もしたという。
 

 石井氏は「言論を封殺し、問題解決を妨げる行為だ」とのコメントを出した。(池尾伸一)

 

 

永住許可取り消し制度、法案の閣議決定に「どさくさ紛れ」と支援団体が反対。首相は「不当な差別ではない」

永住許可の取り消しを巡っては、閣議決定に先立ち、日本弁護士連合会や東京弁護士会も反対する会長声明を出している。

 

 國﨑万智(Machi Kunizaki)

 

 

政府は3月15日、外国人技能実習制度に代わる新たな「育成就労制度」を創設する入管難民法の改正案を閣議決定した。

法案には、永住許可を得ている外国人が故意に税を納付しないなどの場合に資格を取り消すとの内容も盛り込まれ、外国人支援に取り組む団体は「外国籍住民に対する差別や偏見を助長する」などとして反対の声明を発表した。

育成就労制度の導入により、永住許可を得る外国人の増加が見込まれるとして、政府は故意に納税しなかったり、一定の刑罰法令に違反し拘禁刑となったりした場合などに、永住許可を取り消すとしている。

日本で暮らす外国人の支援に取り組むNPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連)は、閣議決定を受けて声明を発表。育成就労制度自体の問題点を挙げたほか、永住許可の取り消しに関して「共生社会の実現に逆行する差別的な制度だ」と指摘した。

永住者の資格は、法相が永住を認めた場合に取得でき、在留期間は無期限。入管庁の統計によると、2023年6月末時点の永住者は約88万人で、在留資格別では最も多い。

永住許可を受ける法律上の要件として、

・素行が善良である
・原則として日本に10年以上在留、うち5年以上就労か居住資格がある
・罰金刑や懲役刑などを受けていない。納税などの公的義務を適正に履行している
━などがある。

現在の制度でも、「永住者」の在留資格を一度得たからといって、永住許可を受け続けることができるとは限らない。虚偽の申請をしたり、1年を超える懲役や禁錮刑に処せられ強制退去となったりした場合などは、永住権を失う。

移住連は声明で、「税金や社会保険料の滞納や、退去強制事由に該当しない軽微な法令違反に対しては、日本国籍者に対するのと同様に、法律に従って督促、差押、行政罰や刑事罰といったペナルティを科せば足りる」と主張。日本に生活基盤を築いた永住者に対し、永住許可取り消しという重大な不利益を課すことは「外国籍住民に対する差別にほかならない」と述べ、政府方針に反対する姿勢を示した。

さらに、「有識者会議で議論されていないにもかかわらず、育成就労制度の導入とセットとして、いわばどさくさ紛れに成立させようとしている」とも声明で批判している。

永住許可の取り消しを巡っては、閣議決定に先立ち、日本弁護士連合会や東京弁護士会も反対する会長声明を出していた。

日本で生まれ育った永住者からも、「取り消し制度をきっかけに家族が離散することになったらと不安」との声が上がっている。

3月15日の参院予算委員会で、立憲民主の石川大我議員は永住許可の取り消しに触れ、「(新たな制度は、)病気などさまざまな理由で住民税などが払えなくなった永住権を持つ外国人にのみ、永住権剥奪という非常に厳しいペナルティを課すもの。これは外国人に対する差別に他ならない」と批判。その上で、岸田文雄首相に「立法事実を説明してください」と要求した。

岸田首相は「わが国が魅力ある働き先として選ばれ、外国人と日本人が安心して生活できる共生社会を実現するための制度。不当な差別という内容のものではないと認識している」との見解を示した。立法事実については「法案の審議を通じて説明していくことになる」と答弁した。