下村博文氏は何のために政倫審に出てきたのか…裏金問題の全てを知りうるとされる人物が「知らなかった」連発

 
衆院政倫審に下村博文氏が出席。しかし、会計には「全く関与していない」、キックバックは「知らなかった」、復活した経緯も「全く承知していない」と知らぬ存ぜぬ。
自らの派閥のことについてさえずさんで無責任な方々が、揃いも揃って政権与党の中枢に座ってきたことになる。
 
「復活」「結論が出なかった」「分からない」…安倍派のキックバックが、いつ再開したのか、食い違う。
3人(塩谷、西村、下村氏)揃って、証人喚問しなければ、解明できないではないか。

 
《はい、またまた出ました。「私は知らなかった」「覚えていない」のマジックワード》
《この人、一体何のために政倫審に出てきたのか》
《自民党には真実を明かす議員が誰もいないということが分かったな》
 
 
 衆院政治倫理審査会(政倫審)が18日午後に開催され、自民党の下村博文元文科相(69)が出席、弁明と質疑を行った。

《今後、政倫審が開催されるのであれば、党と相談して説明責任を果たしていきたい》

 自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を巡り、総額約5.8億円の裏金化が報じられた安倍派(清和政策研究会)の元事務総長を務めた下村氏が4日に自身のX(旧ツイッター)にこう投稿してから2週間。

 これまでに衆参両院で開かれた政倫審に出席した安倍派幹部らが揃って「知らなかった」「秘書に任せていた」などと答え、全容解明にはほど遠いやり取りだっただけに、「裏金問題の全てを知り得るキーパーソン」とされる下村氏の発言に注目が集まっていたのだが、冒頭の弁明から「知らなかった」を連発。当然のようにネット上ではこんな声が飛び交った。

《はい、またまた出ました。「私は知らなかった」「覚えていない」のマジックワード》

《この人、一体何のために政倫審に出てきたのか》
 
《自民党には真実を明かす議員が誰もいないということが分かったな》

■キックバックの経緯も「ある人」も何も覚えてない

 キックバックが始まった経緯を知る可能性が指摘されている森喜朗元首相(86)との不仲説が伝えられ、“爆弾証言”が期待されていた森氏との関係や関与についても、「私は承知しておりません」と繰り返すばかりだった。

 2022年までの間に派閥からキックバックされた収支報告書への不記載額が476万円に上っていた下村氏。1月の会見では「ある人から、還付は個人のパーティー分に上乗せして、収支報告書で合法的な形で出す案もあったが、結論はなかった」と話し、記者から「ある人とは?」と問われると、「それは取材して聞いてください」と説明。

 政倫審でも、この「ある人」について問われたのだが、「ある人」が分からなかったために「ある人」と表現したとして、「覚えていない」という趣旨の発言をしていたからクラクラする。

 下村氏を巡っては、過去にも支援団体「博友会」を巡る政治資金問題が浮上。市民団体が東京地検に政治資金規正法違反の疑いで告発する事態に(その後、不起訴処分)。この時も説明はノラリクラリだったが、真実を語るという気はさらさらないようだ。
 
 

下村元文科相が政倫審に出席も…新事実は明らかにならず

 
 
自民党安倍派のいわゆる裏金事件をめぐり、事務総長経験者の下村博文元文科相が政治倫理審査会に出席しましたが、新たな事実は明らかになりませんでした。中継です。
 
真相解明のキーマンと目されていた下村氏ですが、いつ安倍派でキックバックが始まったかなど、新たなことは何も明らかにならず、肩すかしに終わった形です。

自民党・下村元文科相「清和研(安倍派)の会計には全く関与しておりませんでしたし、事務総長の時代に清和研(安倍派)の収支報告書について何らかの相談を受けたり、事務局に対して指示をしたことはありませんでした。各事務所に還付(キックバック)されているという事実も知りませんでした。この事実を知ったのは、2022年4月頃に当時の安倍会長から、派閥からの還付をやめようという話を聞いた時となります。(おととし)8月にはこれは復活をしないと還付(キックバック)はやめるという前提で議論をしていて、ただ結論が出なかった、しかしその後、還付(キックバック)が復活をしたと、それがなぜ復活をしたのか、少なくとも私自身がいるところでそういう議論があったわけではありません。私が知らないところでどんな形で、誰がどう決めたのかということについては、私も全く承知をしておりません」

また、下村氏は派閥が安倍派議員個人のパーティー券を購入するというキックバックの代替案について、記者会見で「収支報告書で合法的な形で出す」と発言したことについて、「キックバックが不記載だとか、違法だとかいう話は出ていなかった」と述べ、違法性の認識を否定しました。

――キーマンと目されていた下村議員の政倫審が終わりましたが、次の展開・焦点は?

最大のポイントは、長く派閥の会長を務めた森喜朗元首相の聴取を行うかどうかという点です。

岸田首相は先週、下村氏の政倫審を踏まえ森元首相らに聴取をするか検討する考えを示しています。

ただ、下村氏は18日、森元首相の関与について具体的な証言はせず、ある自民党幹部は「明確な証拠がないのに森さんを聴取するわけにはいかない」と語っています。

また、別の幹部は「聴取をするなら岸田首相自身がやるしかない」と話していて、岸田首相は今後、難しい調整を迫られることになります。

 

【裏金問題】武田一顕氏「自民党は闇の組織になっている」政倫審・下村氏の発言に「ラスボスが怖いから話せなかったと考えられる」森喜朗元総理の影響力とは

 
 自民党・安倍派幹部の後ろ盾として永田町に影響力をもつ森喜朗元総理。安倍派では20年以上前からキックバックが行われていた可能性が指摘されていて、そのころ派閥の会長を務めていたのが森元総理でした。 3月18日に行われた衆議院の政治倫理審査会には、下村博文元文科大臣が出席。森元総理と折り合いが悪いことから、森氏の裏金問題への関与や、裏金が始まった経緯を語るのではないかと注目されました。しかし下村元大臣は「知らなかった」「派閥の事務局が」と他の派閥幹部らと同じ答弁を繰り返し、森元総理についても何も語りませんでした。 これについてジャーナリストの武田一顕さんは、森元総理を“ラスボス”と呼び「ラスボスが怖いから話せなかったというのは大いに考えられる」としたうえで、「自民党は闇の組織になっている。影響力があったことを知っていても何も言えない組織に自民党はなってしまった」と言及。なぜ森元総理がそれほどの影響力を持っているのかについても解説しています。◎武田一顕:ジャーナリスト 元TBS記者 元JNN北京特派員 中国情勢に精通 小渕内閣以降の歴代政権を取材 愛称は「国会王子」(2024年3月18日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
 
 

玉川徹氏「それはダメですよ」参院政倫審世耕氏らの答弁に「『記憶がない』でいけちゃう」と嘆く

 
元テレビ朝日社員の玉川徹氏(61)が15日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。14日に行われた参院政治倫理審査会に出席した自民党世耕弘成前参院幹事長(61)らの答弁に関してコメントした。

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関し、事実をあぶり出すはずの政倫審で出席した議員から事実が浮かび上がってこないことについて玉川氏は「基本的にこれ、全体を通して『知らない』『記憶にない』っていうことをみんなおっしゃっていて、さらには『秘書がやってました』っていう」などと指摘。

世耕氏の後で政倫審に出席した安倍派の西田昌司議員(65)の答弁内容についても「幹部は責任が重い、みたいな。あたかも自分たち幹部ではない人間は責任が小さいみたいな。国民から見れば五十歩百歩ですから。責任のなすりつけあいみたいな様相を呈してきている」と静かな口調ながら厳しく述べた。
 
さらに「世耕さんも(裏金キックバックを実施する方針について)『誰が決めたのか、私も知りたい』っておっしゃっている」と語って「この政倫審にしても証人喚問にしても『記憶がない』でいけちゃう」と嘆いた。

そして「せっかく政治改革特別委員会を作る、ってことになったようですから、この中で同じようなことをやるんじゃなくて、権限を第三者に与えて、で、国政調査の権利ですから、最も強い権力ですから、元秘書だとか、そういう人までとにかく何があったのかを解明する、で、それを国会の委員会に報告させる、と」と道筋をつけて話した。

将来に向けては「それをした上で、法律をどうする、って話に入っていくっていうステップを踏まないと、結局何もわからないけど、法律だけ変えますって」と語って「それはダメですよ」と力を込めて話した。