「彼らによれば、正直言えば派閥の事務総長というのは知らなかったはずはないんだけれども、やっぱりその、特に最近の清和会というのは、安倍(晋三)さんが一強とか、あるいは5人衆といってるけど、事実上牛耳っているのは森(喜朗)さんみたいなところがあって、5人集ってのははっきり言えば小物ばっかりだというわけですよ。やっぱり政治記者たちによれば、すべてを知っている、おそらく始めたのも森さんだろうというわけですよ。本当のところはわからないんだけど、彼らはそう見立ててるわけですよ」

「そうなってくると、やっぱり森さんにもきちんと出てきてほしいというのは一つと。それから政倫審じゃなくて、きちんと証人喚問で偽証したら偽証罪で問われるような、ある程度タガがはまった場所でこの問題きちんとやらないと前に進めないと、僕は思いますけれども」

 

 

ジャーナリストの青木理氏が15日、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」に出演。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた参院政治倫理審査会(政倫審)について言及した。

 青木氏は「ちょっと気になったのがね、世耕(弘成)さんだけじゃなくて、結構何人かおっしゃったんですけれど、検察の捜査を真摯に受けて、『検察は私については嫌疑なし』『起訴しないという判断に至った』と、つまり『私は真っ白なんです』みたいなこといってるんだけど、いや違いますよと」と指摘。

 続けて「あなた別に真っ白じゃなくて、要するに、これまでの検察の捜査基準とか起訴基準というものを考えれば、ちょっと言葉悪いけれども、あなた万引きしましたよねと。ただし捕まえて起訴して刑事裁判にするほどの事じゃないけれども、やったことは問題だよね。違法性はあるよねと。だけど、さすがに起訴まではしない。まして、選挙で選ばれた人たちを次々起訴するってのは、あまり健全なことじゃないので、ということであって、あなた真っ白じゃなくって違法行為を組織的にやっていたということは事実なわけですよ」と訴えた。

 さらに「なのに捜査やってる最中は『捜査に支障をきたすから説明できない』。捜査が終わったら『捜査の結果、私は真っ白です』と言う。ある意味検察捜査をその場その場で、うまく使い分けて詭弁の材料にしてるみたいなのってのは、非常に醜悪だなと思います」と批判した。

 昨日、青木氏は各社の政治記者と会食したそうで「彼らによれば、正直言えば派閥の事務総長というのは知らなかったはずはないんだけれども、やっぱりその、特に最近の清和会というのは、安倍(晋三)さんが一強とか、あるいは5人衆といってるけど、事実上牛耳っているのは森(喜朗)さんみたいなところがあって、5人集ってのははっきり言えば小物ばっかりだというわけですよ。やっぱり政治記者たちによれば、すべてを知っている、おそらく始めたのも森さんだろうというわけですよ。本当のところはわからないんだけど、彼らはそう見立ててるわけですよ」と証言。

 それを踏まえ「そうなってくると、やっぱり森さんにもきちんと出てきてほしいというのは一つと。それから政倫審じゃなくて、きちんと証人喚問で偽証したら偽証罪で問われるような、ある程度タガがはまった場所でこの問題きちんとやらないと前に進めないと、僕は思いますけれども」と私見を述べた。

 

「最低の政治家やね」政倫審に世耕氏が出席、総ツッコミが上がった“仰天発言”

 
 
 自民党の政治資金パーティー裏金事件で、衆院に続き3月14日には参院でも政治倫理審査会(政倫審)が開かれた。これは参院の歴史上、初めてのことだ。
 
「橋本聖子元五輪担当相、西田昌司参院議員、そして安倍派5人衆のひとりである世耕弘成前参院幹事長が出席しました。注目されたのは世耕氏です。安倍派は2022年4月に幹部会で還流廃止の方針が決まりましたが、その後の8月、再び幹部会が開かれ還流について協議され、そこで復活が決まったと言われています。

 世耕氏はその会議に出席していますから、『なぜ還流が決まったのか』を知るキーパーソンとされていました。

 しかし、『8月の会合で現金還付の復活が決まったことはない』『(なぜ復活したか)残念ながら分からない』という答弁に終始、またしても政倫審はセレモニーで終わりました」(政治担当記者)

 そうしたなか耳目を集めたのが、自民党和歌山県連の青年局が主催した懇親会でのセクシーダンスショーについての答弁である。

「懇親会を企画した川畑哲哉和歌山県議は世耕氏の元秘書、ダンスショーで盛り上がっていた参加者のひとりは世耕氏の現役秘書です。政倫審では日本維新の会の音喜多駿議員がそのことを質問しました。世耕氏は『懇親会にはうちの秘書も参加していた』と答弁、さらに監督責任があることも認め陳謝しました。現役秘書は現在、自宅謹慎を命じられていることを明らかにしました。

 しかし世耕氏は、あろうことか『あのような写真を撮られる行為をしたことが極めて不適切だった』とセクシーダンスショーやボディタッチ、口移しチップそのものが問題なのではなく『写真を撮られたこと』が不適切だったともとれる、言葉足らずの発言をしました。ほかにも『(チップの)お金は秘書のものかどうか分からない』『秘書は(私の)代理として出席したわけではない』とも述べていました」(週刊誌記者)

 ネット上ではそんな世耕氏にツッコミが寄せられるばかりだ。

《世耕事務所で悪い遊びに染まっちゃったの?とも思えるんだけど》

《おかしいな、政倫審みる限り政治家先生達は資金運用ノータッチなはずだが「ない」って言い切れるんだね》

《秘書の行為は正々堂々と認める! 自分自身の裏金については記憶にない… 最低の政治家やね》

 次から次にスキャンダルが出る自民党に国民はうんざりしている。
 
 

自民“過激ダンスショー”がまだまだ炎上しそうな理由 岸田文雄首相にとって「鬼門」の和歌山

 
 
 昨年11月18日に和歌山市内であった自民党青年局近畿ブロックの議員らによる懇親会での“余興”は、支持率回復に苦心している岸田文雄首相にとって大きな痛手だ。こうしてみると、岸田首相と和歌山との相性はあまりよくないようだ。選挙応援で訪れた際には、爆弾を投げつけられたうえに候補者は負け。一連の裏金問題をめぐっては、県選出の2人の“大物”議員も絡んでいた。3月13日の国会では野党に追及され、防戦一方。そして、和歌山での過激ダンスショーの問題はまだ炎上する可能性があるという。何が隠されているのか。
 
肌の露出が多い過激な衣装の女性ダンサーに議員がチップを口移し……。

 自民党青年局は3月11日、ホームページ上で懇親会の経緯を説明するとともに、

<極めて不適切な内容の余興が開催県連青年局により企画され、実施されましたことは誠に遺憾であり、深くお詫び申し上げます。また、一部の参加者に品位に欠ける振舞いがあったものと承知しており、この点につきましても、心よりお詫びを申し上げます>

 とおわびし、懇親会に出席していた藤原崇青年局長、中曽根康隆青年局長代理の両衆院議員の役職辞任について報告した。

■多様性を勘案して和歌山にゆかりのあるダンサーを

 また、今回の懇親会を企画し、女性ダンサーによる余興の趣旨について、

「多様性やインパクトなどを勘案して和歌山にゆかりがあるダンサーを招いた」

 と語っていた和歌山県連青年局長(当時)の川畑哲哉県議は、「不適切な行為があった」として離党届を出し、受理された。

 問題となっている余興は、青年局の近畿ブロック会議で研修などが行われた後の懇親会でのことだった。参加していたのは近畿2府4県の青年局所属の地方議員と、東京から来た藤原、中曽根両氏ら約40人。

 懇親会に参加した地方議員に話を聞くと、懇親会のプログラムには余興については書かれていなかった。乾杯の前後に音楽が急に流れ出し、5人の女性ダンサーが舞台で踊り出したという。その後、いったんダンサーはいなくなったが、酒席が盛り上がってくると再び登場し、舞台で踊り出した。
 
「このときの女性ダンサーの衣装は、最初と違ってかなり露出度が高い感じでした。皆さん、お酒がかなり進んでいて、ダンサーが舞台で踊ってフロアに降りてくると、何人かはチップを口移しで渡したり、ボディータッチしたりしていました。私はびっくりしてあっけにとられ、場に合わせて手拍子する状態でした。藤原、中曽根両氏がうれしそうに拍手していたのは覚えています。止めるようなことはなかったです」(参加した地方議員)

 また、別の地方議員は、

「『これは何だ』『大丈夫か』と言ってたばこを吸いに外に出た人や、『セクシーダンスじゃないのか』『党の会合でこの余興はどうなんだろうか』と和歌山県連に注意する人もいて、『ヤバイぞ』という雰囲気が出ていました。ただ、その日以降は何もなかったので、和歌山県連がうまく収めたのかと思っていたら……。案の定って感じです」

 と渋い表情だった。

■「動画を出してもらうぞ」

 今回、懇親会から数カ月経って写真が表に出たが、この懇親会の情報は昨年11月末から出ていた。

 ある和歌山県連幹部は、

「(懇親会後に)いろいろなところから連絡があり、『動画を出して報道してもらうぞ』と厳しく言う地方議員らもいた。そのときはなんとか抑えたが、今思うと和歌山県連で記者会見を開くなりして、先に公表して謝罪すべきだった」

 と悔やむ。

 和歌山県連は昨年4月の衆院補選で、衆院3期の実績がある候補が維新の新人に完敗した。その選挙のさなかに応援に入った岸田首相に手製の爆弾が投げつけられる事件があった。そして裏金問題では、和歌山県連の会長でもある二階俊博元幹事長と世耕弘成前党参院幹事長の2人が多額の裏金を受け取っていたことが発覚。二階派と安倍派は解散に追い込まれ、世耕氏は参院幹事長の座を追われた。

 世耕氏は3月14日の参院政治倫理審査会(政倫審)に出席。裏金問題に加えて共産党の機関紙「赤旗 日曜版」が報じた、献金を受けている地元の有権者への高級クッキーの贈答についても追及された。
 
ある閣僚経験者は、

「岸田首相にとって和歌山は鬼門だ」

 と話し、

「このまま収束しそうにない」

 と続けた。

 というのも、チップの口移しの写真は報じられているが、

「怖いのは動画が出たときでしょう。藤原氏ら参加していた国会議員が、今報じられている以上に女性ダンサーに触れているような場面が映っていてまた騒ぎになれば、岸田政権の支持率にさらに影響を及ぼしかねない。裏金問題の議員は政倫審が続き、処分もしなければならない。マイナスになることばかりだ」(前出の閣僚経験者)

 藤原氏は、辞任の会見時に女性ダンサーの体に触っていないかと記者に質問され、

「当時の記憶では触っていない」

 と非常に歯切れが悪い説明をしていた。

■党内調査では触った事実は確認されていない

 3月13日、国会の参院予算委員会でもこの問題が取り上げられた。立憲民主党の塩村文夏氏が藤原氏の件に触れ、岸田首相に、

「ダンサーを触っていないと言っているが、国民からは疑念の声が上がっている。ほかにも品性のない行いをした人はいなかったのか」

 などと質問すると、岸田首相は党内で聞き取りをしているとし、

「調査によれば、藤原議員をはじめ、女性の身体を触ったという不適切な事実は確認されていないと報告を受けている」

 と答えた。

 塩村氏はさらに、自民党の関係者が動画を撮っているとして、「総理も確認すべきではないのか」などと動画の確認を促したが、岸田首相は動画は見ておらず、「写真で確認した」と述べた。

 一方、懇親会の経費についての質問には、

「和歌山県連が主催し、経費を出していると承知しているが、公費は支払われていないと確認している」

 とした。

■県連には党本部からの政党助成金が入っている

 和歌山県連の幹部がこう話す。

「懇親会の会費は一人5千円。それではすべてまかなえないので、県連も費用負担しています。県連には党本部から政党助成金がきているので、公費が入っていると指摘されても仕方ないです。今回の情報がなぜ今になって出たのかわからないが、これ以上、問題が大きくならないよう動画が出ないことを祈るしかない」

(AERA dot.編集部・今西憲之)