「あきれて物が言えない。長年のうみが出てきた」

 

 

 共産党の穀田恵二国対委員長は12日の記者会見で、露出の多い衣装の女性ダンサーを招いた自民党和歌山県連主催会合に出席した議員に辞職を求めた。「論外だ。政治家としてふさわしくない。自民の本質的な体質の問題だ」と批判した。

 立憲民主党の岡田克也幹事長は会見で、会合に触れ「あきれて物が言えない。長年のうみが出てきた」と語った。

 会合を巡っては、出席していた藤原崇(衆院岩手3区)、中曽根康隆(群馬1区)両衆院議員が自民党青年局の役職を辞任した。

 

 

ニュース裏表 安積明子 裏金、過激ダンスショー…岸田文雄政権に迫る「カウントダウン」12年間〝わが世の春〟の末、自民に生まれたみっともない緩み

 
広瀬めぐみ、藤原たかし、奇跡のツーショット(失笑)共通点は・・・
・岩手県出身
・自民党
・おさかん
 
 
岸田文雄政権の存続をめぐる〝カウントダウン〟が本格的に始まりそうだ。9月の自民党総裁選で再選を果たしたい岸田首相だが、現実はなかなか厳しい。

まず、内閣支持率が上がらない。10日に公表された共同通信の調査で、内閣支持率は前回比4・4ポイント減の20・1%で、不支持率は同5・5ポイント増の64・4%だった。内閣支持率は発足以来の最低記録を更新した。

自民党の政党支持率は24・5%と、同7ポイントも下落した。昨年来の派閥のパーティー券収入をめぐる裏金事件で、内閣や自民党への国民の怒りは強まるばかりだ。
 
逆風は収まらない。昨年11月、和歌山県で開催された党青年局近畿ブロック会議の後に〝過激ダンスショー〟が開かれていたという、あきれた事実も発覚した。
 
産経新聞が8日に報じたところによると、口移しでのチップのやりとりや、女性ダンサーの体に触る行為もあったという。ダンサーが参加者の男性にしなだれかかるような画像も拡散した。

企画運営を担当した和歌山県連青年局長の川端哲哉県議は「多様性の表現として出演を依頼した」と弁明したが、参加者の一定数が女性だったら、こうした企画は実現しなかったに違いない。

2009年に下野した自民党は「二度と同じ屈辱は味わうまい」と誓い、12年に政権復帰を果たした。だが、12年間の〝わが世の春〟の末、みっともない緩みを生んでしまったようだ。国民は、いつまでも「悪夢の民主党政権」というフレーズにごまかされることはないだろう。

共同通信の調査で、野党の政党支持率は立憲民主党が10・1%、日本維新の会が8・9%、共産党が4・7%、れいわ新選組が4・3%、国民民主党が3・1%だ。これらを合計すると自民党の政党支持率を上回る。

これまでなら、内閣支持率がさほど高くなくても自民党支持率が野党を引き離し、政権安定に寄与してきた。だが、局面はガラリと変わった。

連立を組む公明党も、岸田政権を見放しつつある。

石井啓一幹事長は10日のBS番組で、「9月の自民党総裁選で選ばれた総裁は、非常に支持率が高くなる」と述べた。念頭にあるのは〝新総裁〟誕生への期待ではないか。

根回しなしの唐突な「派閥解消」も、史上初の現役首相としての衆院政治倫理審査会出席も、岸田首相が一人で決断したことだろう。追い込まれた岸田首相の次の決断は何なのか。衆院解散をはじめ〝起死回生〟の策を練っているに違いないが、これまでの決断の成果が芳しくないのが気にかかるところだ。 (政治ジャーナリスト・安積明子)
 
 

【一問一答】女性ダンサー招いた自民会合の演出「ちょっとまずかった」 青年局長として出席した藤原崇氏

 
「事務局と『ちょっとまずかったのではないか』という話などはしていたと思う」
「ちょっと」かい。
 
12日、国会内で記者の取材に応じる藤原崇衆院議員
 
 露出の多い衣装の女性ダンサーを招いた自民党和歌山県連主催の会合に党青年局長として参加した藤原崇衆院議員(岩手3区)が12日、国会内で記者団の取材に応じ、会合内で女性との接触は「ないと思う」と述べた。ダンサーに口移しでチップを渡す参加者もいたとされるが「見た覚えがないと思っている」とした。会合には藤原氏と青年局長代理だった中曽根康隆衆院議員(群馬1区)が出席。2人は問題発覚を受け、青年局長、局長代理を辞任している。藤原氏とのやりとりは次の通り。(大野暢子)
 
◆チップ口移し「見た覚えがないかな」
 
―局長辞任後、初の公の場だが、国民に言いたいことは。
 「最終的な責任者は私だ。大変申し訳ございませんでした」
 
―なぜ会合に出席したのか。
 「(党青年局近畿)ブロックの会議なので、青年局長と幹部が8ブロック全部を回ることになっている」
 
―露出の多い衣装の女性ダンサーの演出は事前に知らなかったのか。
 「はい。その場でステージに(ダンサーが)入ってきたということだ」
 
―ダンサーに口移しでチップを渡すような場面で、何をしていたのか。
 「ちょっと私は見た覚えがないかなと思っている」
 
 
◆女性との接触「私はないと思う」
 
―本当に女性との接触はなかったのか。
 「私はないと思う」
 
―なぜ演出を中止させなかったのか。
 「それができなかった責任は非常に大きいと思う」
 
―演出が適切だったかについて会合後などに対応したのか。
 「事務局と『ちょっとまずかったのではないか』という話などはしていたと思う」
 
12日、衆院本会議に臨む中曽根康隆氏(中央)
 
◆他のイベントで「ああいうのはなかった」
 
―他の青年局のイベントでも同様の演出があるのか。
 「基本的には他のところでは、私が出てる範囲でああいうのはなかったと理解している」
 
―自民派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた党の政治刷新本部で事務局次長に就いているが、続ける意向か。