政治的発言を堂々と行う司会者、その逆行を行くような不安な要素も…。

<第96回アカデミー賞で助演男優賞に輝いたロバート・ダウニー・Jrが、昨年同賞を受賞したプレゼンテーターのキー・ホイ・クァンと目を合わせることもなくオスカー像を受け取ったことで「アジア人差別」として物議を醸している>
 

 

 

 【ロサンゼルス=後藤香代】米ハリウッドで10日に行われたアカデミー賞授賞式で、男性司会者が米連邦議会占拠事件など4事件で起訴されたトランプ前大統領を皮肉り、会場が爆笑に包まれる場面があった。

 司会者のコメディアン、ジミー・キンメル氏は全米で生中継された授賞式の最終盤、ある視聴者のものとして「キンメルは最悪の司会者だ。キンメルを追い出せ」と主張するトランプ氏の投稿を読み上げた。「米国を再び偉大に!」と引用を終えると、トランプ氏の投稿だと気付いた女優ジョディ・フォスターさんらが笑う場面が映し出された。

 キンメル氏が「大統領、ご視聴ありがとう。ところで、刑務所にいるんじゃなかったのか」とカメラに向かって語りかけると、会場は爆笑に包まれた。ハリウッドの関係者は、トランプ氏に反発する人が多いとされる。

 

 

「アジア系は『おまけ』扱い」日本人ハリウッド俳優が明かした“現地の実情”にSNS注目「闇が深そう」

 
 
アカデミー賞授賞式で、助演男優賞を受賞した俳優がオスカー像を受け取る際にアジア系のプレゼンターを”無視した”として波紋を呼ぶなか、ハリウッドで20年にわたり活動してきた日本人俳優が明かしたハリウッドの実情に注目が集まっている。
 
問題となったのは現地時間3月10日に行われた授賞式での一幕。映画『アイアンマン』の主演俳優として知られ、今年は『オッペンハイマー』のルイス・ストラウス役で助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.(58)が、助演男優賞のプレゼンターの1人で、昨年の助演男優賞受賞者のベトナム系アメリカ人のキー・ホイ・クァン(52)を”無視した”というもの。

ステージに上がったダウニーは、オスカー像を渡そうと近づいたクァンを“スルー”し、目を合わさずに彼の手からオスカー像を受け取ると、壇上にいたティム・ロビンスとサム・ロックウェルの2人とだけ握手とグータッチをした後、アカデミー賞の封筒を手渡そうとしたクァンを再び“無視”して、喝采を送る観衆に向き直りスピーチを始めてしまった。SNS上ではこれらのダウニーの振る舞いが”アジア人への差別ではないか”と波紋を呼ぶことに。

そんななか、注目が集まっているのが『ラスト サムライ』『硫黄島からの手紙』などハリウッド作品にも出演するなど、日米で活躍する日本人俳優の松崎悠希(42)だ。松崎は日本時間の3月11日、ハリウッドの多様化の実情について語った、自身の過去のインタビュー記事を引用して次のように投稿した。

《>ハリウッドが言う「多様化」というのは本当の意味での多様化ではないんです。トランプのカードにはハート、ダイヤ、スペード、クラブの4種類があるじゃないですか。「全種類」揃っていますよと見せるためだけにやっている

どこまで行っても我々アジア系は「おまけ」扱い…》

昨今のアカデミー賞は多様化を意識しており、その結果、20年の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の作品賞受賞を初め、非白人の活躍が増えたことは事実。しかし、松崎氏はそうした“多様化”はあくまでも《ポーズ》であると指摘している。

さらに、松崎氏は3月12日、ハリウッドのアジア人差別の実態として、“大御所俳優”の例もあげた。

《20年間ハリウッドで俳優として活動してきた私がこれまで「ラストサムライのセットでの真田広之」を、ハリウッドの業界人からどう聞かされてきたか。

「Hiroyuki Sanadaという小うるさい俳優がいて、セットの雰囲気を乱していた」「Hiroyuki Sanadaは細かすぎて、和を乱す」

うるせえよ馬鹿ども》

アカデミー賞授賞式でのダウニーに差別意識があったかどうかは定かではないが、《夢を壊してスミマセンが、我々にとっての「ハリウッド」は2024年の今でも、クッソ人種差別的です》と結んだ松崎氏の見解には共感する声が多く上がった。

《しっくりきた》
《ハリウッドも闇が深そうだなぁ》
《今まで不思議だったハリウッドで出てくる謎日本の街並み。あれは日本へのリスペクトがなく、どうでもいいからイメージ上の日本のままやってたんだな...》
《ラストサムライが日本でもヒットしたのは真田広之が小煩く指摘してたからなんだろうなぁ》
《ハリウッドの言う多様性は嘘っぱちなんですねー 想像に難くないでーす そんな環境の中で頑張っている日本やアジアの俳優さんに拍手

 

アカデミー賞「アジア人差別」批判は"誤解"? 人気俳優にバッシングも...当事者が「真意」明かす

 
 
2024年3月11日(現地時間10日)にアメリカ・ロサンゼルスで行われた第96回米アカデミー賞授賞式で、主演女優賞を受賞した女優のエマ・ストーンさんをめぐり、SNSで「アジア人差別ではないか」とする投稿が相次ぎ、波紋を広げている。

騒動を受け、プレゼンターをつとめたミシェル・ヨーさんが自身のインスタグラムでコメントを行った。

オスカー像受け取る動きが物議
エマさんはファンタジー映画『哀れなるものたち』で、『ラ・ラ・ランド』以来2度目となるアカデミー賞主演女優賞を受賞した。
物議を醸したのは、エマさんがオスカー像を受け取る際に見せた行動だ。今年度の主演女優賞でプレゼンターをつとめたのは、23年に『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で主演女優賞を受賞した中国系マレーシア人の女優、ミシェルさんだ。

エマさんは壇上に上がると、オスカー像を持ったミシェルさんの元に近づいた。ミシェルさんはオスカー像を手にしたままエマさんとともに横に数歩移動すると、同じくプレゼンターとして壇上に立っていたジェニファー・ローレンスさんのもとへ。ミシェルさんがジェニファーさんにオスカー像を渡し、エマさんはジェニファーさんからオスカー像を受け取った。
 
アジア系への「軽視」?
SNSでは、一連の行動について、アジアにルーツを持つミシェルさんへの差別的行為ではないかとする指摘が上がった。

映像では、わずかながらミシェルさんが先にジェニファーさんの方向に顔を向け、歩き出しているように見えるものの、オスカー像をすぐに渡されなかったことで混乱したのか、表情をこわばらせジェニファーさんのもとに歩き出したエマさんの行動について、「アジア人女性であるミシェルさんを軽視している」とする見方があったようだ。

エマさんへの批判が過熱する中、ミシェルさんは11日、エマさんとハグをする写真や主演女優賞候補者らとの記念写真を添え、自身のインスタグラムで騒動に言及した。

「Congratulations Emma!!(編訳・以下同:エマ、おめでとう!)」と主演女優賞の受賞を祝福し、オスカー像をすぐに手渡さなかったのはミシェルさん自身の判断だったと説明した。

「私はあなたを混乱させてしまったけれど...」
(以下引用)

「私はあなたを混乱させてしまったけれど、あなたの親友のジェニファーと一緒に、あなたにオスカーを手渡したあの輝かしい瞬間を共有したかったんです」

(以上引用)

ミシェルさんはエマさんとジェニファーさんの関係から、自分と親友との関係を思い起こしたとしている。

(以下引用)

「彼女は、私の親友ジェイミー・リー・カーティスを思い出させてくれました。いつもお互いのために!」

(以上引用)

ミシェルさんの投稿には、真意を知り納得できたなどとするコメントが寄せられている。

(以下引用)

「説明してくれてありがとう! 親友のジェニファー・ローレンスを加えることで、エマの晴れ舞台をさらに特別なものにしようというあなたの素敵な心遣いでした。ありがとう、ミシェル! あなたはとても素晴らしい人間であり、才能ある女優です」

「ジェニファーとエマは親友で、ミシェルはそれを知っていた!」

「あなたは最高の人間で、とても謙虚で、大きな心を持っている。尊敬するよ!」

(以上引用)
 
 

何をした? ロバート・ダウニー・Jr、助演男優賞で初オスカーも大炎上...「アジア人差別」と物議を醸す壇上での態度

 
<第96回アカデミー賞で助演男優賞に輝いたロバート・ダウニー・Jrが、昨年同賞を受賞したプレゼンテーターのキー・ホイ・クァンと目を合わせることもなくオスカー像を受け取ったことで「アジア人差別」として物議を醸している>
 
 
3月10日(日本時間11日)に米ロサンゼルスで開催された第96回アカデミー賞授賞式で、『オッペンハイマー』で助演男優賞に輝いたロバート・ダウニー・Jrが、プレゼンテーターを務めたアジア系俳優を無視したと物議を醸し、炎上している。【千歳香奈子】
 
クリストファー・ノーラン監督がメガホンを取り、原爆の父を描いた同作で、主人公の物理学者ロバート・オッペンハイマーと対立する原子力委員会のルイス・ストラウス委員長を演じて高い評価を受けたロバートは、『チャーリー』(92年)、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(08年)に次ぐ3度目のノミネートで悲願のオスカーを手にした。

プレゼンテーターを務めたのは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で昨年同賞を受賞したベトナムからの難民として知られるキー・ホイ・クァン。ノミネートされた5人を紹介するため、他に歴代受賞者のティム・ロビンス、クリストフ・ヴァルツ、サム・ロックウェル、マハーシャラ・アリも登壇していた。

<見事なカムバックも「軽蔑的」「とても残念」と批判の声多数>

キーによって名前が呼ばれたロバートは、ステージに上がると両手を広げて「信じられない」という仕草を見せ、差し出されたオスカー像をそっけなく受け取り、キーを完全に無視。キーは腕に触れて封筒も手渡そうとしているように見えるが、ロバートはそのまま横にいたティムの元に歩み寄って握手を交わし、さらに奥のサムとグータッチした。

その後は両手を高く突き上げてピースサインをし、マイクに向かって歩き出したロバートに批判が殺到。「(キーと)目を合わせることもなく、オスカーを奪い取ったように見えた」「受賞スピーチ(主にプレゼンテーターに対して)に関し、とても残念だった。キーに対して軽蔑的」「満面の笑みでトロフィーを手渡したのに、あからさまに無視した。大スターなのに謙虚さや品格はゼロ」「意図的であったかどうかは分からないが、クールじゃない」などの声が寄せられた。

また、「ライアン(・ゴズリング)が受賞していればこんなことは起こらなかった」と書き込み、『バービー』でケン役を演じたライアンこそ賞にふさわしいと主張するユーザーもいた。

そんなロバートは、「私のひどい子ども時代とアカデミーに感謝します」とスピーチ。映画監督だった父親の影響で8歳の頃から抱えていた薬物依存を克服した過去に言及し、「うなり声をあげる保護ペットを見つけて、生き返らせてくれた。だから私はここにいる」と妻スーザンに感謝の言葉を贈った。見事なカムバックでオスカー俳優となったが、キーに対する態度で受賞にケチがついてしまった。
 
<差別批判はロバート以外にも>
「人種差別主義者」「アジア人差別」と厳しい批判に晒されたロバートだが、舞台裏では5人のプレゼンテーター全員と自撮りを楽しみ、キーとも目線を合わせてがっちり握手する姿がキャッチされた。抱擁する2人の写真もあり、「これを見る限り、人種差別主義者ではなさそうだ」との声も出ている。

ちなみに、この日の授賞式でアジア系への差別で炎上したのはロバートだけではなかった。『哀れなるものたち』で2度目の主演女優賞を手にしたエマ・ストーンも、同じくプレゼンテーターを務めたミシェル・ヨーを無視。エマはミシェルからトロフィーを受け取るはずが、そのまま隣にいたジェニファー・ローレスの手元まで引っ張り、ジェニファーにトロフィーを持たせてから受けとろうとする奇妙な動きを見せた。

その後はローレンスと抱き合って喜ぶエマにも、「無礼で意地悪」と批判が上がった。一方、ヨーが親友のジェニファーからトロフィーを受け取れるよう導いているように見えると擁護する声あり、賛否を呼んでいる。
 
 
きょうの潮流
 
 ハーモニカやギターを鳴らし、くつろぐ船員たち。そこへ、いきなり閃光(せんこう)が走り目の前の海が爆発する。後に長きにわたってシリーズ化されてきた映画の始まりでした
 
▼度重なる水爆実験によって安住の地を追われ、放射能を浴びて変貌した生物。当初は「水爆大怪獣」と銘打たれたゴジラの第1作は、太平洋のビキニ環礁で米国が実施した水爆実験で日本の漁船が被災したことに着想をえてつくられました
 
▼ビキニ事件と同じ1954年に公開。作中では「放射能の雨」や「原子マグロ」という言葉も使われています。敗戦からおよそ10年。当時の世相とともに、すべてを破壊していくゴジラの怒りに戦争の悲惨や人類の愚かさを映し出しています
 
▼今年のアカデミー賞・視覚効果賞に山崎貴監督の「ゴジラ-1・0」が選ばれました。敗戦直後の東京を舞台にしたもので優れた撮影技術が評価されました。一方で、戦争や特攻の描き方には疑問の声もあがっています
 
▼今回の作品は日本で製作された実写版ゴジラの30作目。ほかにもハリウッド版やアニメ化されたものも。なかにはゴジラ誕生の出発点からかけ離れ、怪獣の恐怖や戦闘の迫真だけを追ったような作品もありました
 
▼アカデミー賞作品賞は、原爆の父といわれた米物理学者を題材にした「オッペンハイマー」が受賞しました。いまなお核に固執し、その恐怖とむきあっている人類への警鐘なのか。70年前に、核の脅威や人間のおごりを背負ったゴジラ。その原点に立ち返るときです。
 

仏歌手ナカムラさん、パリ五輪開会式登場のうわさに極右派から批判

 
 
【AFP=時事】現在フランスの音楽界を最も席巻してる人気シンガーのアヤ・ナカムラ(Aya Nakamura、28)さんが、パリ五輪の開会式で同国の名歌手エディット・ピアフ(Edith Piaf)さんの楽曲を歌う可能性があるとの報道に対し、極右グループから怒りの声が上がっている。
 
 地元メディアによるとマリ出身のナカムラさんは先月、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領と面会した際に、20世紀のアイコン的存在であるピアフさんの楽曲を披露する可能性について話し合ったとされている。この臆測については、どちらの陣営も認めていない。

 ところがこうした報道によって、仏大統領選の候補者にもなった極右評論家のエリック・ゼムール(Eric Zemmour)氏が率いる政党が11日に開いた集会では、ナカムラさんの名前に観衆からブーイングが上がる騒動に発展。小規模な過激グループは、セーヌ(Seine)川に「アヤなんてあり得ない。ここはパリであり(マリの首都)バマコの市場ではない」との横断幕を掲げていた。

 こうした状況に対し、ユーチューブだけで10億近くのストリーミング回数を記録している「ジャジャ(Djadja)」などのヒット曲を持つ世界的なポップ歌手であるナカムラさんは、「人種差別主義者になっても、耳が聞こえなくなってはいけない。それは自分たちを傷つける! 私が議論でナンバー1のターゲットになっているようだけれど、あなたたちには何の借りもないはずでしょう? 」とソーシャルメディア上で反論した。

 パリ五輪の大会組織委員会はAFPの取材で、「アヤ・ナカムラさんへの最近の人種差別的な攻撃に非常にショックを受けている。世界で最も聴かれている仏アーティスト(ナカムラさん)を全面的にサポートする」と述べた。

 アメリー・ウデアカステラ(Amelie Oudea-Castera)国民教育・スポーツ相も、ナカムラさんに対して「気にしないで、みんなあなたのことが大好き。何も心配ありません」と呼び掛けた。【翻訳編集】 AFPBB News