「ポスト岸田は俺だ!」″暴走路線″を突っ走って疲労困憊の岸田文雄首相が始める 「悪あがき」とは

 
 
自席に突っ伏してうつむく姿から、一国の宰相たる覇気は一切感じられない。

異例となる土曜国会が行われた3月2日午後、予算案の採決に臨む岸田文雄首相(66)は疲労を隠せなかった。

「2月29日に裏金問題に端を発した政治倫理審査会が行われ、首相も出席した。3月1日は予算案に反対する野党との攻防が長引き、深夜国会になった。低支持率もどこ吹く風とばかりに、政権運営を続けてきたが、ここにきて精神、肉体ともに限界を迎えつつあるのだろう」(全国紙政治部記者)

支持率10%台も珍しくなくなったことで、’09年衆院選の大敗を知るベテランを中心に、下野の可能性を口にする自民党議員も出てきた。首相は急速に孤立を深めている。
 
「茂木敏充幹事長(68)が完全に党のグリップを放棄している状況だ。首相が是が非でも3月2日までに終わらせたかった予算の審議も『日程を延ばしたほうがいいのではないか』と反対した。麻生太郎副総裁(83)とも、事前の根回しなく派閥解散を宣言して以来、溝ができた。今回の政倫審出席も麻生さんに相談せず、独断で決めたという。もはや相談役は誰もいない」(政治評論家の有馬晴海氏)

その結果が「暴走」ともとれる行動に現れている。政治ジャーナリストの角谷浩一氏が孤独な首相の胸中を推し量る。

「旧安倍派の幹部は、この期に及んで政倫審への出席を嫌がり、『カメラを入れるな』など注文を付けていた。首相からすると、お前らが注文を付けられる立場じゃないだろう、と危機感がないように映っていた。首相自らが出席することで安倍派元幹部らも追従。捨て身の決断で局面を変えようとした」

最高権力者である自分が政倫審の舞台に立った、これで裏金問題も幕引きだろう――。だが、感情的なスタンドプレーで状況が好転するはずもない。

「派閥解散を表明することで『裏金は安倍派と二階派の問題、俺の責任ではない』とアピールしたかったのだろう。だが、問題をすり替えようという狙いは見透かされ、支持率低下という形で返ってきた。今回も同じ轍を踏もうとしている」(前出・記者)

疲労困憊になりながらも、岸田首相が「悪あがき」を続ける理由は何なのか。前出の有馬氏が打ち明ける。

「首相は2月14日で在職日数が864日となり、宏池会出身の鈴木善幸元首相と並んだ。目下、目標としているのは宏池会創設者の池田勇人元首相の1575日だと周囲に漏らしている。在職日数はすでに戦後歴代10位に入った。首相はこれを誇りに思っていて、在職日数こそ総理の評価だと信じている」

「結局、俺しかいない」
首相が警戒するのは、国会閉会後の党内での「岸田おろし」である。だが、その旗振り役と目される二階俊博元幹事長(85)に異変が起きている。2日の予算案審議前、報道陣の前に現れた二階氏は、頼りない足取りだった。予算案の採決時には投票して自席に戻るだけでも一苦労する素振りを見せた。寄る年波には勝てないのか。

「独自の政局観でキングメーカーを務めた二階氏が、本格的に政界引退の時期を探り始めている。二階派の裏金問題の責任を取る形で、次の選挙前に辞職。禊は済んだというイメージを作り、子飼いの鶴保庸介参院議員に和歌山新2区を譲る。鶴保氏が抜けた参院和歌山県選挙区には、自身の三男を擁立する案を勘案している」(前出・角谷氏)

延命しか頭にない首相は、″二階引退″を追い風ととらえている。自民党ベテラン秘書の談。

「今の首相は、秋の総裁選で誰がライバルとなるかで頭がいっぱいのはず。河野太郎デジタル相(61)はベテラン議員からの評判が芳しくなく、茂木幹事長からは、故・青木幹雄氏に近かった議員を中心に人が離れていっている。9月総裁選を前に『結局、次の総裁も俺しかいない』との考えを深めている」

ちっぽけなプライドのため、延命に奔走する岸田首相。残念ながら、その煽りを受けるのは国民だと気づくことはないだろう。
 
 
 

岸田首相、都内の写真スタジオでポスター撮影

 
選挙近い????
 
 
岸田首相は10日、東京都内の写真スタジオでポスター撮影を行いました。
 
首相周辺によりますと、去年から新しいポスターを作ろうと思っており、来月に衆議院の補欠選挙を控える中、10日の日程になったということです。

去年以降、自民党派閥の政治資金に関する事件などから岸田内閣と自民党の支持率は低迷が続いています。一方で野党への支持も低い中、与野党の間には野党間の選挙調整が整わないうちに岸田首相が衆議院の解散・総選挙に踏み切るのでは、との見方もあります。

首相周辺は10日の撮影について、「選挙を意識したものではない」と話していますが、今後、臆測も呼びそうです。