強制捜査の夜もパーティー開催…絶対に「政治資金パーティーをやめない」自民党議員たちの"言い分"とは

国民の厳しい視線が注がれる中、自民党議員のパーティーは頻繁
 
裏金を「納税するつもりはございません」って…。脱税だぜ!何処まで国民を愚弄して嘲笑うのだ!
 
 
自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる疑惑を受け、岸田文雄首相は派閥によるパーティーや忘年会や新年会を当面自粛する方針を打ち出した。8日の衆院予算委員会では「国民の政治に対する信頼が揺らぎ、自民党全体にも厳しい目が注がれている」(岸田首相)と危機感をあらわにした。だが、政治家のパーティーをめぐってこれだけ国民の厳しい視線が注がれる中でも、いまだに自民党議員のパーティーは頻繁に行われている。この時期にあえて政治資金パーティーを開く理由は何か。議員の事務所を直撃した。

派閥の“裏金問題”が世間を騒がせている最中の12月15日、東京・千代田区のホテルで政治資金パーティーを開いていたのは、安倍派の江島潔参院議員。出席した40代の有権者は「お客さんは例年より少なかったですね。ざっと見たところ,150人から200人くらいだったかな」と振り返る。

江島氏は、安倍晋三元首相の地盤だった山口県下関市の市長を4期務め、いわば安倍氏の“弟分”のような存在。2013年4月の参院選で初当選して以来、現在までに3選を果たしている中堅議員だ。

「下関市長を辞めて、倉敷芸術科学大学の客員教授をやっていたところ、安倍元首相から声がかかって立候補したそうです」(同)

パーティーは立食のビュッフェ形式で、宴会場の中央には豪勢な料理が並んでいたという。

「下関にちなみ、ふぐ料理が出ていました。しかし、出席者が少なかったためか、料理は余ってました。パーティーには江島議員本人も出席していましたよ」(同)

三原じゅん子氏は強制捜査の夜に開催
江島事務所に岸田首相がパーティー自粛を呼びかけている中で開催した理由を聞くと、秘書からこう回答があった。

「岸田首相は派閥のパーティーに関しての自粛をおっしゃったのであって、個別の議員のパーティーには、特に言及してなかったはずです」

問題になっている安倍派のキックバックについて、江島氏の関与はなかったのかを聞くと、「事件として捜査されているので、捜査が終わった段階で(コメントする)といういことになるかと思います」(同秘書)

12月19日には、東京地検特捜部が安倍派、二階派の事務所に強制捜査に入った。それにもかかわらず、当日夜に千代田区のホテルで政治資金パーティーを開催したのは、三原じゅん子参院議員。出席者は「金屏風の前で三原議員があいさつをしていました」と語る。

三原事務所に事実確認をすると、秘書が答えた。
 
――12月19日、当日朝に安倍派、二階派に強制捜査が入ったが、その夜にパーティーを開催するというのはどういう判断だったのか。

「通常通り、粛々と開催させていただきました。(強制捜査とは)関係のないことですし、われわれは別に安倍派でも二階派でもないわけですから」

――岸田首相は今月初めに「パーティー自粛」の方針を出している。

「総理がおっしゃったのは、あくまでも派閥のパーティーは当面見合わせるということだと聞いています。(三原は)無派閥ですし、議員個人のパーティーに関しては、通常通りに開催されている方も大勢いらっしゃいます。もちろん、中止や延期をなさった方がいらっしゃることも存じあげています」

パーティーは「中止」となったはずだが…
翌20日には、北村経夫参院議員のパーティーが千代田区のホテルで開かれる予定だったが、前日に“中止”を決めたという。

ただし、当日は会場も開いており、料理も用意されていた。中止を知らずにパーティーに参加した客もいた。

「中止したとは知りませんでした。受け付けの女性もいたので、普通にパーティー券を渡して、会場に入りました。そのときも、『中止』などとは説明されませんでした。客は40人くらいしかいなかったので、えらく人が少ないなとは思いましたが。知り合いの客がいたので、『北村先生は来ないんですか』と聞いたら、『本人は来ないんだよ』と言っていた。フルート奏者が演奏していたのを聴いて、あとは料理を食べて帰るだけでした」(会場に行った客)

会場には、高価そうな生ハムなどの料理が並んでいたが「料理は残っていた」(客)という。北村事務所に経緯を聞くと、秘書はこう答えた。

「こんなご時世で、パーティーは開けないので中止、または延期させていただきました。開催の前日から、ご案内をした方々全員に『申し訳ございません』とおわびとお知らせをしています」

――だが、当日は知らずにパーティー会場へ行った客もいる。

「周知しきれず、間違っていらっしゃる方がいたかもしれません。そうした方々に失礼になってはいけないので、説明をさせていただく要員として、スタッフを1人受け付けに待機させました」
 
宮城野親方が乾杯の音頭
――フルート奏者がいて、料理が並んでいたのはなぜか。

「もともと、北村のパーティーでは、芸術家の方がご自身の作品を展示したり、楽器を演奏したりする予定でした。私どもが芸術家の方々に中止をお知らせしたところ、ご自身の知人の方もお呼びしているとのことで、『今回は芸術祭として、私たちの主催という形で引き取らせてもらえないか』という相談があったんです。ウチは主催できませんが、芸術家の皆さんがそういう趣旨で開催されることであれば引き取ってください、という流れになったのです」

つまり、本来は北村氏の政治資金パーティーだったものが、急きょ、芸術家たちの芸術祭として開催されたのだという。

では、販売したパーティー券の収入はどう処理するのか。

「私どもの主催ではなくなったので、お金は皆さんにお返しします。なかには、次回以降の北村の後援会の会費などにあててくださいと申し出てくださる方もいます。今はその(経理の)処理をしているところです」

強制捜査を受けた二階派議員もパーティーを開いた。11日には、二階派の武田良太事務総長が都内で政治資金パーティーを開き、1000人規模の集客力を見せつけた。

「鈴木宗男参院議員や世界各国の大使の人も来ていました。会場には1000人くらい集まっていて、乾杯の音頭を取ったのは、司会が『武田先生が公私にわたり親交のある方』と紹介した大相撲の宮城野親方でした」(参加者)

武田氏は「パーティーは政治家にとって重要な政治活動の一つ」とパーティーの必要性を述べたという。
 
「やっぱりうまみがある」
政治家のパーティーによく顔を出すという後援会関係者はこう話す。

「岸田首相の意向を無視してまでパーティーを強行するのは、やっぱりうまみがあるからですよ。そう簡単にはやめられないでしょう」

パーティーによる政治資金集めがこれだけ疑惑の目で見られている中でも、個人でパーティーを開かずにはいられない自民党議員たち。問題の“根”は相当深そうだ。

(AERA dot.編集部・上田耕司)
 
 

裏金を「納税するつもりはございません」自民・塩谷立議員の政倫審の発言に批判殺到「怒りを通り越して悲しい」「堂々と脱税宣言」

 
 
 自民党の政治資金パーティーの裏金問題をめぐり、1日に開かれた衆院政治倫理審査会で、元文科相の塩谷立衆院議員の発言に対する批判が高まっている。清和政策研究会の(安倍派)座長だった塩谷議員は、政倫審で「法令違反を重ねてしまったことは極めて問題であり、残念」などと反省の弁を述べた一方、裏金について「適法ではない処理をしていたことは全く認識していなかった」と主張した。
 
 立憲民主党の寺田学衆院議員は質疑の中で「国民の皆さんが怒っている一つは『自分らが裏金をつくって持っていたのなら、そんなもん政治資金じゃねえだろう。ちゃんと納税しろ』という話です」「納税するつもりはありますか。安倍派議員の皆さんに、ちゃんと納税しろと呼びかけるつもりはありませんか」と追及した。これに対して、塩谷衆院議員は「私自身はしっかりとそれを政治活動に使用しておりますので、納税するつもりはございません」と答え、安倍派の議員に対しては「具体的に税法上どうなるかは確認して指導してまいりたい」と述べた。
 
 この「納税するつもりはございません」という言葉が、ネット上で怒りに火をつける結果になった。X(旧ツイッター)では「堂々と脱税宣言」「納税するか否かを自分の一存で決められるんだ…」「これで許されるのなら日本国民全員が言うよね?」「怒りを通り越して悲しい」などの声が続々と上がり、大荒れとなっている。
 
 

「赤ベンツ不倫」報道の広瀬めぐみ議員の皮肉すぎる経歴、“ドロ沼”離婚も扱う元・家庭裁判所調停委員

 
 
「エッフェル姉さん」騒動を起こした議員の一人に不倫報道が飛び出した。

 自民党の広瀬めぐみ参議院議員(岩手県選出)が、カナダ国籍のサックス奏者アンディ・ウルフ氏と新宿歌舞伎町のホテルに宿泊し、その足で国会へ直行したと「週刊新潮」「デイリー新潮」が報じた。
 
 ホテルにインしたのは赤いベンツだったそうで、広瀬議員は同誌の「ホテルに入ったのか」という直撃に、「まあ、そうでしょうね。しょうがない、もう撮られてるんだから」と答えたという。

 広瀬議員は弁護士だが、1994年に結婚し、2児の母でれっきとした家庭のある身である。

 昨年8月の自民党女性局のフランス研修では、松川るい参議院議員がエッフェル塔前で撮った写真が炎上し、有名な「エッフェル姉さん」騒動となったが、広瀬議員もSNSに豪華な食事などをアップし炎上していた。

 自民党パーティー券問題で国民の政治不信が高まり、「確定申告ボイコット」運動なども飛び出す中、新たな火種が生まれた格好だが、広瀬議員の経歴にはさらなる火種が隠れていた。

家庭に関する事件を扱ってきて…
 彼女の現在の所属弁護士事務所のサイトを見ると、「弁護士として歩んだ日々の中で、様々な事件に出会い、ひとつひとつの事件に最善を尽くしてきました。離婚、親権の問題、成年後見事件など、家庭に関する事件が多いです。男女に関する問題を含む損害賠償請求事件のご依頼も多いです。東京家庭裁判所にて非常勤裁判官として4年勤務の後、東京家庭裁判所、東京簡易裁判所の調停委員を歴任しており、様々な案件を多角的に見て、最善の解決を目指します」とある。

 つまり、家庭裁判所で家庭問題について調停をこなしてきたということ。藏王法律事務所の伊藤蔵人弁護士によると、

「離婚する場合、夫婦間の話し合いが整えば、離婚届を市区町村役場へ提出して離婚できます。しかし、話し合いが整わない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。離婚調停では、裁判官と男女1人ずつの調停委員から構成される調停委員会が、当事者を仲介して話し合いを行います。不倫は法定離婚原因の一つですが、 離婚裁判の提起前に離婚調停を経由する必要があるため、不倫を理由に離婚する場合も、まずは離婚調停を申し立てることになります」

 とのことで、広瀬議員も不倫を理由とする離婚調停を仲介した可能性は多いにあるわけだ。そのような“修羅場”を目の当たりにしてきた人物がなぜ……。

 議員は29日までに公式サイトを更新し、「今後は、家族を大切に、また、応援してくださる皆様の信頼を回復できるよう、なお一層の努力を重ねてまいりますので、どうか引き続きのご指導ご鞭撻を賜りますよう、心からお願いを申し上げます」と謝罪した。だが、しばらくは家族や有権者に道義的な負い目を背負って政治活動をすることになるだろう。