裏金の弁明を「非公開」にするなんて…自民は「1人1時間」を主張、しかも「人数制限」疑惑まで

 

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関し、衆院政治倫理審査会(政倫審)への出席を申し出たのは安倍派、二階派の幹部5人だけだった。本人が望めば、公開の場で疑惑を払拭することができるのに、自民は非公開での実施を主張。5人以外にも自ら弁明する意向を示す議員がいるにもかかわらず、自民は対象者を限定して早々に幕引きを図ろうとしている。(大野暢子、井上峻輔)

◆「公開の場で説明したい」と語る自民議員も
 自民が5人以外は政倫審出席の意思を示さなかったと野党側に報告したことに関し、立憲民主党の笠浩史国対委員長代理は22日、記者団に「全員が同じ回答だなんて甚だ疑問だ。本当にきちんと調査したのか」と憤りを隠せなかった。

 

 実際、安倍派最高顧問だった衛藤征士郎・元衆院副議長が本紙などに「公開の場で説明したい」と明言。ベテランの衛藤氏だけでなく、中堅・若手の複数の議員が出席に前向きな意向を打ち明けているという。
◆恐れているのは「内輪もめ」か?
 それでも、自民が出席させることに慎重なのはなぜか。逃げ腰の党幹部の対応に不満を抱く議員から、裏金づくりの経緯を暴露されたり、派閥幹部や党の責任を追及されたりする可能性を危惧(きぐ)しているためだ。

 安倍派議員の一人は「党幹部に出席の意向を伝えたら『出席には申し出書が必要だ』などと言われた。これ以上、出席者を増やしたくないのだと分かった」と明かす。

 

 

 疑惑を持たれた議員が国民の政治不信を解消するには、公開の場で事実を明らかにするのが得策だが、どうして非公開での開催にこだわるのか。5人は「政倫審が原則非公開」であることを理由に挙げているとするだけで、自民から明確な説明はない。

 政倫審は18年前の2006年2月に、耐震強度偽装事件に絡んで、自民党の伊藤公介元国土庁長官に対する審査を実施した。当時は伊藤氏の申し出で行われ、テレビ中継されたという前例もあり、公開することは難しくない。

◆身内からも「隠したままでは納得を得られない」
 また、自民は1人1時間に限るよう要求する。冒頭に本人の弁明が15分から20分あるとすれば、与野党の質疑は短時間となり、組織的な裏金づくりが誰の指示で始まったのかなど核心部分に迫る前に時間切れとなりかねない。

 裏金事件を巡り、世論の批判と政治不信が高まる中、岸田文雄首相は国会で「自ら説明責任を果たすよう促す」と繰り返してきた。わずか5人の弁明で区切りを付けようとする姿勢からは、実態解明に指導力を発揮しているとは言い難い。

 自民の中堅議員は「今秋に総裁選を控え、党内有力者の恨みを買いたい人はいない。党執行部も強く出席を要請できないのだろう」と指摘。5人が非公開での実施を求めている点については「内容を隠したままでは、とても国民の納得は得られない」と話した。

 

政倫審“非公開”の方針 自民党内からも「この期に及んで信じられない」の声 二階氏・萩生田氏の出席は?

 

国民を徹底的に逆撫でする行為、とんでもなく堕落しきってしまった自民党。こんな連中が政治の世界に存在する。だから経済はドンドン急落し、国民は政治に見切りをつける…。選挙の投票率の低さ。ここで奮起して1票を使い、自公政権それに加担する維新・国民民主党に打撃を与えるだ。余りにも酷すぎ!

 

「野党側は公開を求めていたが、なぜ非公開になったのか?
今回出席する5人全員が、非公開を希望しているため。」
舐めてんな💢

 

 

派閥の政治資金問題を受け、国会で来週28日から2日間の日程で、政治倫理審査会の開催が決まった。
自民党は、非公開とする方針。

最新情報をフジテレビ政治部・木村祐太記者が中継でお伝えする。

自民党は、安倍派の幹部など5人を出席させることで、一連の問題の幕引きを図りたい考え。
出席するのは、安倍派の座長を務めた塩谷元文科相ら5人。
来週28日の水曜日と29日の木曜日の2日間に分けて行い、いつ誰が何時に出席するかは週明けに決まる。
1人1時間ほどで説明と質問が行われる予定だが、非公開となる見通し。

――野党側は公開を求めていたが、なぜ非公開になったのか?

今回出席する5人全員が、非公開を希望しているため。
議員本人が公開を求めれば公開も可能だが、原則非公開のルールで、自民党の幹部も現時点で公開する気はない。
ただ、この判断には、自民党議員の中にも、あぜんとしている人が少なくなく、「この期に及んで非公開とは信じられない」と驚きの声も上がっている。

――二階氏と萩生田氏が入っていないが、今後、出席となる可能性はあるのか?

党幹部の1人は、二階さんについては「絶対にない」と断言している。
一方で、萩生田さんは、すでに要請があれば出席する意向を示している。
そのため、ある中堅議員は「野党が不十分だと暴れたときに差し出せるようカードとして持っているんだろう」と分析している。

与野党は週明け、公開・非公開について攻防を繰り広げる見通し。
 
 

自民・二階元幹事長「政倫審」欠席でまさかの焼け太り…“帝国”維持へ最後のご奉公

 
 
 自民党派閥の裏金事件の主戦場は、衆参両院の政治倫理審査会(政倫審)に移りつつある。1人をのぞき、安倍派5人衆の出席は固まったものの、国会審議で何度も名前が取り沙汰されたアノ人は欠席の公算大。高齢であることが理由だという。二階派を率いてきた二階元幹事長だ。

 国会議員最高齢の85歳。弁明にすら耐えられないのなら、バッジを付ける資格はないはずだ。衆院に提出された盛山文科相に対する不信任決議案の採決に現れた二階氏は、確かにヨタヨタだった。手すりなどに寄りかからなければならないほど足元がおぼつかない。

「政治資金の処理について何ら悪びれていない二階さんが政倫審に出席すれば、何を言い出すか分からない。自民党にとって致命傷になるリスクもある。早々に出席を決めた武田元総務相は二階さんの名代。派閥ナンバー2かつ直近の事務総長を差し出すのだから、二階派についてはこれで決着ということです」(自民党中堅議員)


 政倫審は委員3分の1による申し立てか、渦中の議員の申し出がない限り開催されず、出席に強制力はない。そこへ派閥領袖の二階氏が堂々と出ていけば、岸田首相は涼しい顔をしていられなくなる。岸田派の元会計責任者の有罪が確定し、派閥の会長だった岸田首相も当事者となるからだ。そんなこんなの二階氏欠席で党内は丸く収まっても、世間が容認するかどうかは別である。

「世耕潰し」徹底
 
天敵・世耕弘成前参院幹事長(右)には何があっても選挙区を渡したくない

  「政倫審に対する世論の反応によっては党が関係議員を処分する可能性があり、二階さんも免れないでしょう。『離党+政界引退』と引き換えに、選挙区の後継指名をのませたのではないかという話が駆け巡っています。首相を目指すために二階さんの引退を待ちわびる世耕前参院幹事長には、何があっても選挙区を渡したくない。その一心で引退を先延ばしにしてきたからです。和歌山も衆院小選挙区『10増10減』の対象で、二階さんが新2区、参院から鞍替えする鶴保庸介元沖縄北方担当相が新1区に収まったことで、旧2区の石田真敏元総務相が比例代表に回った。二階さんの引退後は、とりあえず新2区は石田さんへ、鞍替えする鶴保さんの地盤は秘書を務める三男へ、という青写真です」(与党関係者)


 安倍元首相の最側近気取りでイケイケだった世耕氏も参院政倫審に出席する運びで、事と次第でどうなるか分からない。老練家の最後のご奉公で二階帝国は安泰なるか。
 
 

自民・宮沢博行議員どうした? 率先して裏金キックバック認めた“介錯おじさん”沈黙のナゼ

 
 
「派閥に残り安倍派を介錯する」──あの威勢の良さはどこへやらだ。先月、自民党本部で開かれた「政治刷新本部」で、所属する安倍派の自主解散を主張。冒頭の時代がかった表現で大ミエを切った“令和の介錯おじさん”こと、宮沢博行衆院議員の近況がさみしい。

 宮沢氏といえば党内の誰もが裏金に口をつぐんでいた昨年12月、率先してキックバックを認め、派閥から政治資金収支報告書に記載しないよう指示があったと報道陣に説明。「はっきり申し上げます。『しゃべるな、しゃべるな』これですよ」と派閥の箝口令も暴露して一躍、名をはせたものだ。

 その際、「多くの仲間も早く説明して、身の潔白を証明したいと思っていると推測する」と語っていただけに、衆院の政治倫理審査会は「身の潔白」を証明する絶好のチャンスだ。当然、自ら進んで出るのかと思いきや、朝日新聞が政倫審出席の意向を問うたアンケートには未回答。改めて宮沢事務所に聞くと「党本部から正式な連絡が来ていない。本人は連絡が来てから対応を検討したいと考えている」とのこと。

■あの威勢のよさはどこへ…
 
 宮沢氏本人の携帯電話を鳴らしても一向に出る気配ナシ。手にした裏金は5年間で132万円。突出した額ではないのに、止めどなくあふれ出ていた活力は消え失せ、すっかりダンマリを決め込んでいる様子だ。あの爆弾発言は単なるパフォーマンスだったのか。それとも安倍派の解散で「介錯」がかなったと思い込み、放心しているのか。どうした? 介錯おじさん!

「宮沢議員は2012年初当選の安倍チルドレン。地元・静岡3区では常に立憲の小山展弘議員と接戦を演じ、決して選挙に強くない。4選を果たした前回21年は比例復活です。スタンドプレーで顔と名前を売ったのも選挙のためだったのでしょうが、泥舟だった安倍派には逆らえても、公認権を握る党本部を敵に回すわけにはいかない。ただでさえ、次の選挙は逆風予想の中、下手すると裏金議員は皆、公認を外されかねませんからね。だから、沈黙せざるを得ないのです」(政界関係者)

 地元関係者には「独特の行動原理の持ち主で、周囲をア然とさせることも、しばしば。とにかく変わった人」と評判の介錯おじさんだが、意外と分かりやすい人なのかも知れない。