主張
内閣官房機密費
闇金にさせないルール作りを

 
自民党の裏金づくりに国民の怒りが高まるさなか、松野博一前官房長官が、昨年12月14日に事実上更迭されるまでの2週間で、内閣官房機密費(報償費)4660万円を自身に支出していたことが発覚しました(本紙11日付既報)。

疑惑から逃げ回る人物が
 官房機密費を何に使ったか、会計検査院ですら領収書の提出を求めることができません。まさに使途不明の“闇金”です。

 政府は、「取扱責任者である内閣官房長官の判断で支払いが行われるとともに、その使用は内閣官房長官という政治家による優れて政治的な判断の下で決定される」としています。つまり官房機密費が適正に使われているのか担保するのは官房長官です。

 松野氏は自民党安倍派(清和政策研究会)の「5人衆」の一人で、政治資金パーティーをめぐり、2018年からの5年間で1051万円を政治資金収支報告書に記載せず、東京地検特捜部の事情聴取を受けています。国民への説明から逃げ回り、弁明したものの派閥に責任転嫁するものでした。こうした人物が官房機密費の適正な使用を管理できるのか。不適格なのはいうまでもありません。

 にもかかわらず、多額の官房機密費を持ち出せることは官房機密費の制度的欠陥を示しています。

 2018年1月に最高裁は、官房機密費の支出関連文書の一部開示を国に命じました。判決後、原告の上脇博之・神戸学院大学教授ら「政治資金オンブズマン」は菅義偉官房長官(当時)に要求書を送っています。官房機密費を国会議員、ジャーナリスト、公務員に渡すことを禁じることや、一定の期間が過ぎた支出について情報公開を求める内容です。官房機密費が政策買収や世論誘導など民主主義をゆがめるものに使われないための最低限のルールです。

 しかし、当時の菅氏から現在の林芳正氏まで歴代4人の官房長官がこの要求書に耳を傾けた形跡はありません。闇金化させないルールづくりすら拒みながら、「厳正で効果的な執行を行っている」(林官房長官)と言われても、信用できるものではありません。

 「赤旗」の特報を受け林官房長官は、松野氏の4660万円の持ち逃げを「他の月や前年度の支出と比べても大きく異なるものではない」と述べました。テレビでは、ある政治評論家が「通常の支出」などとコメントしました。

 これらの発言は官房機密費そもそもの性格を無視しています。官房機密費は「官房長官のその都度の判断で機動的に使用する」ものです。国民の税金が原資でありながら、支出先や内容を明らかにできない公金だからこそ、その使用はあくまで例外的、機動的なものに限られます。それを、まるで恒常的に使われて当たり前のように言うのは感覚のマヒでしかありません。国民がチェックできない使途秘匿金の垂れ流しを軽視することは許されません。

便利なつかみ金許さない
 2012年12月に第2次安倍晋三内閣が発足して以降、歴代の内閣は、年間12億3021万円の官房機密費を11年度連続でほぼ使い切ってきました。「機動的」に支出するべき公金が、内閣の便利なつかみ金になっていないか。公表することや党派的・私的流用を許さないルールづくりが急務です。


 

呆れる…💢議員辞職しかないだろう!私らの税金なんだわ!

初版は7000部。うち二階事務所が5000部を買い取っており、2000部は市場に流通しているという。

「二階さんが買い取った分以外は、全然売れなかったですけどね(笑)」

“記入漏れ”については《今後、再発防止に努めてまいります》と謝罪した二階事務所だが、今後も政策活動費で”自費出版”したり、お友達の本を”爆買い”するつもりなのだろうかーー。

 

 

 

自民党の裏金問題をきっかけに、注目が集まる「政策活動費」。政党から政治家に対し支給されるが、原資や使いみちなどについては公開されていない。自民党は政策活動費の原資は税金ではないと主張するが透明化を求める声は大きい。

そんな「政策活動費」について波紋を呼んでいるのが、自民党の二階俊博元幹事長(84)の3500万円にものぼる書籍代だ。2月14日には、二階元幹事長が代表を務める政治団体がその内訳を公表したものの、明かされた”大量購入”に批判が高まっている。

事務所の発表によると、購入したのは17種類、計2万7700冊。購入は“政策広報”のためで、“選挙区外の関係者に配布”したという。また、”出版社(作家)より最低買い取り数量を提案され購入”したものもあると説明した。

果たして、出版や購入の経緯はどのようなものだったのか? 本誌は購入額面の大きかった『小池百合子の大義と共感』(大下英治著/エムディエヌコーポレーション、3000冊で396万円)、『政権奪取秘史 二階幹事長・菅総理と田中角栄』(大下英治著/さくら舎、3000冊で475万2000円)、『ナンバー2の美学 二階俊博の本心』(林渓清著、大中吉一監修/ブックマン社、5000冊で1045万円)を発売した出版社に話を聞いた。本稿では、最も金額の大きかったブックマン社から発売された書籍の経緯について記述する。

ブックマン社の担当者は次のように語る。

「X社のAさんという人が“政界のフィクサー”という話を聞いていて、取材上で懇意にさせていただいていました。そのAさんが『大変お世話になっているから二階さんの本を出したい』ということで『二階さんにお礼がしたいから、僕が買い取るから』と言っていたので、X社が全て買い取って、二階さんへお礼に配るのかなと思い、半ば”自費出版”のような形で引き受けました」

今回の報道を受けて、二階元幹事長が買い取ったことや、その原資が政策活動費だったことを初めて知ったという。

「我々は全くそこについては知らないですし、二階事務所と金銭的なやり取りしたことは一切ないので、そこはキッチリ書いていただきたいです。そうであれば逆に受けてなかったですし。

二階さんに買い取らせるって話は一切聞いてません。その政界のフィクサーという人が“気っ風よくやるんだろうな”としか思ってなかったんです」

そうしてX社に5000部を納品したのだが、実はある問題が――。料金の半分以上が“未払い”なのだという。

「『コロナ禍で撒けなかった』と言っていて、まだ半分以下しか支払われてないのに、今回の明細を見て二階さんから“もらってんのかい”ってビックリして。“騙されてるのウチじゃねえか”って、腹立たしくて仕方がないです。

他社さんは二階さんの事務所から直接お金をもらっているみたいですけど、うちは全く。二階さんの事務所に請求書も何も立ててないので、そこを並列で報道されるのは大変心外だと思っています」

どうやらX社が売り上げを“中抜き”した形になっているのだという。

「 私は在庫抱えて撒けないでいるんだったら、ちょっと様子を見ようと思っていたので、“売れてる”ということにショックを受けています。なので、今後はX社に対して然るべき処置を取らないといけないのかなと考えています」

初版は7000部。うち二階事務所が5000部を買い取っており、2000部は市場に流通しているという。

「二階さんが買い取った分以外は、全然売れなかったですけどね(笑)」

“記入漏れ”については《今後、再発防止に努めてまいります》と謝罪した二階事務所だが、今後も政策活動費で”自費出版”したり、お友達の本を”爆買い”するつもりなのだろうかーー。

 

二階元幹事長 書籍代3500万円に批判噴出…購入額上位の出版社が明かした「購入の経緯」

 
幹事長時代の’16年から5年間にわたって約50億円の政策活動費を党から受け取っていたとされている自民党の二階俊博元幹事長(84)。2月14日には、二階元幹事長が代表を務める政治団体が、3年間で書籍代約3500万円を支出していたことについて、「選挙区外の行政、議会関係者らに配布し、政策広報に努める」ためだったと説明し、その内訳を公表した。

「事務所は、書籍名や冊数、価格、領収書や銀行に振り込んだ際の伝票を公表しました。購入したのは17種類、計2万7700冊。購入書籍は“政策広報”のためで、“選挙区外の関係者に配布”したと、公職選挙法に触れていないことを強調しています。また、“出版社(作家)より最低買い取り数量を提案され購入”したものもあると説明。それ以外のケースでは“与野党の政治家から紹介されてまとめて購入”したものもあるといいます」(全国紙政治部記者)

公表された書籍で額面が大きかった順にあげると、二階元幹事長の政治家人生を描いた『ナンバー2の美学 二階俊博の本心』(林渓清著、大中吉一監修/ブックマン社)が5000冊で1045万円とダントツ1位。

第2位は、二階元幹事長と親しいという著者が書いた『政権奪取秘史 二階幹事長・菅総理と田中角栄』(大下英治著/さくら舎)が3000冊で475万2000円。ここまでは二階元幹事長についての著書だが、第3位は二階元幹事長と親交が深い東京都の小池百合子都知事に関する『小池百合子の大義と共感』(大下英治著/エムディエヌコーポレーション)が3000冊で396万円となっている。

一体これらの書籍はどのような経緯で購入されることとなったのだろう。支払額が大きかった上位3社に話を聞いた。本稿では、3位と2位の「エムディエヌコーポレーション」と「さくら舎」について紹介する。

まずは、第3位の『小池百合子の大義と共感』(大下英治著/3000冊、396万円、2020/6/30)を出版したエムディエヌコーポレーション。出版までの経緯を担当者は次のように話した。

「コロナ禍で小池都知事の話題性が高かった時期だったので、弊社の現場から4月か5月に企画が上がりました。都知事選を7月に控えていたので、マスコミの露出も増えるだろうし、注目も集まっているので“イケる”のではと提案があったのです。選挙前に出版することが条件だったし、他社さんも小池さんの本を出してきますので、小池さんとも親しい著者にお願いして急いで選挙期間前に出版しました。

なので、弊社からの企画提案ですし、3000冊を買い取っていただくなどの取り決めなどは一切ありません。むしろお願いしてお忙しい時間の合間をなんとか縫っていただいたという経緯があります」

二階元幹事長から3000冊の注文があった際には驚いたという。

「受注したときはビックリというか、“まとめて買ってくれるのはありがたいね”という感じでした。(売れ行きについて)全体の発行部数はお教えできませんが、1番売れた他社さんの小池さん本に比べちゃうともう……」(前出の担当者)

第2位の『政権奪取秘史 二階幹事長・菅総理と田中角栄』(大下英治著/3000冊、475万2000円)を出版したさくら舎の担当者によると、出版の発端は、著者の大下氏による企画の持ち込みだという。

「大下さんと二階さんの話で本を出そうとなって、それでその際に“3000部買う”という話が出たんじゃないでしょうか。その場には僕は立ち会ってませんけど、こちらも“普通の書店でも売れるだろう”という判断があったのだと思います。

初版は6000部作って、元々の約束で3000部を二階さんのところで買うという形になっています。だから定価1800円の8掛けの3000部でその値段だと思いますよ。3000部というのは出版するときの最低ラインというか、3000部が書店で売れる見込みのあるものはやります」

購入の原資については「いや、それはちょっとこっちではわからないですよね」と、もちろん出版社が知る由もない様子だった。