盛山文科相「不信任決議案」否決も…旧統一教会との関係「記憶にない」のに「恥ずべき行動なし」と言い切る矛盾

 
 有力政治家と教団側の双方がどのような目的で関係を築いてきたのかを含め、網羅的に解明すれば、教団側につけ込まれることはなくなります。安倍派出身ではない岸田首相は検証をできる立場だったはずなのに、やらなかったことが今回の事態を招いているとも言えます。
 
 
 記憶にないにもかかわらず、なぜ、断言できるのか分からない。

 旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)の関連団体との過去の関係を巡り、国会で曖昧な津弁を繰り返していた盛山正仁文部科学相(70)。立憲民主党は19日、盛山氏が説明責任を果たしておらず、大臣は適格だとして衆院に文科相に対する不信任決議案を提出したが、20日の衆議院本会議で自民党・公明党・日本維新の会などの反対多数で否決された。

 盛山氏は2021年10月の衆院選で、教団の関連団体から推薦状を受け取っていた疑惑が指摘されている。これまでの予算委員会で、盛山氏の答弁は「記憶にない」「うすうす思い出した」「(推薦状を)受け取ったのではないか」などと二転三転していた。


 自身に対する不信任決議案を提出されたことについて、19日夕、盛山氏は報道陣の取材に対し、「私としては、正々堂々と恥ずべき行動はとってこなかったと思っておりますので、多くの方に不信任案に対し、否決する方向で投票してもらえたらありがたい」などと説明していたが、この発言が報じられると、ネット上は批判や疑問の投稿であふれた。
 
《盛山氏の答弁通りなら、教団と確認せずに推薦状を受け取り、教団と知らずに選挙応援を受けたという話になるが、その事実を知らなかったこと自体が国会議員として恥》

《ノラリクラリと曖昧な答弁を繰り返した行為を恥と思わないのか》

《記憶にないのであれば、恥じない行為だったのかも記憶にないと思うけど》

■松野博一前官房長官は不信任決議案の否決後、辞任

 国語辞典によると、「恥」とは「自分の欠点や失敗を恥ずかしく思うこと」「その行為によって名誉や面目が損なわれること」だが、盛山氏は自信満々で「正々堂々と恥ずべき行動はない」と言い切っている。

 岸田文雄首相(66)は「盛山氏は過去はともかく、現時点では当該団体と一切関係がない」として更迭を否定したが、過去に更迭された閣僚らは教団との「過去の関係」が指摘されたのがクビの理由だった。

 岸田政権では、自民党の派閥パーティーを巡る裏金事件でも、松野博一前官房長官(61)に対する不信任決議案が衆院に提出され、反対多数で否決された後、辞任する展開となった。

 盛山文科相の進退もこの先、どうなるか分からない。

 
 

鈴木エイト氏「検証しなかった首相に原因」 盛山氏の旧統一教会系問題

 
 
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体から2021年の衆院選で支援を受けたなどとして、立憲民主党が提出した盛山正仁文部科学相に対する不信任決議案が、20日の衆院本会議で否決された。盛山氏の問題をどう見るか。政治家と教団との関係を長年取材してきたジャーナリストの鈴木エイト氏に聞いた。

 政府が23年10月に旧統一教会の解散命令を請求して以降、信者の間では岸田文雄首相に反発する声が出ています。12月には、岸田首相が過去に教団関係者と面会した際の写真の存在が明らかになりました。

 これまで自民党の政治家との関係についての情報は教団本部が統制してきました。でも今は、岸田首相や周辺議員に関しての情報漏れは黙認している状況です。選挙支援の問題が新たに指摘された盛山氏も岸田派です。
 
一方で、教団と歴史的に深い関係を築いてきた安倍派の議員に関する新情報は、今のところ出ていません。
 今回の盛山氏の問題を受けて、教団の友好団体「世界平和連合」はホームページで声明を公表しました(17日付)。声明では、盛山氏が窮地に陥っているのは岸田首相が教団との関係を断つと宣言したことにある、との認識を示しています。「岸田政権は、自ら作ったルールに縛られて苦しんでいるという点で、まさに『自縄自縛』に陥っていると言ってよいでしょう」という記述もあります。岸田首相に攻撃的な姿勢を示しています。

 ただ、声明では岸田首相の「関係断絶」宣言や、解散命令請求の理由となった献金被害などを省みる言葉はなく、自分たちの行為はスルーしています。

 岸田首相は今からでも第三者を加えた調査委員会を設け、自民党と教団との半世紀を超える関係を検証すべきです。対象期間は日本で宗教法人として認証され、安倍晋三元首相の祖父である岸信介元首相の自宅隣に教団本部を設けた1964年から、22年7月の安倍氏の銃撃事件に至るまでです。

 有力政治家と教団側の双方がどのような目的で関係を築いてきたのかを含め、網羅的に解明すれば、教団側につけ込まれることはなくなります。安倍派出身ではない岸田首相は検証をできる立場だったはずなのに、やらなかったことが今回の事態を招いているとも言えます。

 盛山氏は本来、教団の問題を担当する文科相を打診された時に断るべきでした。盛山氏は解散請求時の記者会見で「教団は長期間にわたって継続的に信者が多数の方々に対し、自由な意思決定に制限を加え、正常な判断が妨げられる状態で献金や物品の購入をさせて多額の損害をこうむらせ、生活の平穏を妨げた」などと踏み込んで発言しました。事務方が原稿を作成したのかもしれませんが、私は感激しました。政府はしっかりと解散命令に向けた手続きを進めてほしいと考えています。【聞き手・田中裕之】
 
 

盛山文科相、辞任を否定 教団系機関誌は「一方的に送られてきた」

 
不信任決議案が出された盛山文科大臣。地元事務所に毎月届いているという「世界思想」は、統一協会の政治組織「国際勝共連合」の機関誌。これも「記憶にない」のだろうか。
盛山氏は決して自ら進んで説明しない。解散命令請求を担当する大臣として、それ自体が信任に値しない。
 
 
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体が、教団系の機関誌を毎月無料で盛山正仁文部科学相の地元事務所宛てに発送していたことについて、盛山氏は20日の記者会見で「こちらからお願いしたものではなく、一方的に送られてきたもの。私が一つ一つ目を通すことはない」と述べた。また、「何ら恥ずべき行為をしていない。職責をまっとうしたい」と重ねて辞任を否定した。
 
 盛山氏は昨年9月に宗教法人を所管する文科相に就任。教団の友好団体の会合に一度出席したことを認め、「今後は関係を絶つ」として翌10月には教団への解散命令を請求していた。ただ、それ以外の接点が相次ぎ発覚している。
 
今回、地元事務所に送られていたことが明らかになった機関誌は、教団の友好団体の会員向け月刊誌「世界思想」。毎号に教団創始者の故・文鮮明(ムンソンミョン)氏のメッセージなどが掲載されている。
 安倍晋三元首相銃撃事件を機に教団への批判が高まって以降、受け取り側が教団側に連絡して発送が停止された例も複数あるが、盛山氏側からそうした意思表示はなく1月にも発送されていた。この点を問われた盛山氏は「現在、解散命令請求をしている当事者でもあり私からアクションを起こすのはどうかと思う」としつつ、「疑念が生じないよう行動することを考えたい」とも話した。

 教団側からの選挙支援など、接点を指摘する報道について「あちらから狙われたんだろうと思います。(テレビ放送のある予算委員会中などの)タイミングを計って出してきたことはあるんじゃないかと思います」とも述べた。

■野党の国会戦術にも言及「国会での追及、新しいネタなく手詰まりに」

 会見では、自身への不信任決議案が20日午後に衆院本会議で採決されるのを前に、野党の国会戦術に関して自説を展開する場面もあった。

 盛山氏は自身をめぐる報道が続いていることについて「どこかの報道にもありましたけれども、国会での追及にあんまり新しいネタがなくて、手詰まりになっていること。そして旬を過ぎようとしているような書きぶりもありましたけれども、そういうようなタイミングだ」と言及。「日程闘争をするという一部野党のご意向もあってこういうことになっているのではないかなと私自身は感じる」と語った。

 そのうえで、新年度予算案の年度内成立を確実にしたい与党の国会戦略を踏まえ、「(野党側が)ちょうど攻撃をする、与党を批判するのにちょうどいい材料としてこういう報道が出て、使われたということではないか」とも述べた。
 
 

文科相の不信任決議案、否決も「信任」評価聞こえず…更迭の山際氏は苦笑い

 
 
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を問題視し、立憲民主党が提出した盛山正仁文部科学相の不信任決議案が20日、衆院本会議で否決された。だが与党から「信任」との評価は聞かれず、22日から始まる教団解散を問う「審問」に影を落としそうな気配だ。一方、日本維新の会が反対に回ったことで、政権を追及する野党の足並みの乱れも指摘される。
 
 自民党議員の多くは記者団の問いかけに口数少なく、足早に衆院本会議場へと向かった。旧統一教会との関係で経済再生相を更迭された自民の山際大志郎氏(神奈川18区)は「自身への対応と重ねておかしいとは思わないか」と問われ、「どうなんでしょうね」と苦笑いでかわした。不信任案の提案説明では立民の菊田真紀子氏がこの件を引き「山際大臣を辞めさせて盛山大臣は守る。ダブルスタンダードも甚だしい」と岸田文雄首相を批判。採決では山際氏は硬い表情のまま反対票の「青票」を投じた。

 与党のパートナーである公明党の院内控室は重苦しい雰囲気に包まれた。古屋範子氏(比例南関東)は神奈川新聞社の取材に「人事は総理の意向だから…」と説明。その上で「文科相を信任するのか」との問いかけに対し、「信任」とは言わず「不信任を否決する」と言い換えた。本会議場で自民の井出庸生氏が反対討論を終えても公明議員から拍手は上がらなかった。

 

盛山文科相の妻に直撃「ラブレター受け取ったら好意を持っていると言える?」旧統一系教会機関誌 発送問題

 
盛山文部科学大臣に新たな疑惑です。 旧統一教会の友好団体が、盛山大臣の地元事務所に、毎月機関誌を送っていることがわかった。
 
一方、盛山大臣への不信任決議案は、20日、反対多数で否決されている。

■盛山大臣への不信任決議案は否決
立憲民主党 菊田真紀子議員:
このまま盛山正仁氏を文部科学大臣の職にすえることは、我が国の文部科学行政に対する不信と、政治不信を招くだけであり、一刻も早く辞任をしていただきたい

盛山文部科学大臣への不信任決議案は、20日午後、衆議院本会議で審議され、与野党が激しい論戦を繰り広げた。

盛山文部科学大臣をめぐっては、2021年の衆議院選挙で旧統一教会の友好団体から推薦状を受け取っていたことが発覚。

野党は盛山大臣の答弁が二転三転したことなどを問題視している。

これに対して与党自民党は…

自民党 井出庸生議員:

盛山大臣は昨年9月に就任以来、精力的に公務に取り組まれてきました。旧統一教会に対する解散命令を東京地裁に請求したことは、旧統一教会をめぐる深刻な被害に対応するための、大きな一歩を踏み出したといえます
 
不信任決議案は自民・公明・維新の反対で否決された。

額賀福志郎衆院議長:

文部科学大臣、盛山正仁君、不信任決議案は否決されました

■旧統一教会系の機関紙を受け取っていた
しかし火種は絶えない。 20日、明らかになった新たな疑惑。

旧統一教会の友好団体の関係者によると、神戸市にある盛山大臣の地元事務所に、教団系の機関誌「世界思想」を毎月無料で送っていて、1月も送っていたという。

友好団体の関係者はFNNの取材に対し、「贈呈という形で私たちの主張に同意してくれた自民党議員の事務所に送っていた」と証言した。

■「関係をすでに断っていますので、こちらから接触するつもりもない」
盛山正仁文科相:

こちらからお願いしたものではなく、先方から事前の断りなく、一方的に送られてきたものです。私自身がひとつひとつ目を通すことはありません。ご指摘の冊子についても、直ちに処分していると聞いています

送ってこないよう断る国会議員もいる中で、なぜ、拒否しなかったのかという質問には・・・

盛山正仁文科相:

関係をすでに断っていますので、こちらから接触するつもりもない。私の方から(止めてくれと)アクションを起こすのは、どうかと思っています」

■取材に応じた妻は「お断りして、わざわざ波風を立てるほどのこともない」
地元事務所で事務責任者を務める盛山大臣の妻が電話取材に応じた。

盛山文科相の地元事務所責任者 妻・路子さん:

(Q.郵便物に世界思想を見かけたことは?)

分からないです。宗教っぽいものも、1つや2つではないので、ほとんどお付き合いない団体の名前で送られて来たものは、封も開けずに捨てているんです。なぜ今まで断らなかったのかと言われれば、お断りして、わざわざ波風を立てるほどのこともない。どうせ解散されれば機関誌もなくなるだろうし、どこの(団体の機関誌)でも、放ってあります

(Q.機関紙を受け取ることで、趣旨に賛同してもらっていると受け止められないか?)

そうしたら例えばラブレター出したら、相手が郵便物を受け取ったということは、相手も自分に好意を持っていることだと思いますか?ちょっとおかしいでしょ。それは独りよがりで。だいたい郵便物を受け取ったら、法律に反するんですかっていう話ですよね

不信任決議案が否決されたことを受け、盛山大臣は今後の職責について「しっかりやる。それだけです」と述べた。

文部科学大臣への不信任決議案は否決され、改めて盛山大臣は続投の意向を示しています。 FNNの世論調査では、辞任すべきという声が72.6%に上った。
 
 

「恥ずべきことしてない」不信任案「否決」の盛山文科相、国会審議ストップの責任感じさせぬ「笑顔」の厚顔無恥

 
 
「これまで正々堂々と、何ら恥ずべき行動はとってこなかったと思っています」

 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)側より選挙支援を受けたことなどから、2月19日に立憲民主党は、盛山正仁文部科学大臣の不信任決議案を衆議院に提出。それを受けて、盛山大臣は記者団にこう語った。
 
「記者団は盛山大臣に『新聞の世論調査では辞職すべきとの回答が多いが』と質問しましたが、『私は旧統一教会とはいっさい関係を断ち、粛々と解散命令請求をおこなっている。被害者救済のための法律の成立にも協力をしている』として、さらには『私の行動を十分見てもらえれば、信頼をしてもらえるのではないか』とも述べました」(政治担当記者)

 不信任決議案は、2月20日午後の衆院本会議で自民・公明両党などの反対により否決されたが、SNSには、これまで盛山大臣が予算委員会などで「まったく記憶にない」「うすうす思い出してきた」などの答弁を繰り返してきたことから、《記憶にないと答弁を繰り返して、行動は覚えていない設定なのに、この発言はおかしい》《記憶ないのに何で否定は出来るのか?》《恥ずべき行動はとってこなかった??? 記憶あるんかい???)など、皮肉る書き込みが殺到していた。

 こうした不信、不満を抱く国民の怒りをさらにあおったのが、2月19日の衆議院予算委員会での盛山大臣の行動だ。

「午後の審議が始まる13時、盛山大臣が委員会室に入ってきたのですが、表情がとにかく明るいんです。とても不信任決議案が提出される当の本人とは思えませんでした。さらに、同僚議員らと大笑いする余裕も見せました。

 2023年12月12日、当時の松野博一官房長官の不信任決議案が採決されましたが、否決を受けて松野氏は議員席に向かい、ニヤリと笑ったのです。翌日の13日には、岸田内閣に対しての内閣不信任決議案が採決されましたが、このときも岸田首相と麻生副総裁が笑い合っていました」とベテラン政治担当記者はあきれる。

 さらに、1月26日の通常国会開会の本会議場では、裏金問題で糾弾されていた『安倍派5人衆』が、笑いながらほかの議員たちとあいさつをしていた。

「このことからも分かるように、いまの自民党に緊張感は微塵もありません」と立憲民主党議員秘書。盛山大臣の不信任決議案採決で、衆議院予算委員会が開かれず、国民生活に直結する令和6年度の予算案成立に向けた日程が窮屈になっている。そうした責任をどう感じているのだろうか。