芳野友子「連合(統一教会)としては共産党と一緒に戦うことはありえない」
共産党を毛嫌いする労働者の敵
こんな労働組合の代表はありえない

 

 

【政界地獄耳】また裂き状態に陥った連合、政治介入を自制すべき

★4月28日投開票の衆院補選は、折からの政治とカネの問題を色濃く反映する選挙になる。13日、鳥取県米子市で開かれた連合の中国ブロック代表者会議で、連合会長・芳野友子は衆院島根1区の補選について次のように発言した。立候補の意向を表明している立憲元職の亀井亜紀子に推薦を出しているが、「連合としては共産党と一緒に戦うことはありえない」「候補者調整は政党が考えることなので、連合が踏み込むというのは難しいが、連合の考え方は明確なので、それを踏まえたうえで候補者調整をやったときに、支援できないこともありますし、推薦取り消しもあります」と相変わらず、連合の一方的立場だけを訴えた。
 

★官公労(総評系)の左派と民間労組(同盟系)の右派の対立など4組織を一本化して、労働者の力を示そうと1989年、連合は発足した。ところが17年、連合が支援していた民進党が希望の党との合流騒動を経て、立憲民主党と国民民主党に分裂。政党が左派と右派に分かれたことをきっかけに、連合はまた裂き状態に陥った。芳野の立場はこの分裂を食い止め、連合としてのまとまりを最大限発揮したいというもの。
 

★だが、機械・金属製造業の中小企業の労働者で組織されるものづくり産業労働組合(JAM)出身の芳野は、民社党由来の右派教育からしか労働運動を見ることができず、大きな塊を模索し俯瞰(ふかん)する力に欠ける。今も官製春闘ともいえる協調路線に乗じて経団連や自民党、官邸とタッグを組む。それなりの規律や緊張が生じるべきだが、「自民党への政治とカネへの苦言も甘く、デレデレした印象」(同盟系労組幹部)と評判が悪い。ある野党議員は「政治の水面下の動きに少し黙っていてもらいたい。参院では組織内候補が連合の顔色ばかりうかがっている。政治家や政党を支援団体の連合が支援をたてにひれ伏させる文化がなじまない。連合はもっとずっしりと構えてもらいたいが、今の連合が政治の動きを止めることになっていることに芳野自身が気付いていない」と厳しい。(K)※敬称略

 

 

きょうの潮流
 

 市場は浮かれています。バブル期以来の史上最高値を目前にした株価に。斎藤健経済産業相もこれまでの日本経済をふり返りながら「潮目の変化を迎えている」と手応えを口にしました

 

▼実体はどうか。国の経済活動の状況を表すGDP(国内総生産)は長期低迷によってドイツに抜かれ、世界4位に転落。日本の3分の2ほどの人口を考えれば国民1人当たり1・5倍の経済格差がついたことに。しかもドイツの年間労働時間の平均は日本より2割も短い

 

▼この間2期連続のマイナス成長となったGDPについて「見た目よりも非常に厳しい内容」と分析する専門家も。マイナスが続く内需については、とくに物価高による個人消費への影響を指摘し賃上げが景気の鍵を握ると強調しています

 

▼足元をみても停滞と衰退は顕著です。地方ではシャッター通りがひろがって久しく、土台を支えてきた農業や畜産業、漁業や林業も苦境にあえぎ、後継者不足も深刻です

 

▼ゆきづまる日本経済。株価の上昇や目先の利益ばかりを追いかけ、労働者や生産者、中小零細企業をいじめてきた結果でしょう。もうけをため込み、人を大事にせず、賃金や投資を抑える。そうした財界のやり方や、それに沿った政治から抜け出してこそ潮目の変化が生まれるのでは

 

▼「経国済民」。経済とは国を治め、人民を救済することです。ほんらいの意味に立ち返り、一人ひとりのくらしを温める。それが、この国に住む人びとの将来を照らすことにつながっていくはずです。