西村、萩生田、世耕3氏は早くも“派閥”づくりの囲い込み競争 「もう数に入れたから」と誘われ

 

西村、萩生田、世耕らは国民を愚弄しきっている。こんな腐りきった人間は国会から追究だ!

 

「政治資金収支報告書を直接書いた会計責任者は罪に問われても仕方がない状況です。検察審査会は一般市民から選ばれています。裏金事件は大きなニュースになり、国民から批判を浴びていることから、会計責任者については最終的に起訴の議決が出て、刑事責任が問われる可能性は十分あります」

 

「3人が早くも“人集め”に奔走していることは党内でも知れ渡っています。安倍派から大きな問題になり、派閥解散を岸田首相が決断したのに何もわかっていない。もし会計責任者が起訴されるようだと、本人たちにも影響はあるでしょう」

 

自民党安倍派の議員総会に臨む「5人衆」。右から西村康稔前経済産業相、松野博一前官房長官、萩生田光一前政調会長、高木毅前国会対策委員長、座長の塩谷立・元文部科学相をはさんで世耕弘成前参院幹事長=2024年2月1日、東京・永田町の党本部(dot.)

 

 裏金事件で揺れる自民党。3人の現職国会議員を含む10人が起訴・略式起訴されたが、その“代償”が自民党政治の根幹ともいえる派閥の解消だった。しかし、安倍派幹部のなかには、派閥解消後の“派閥”結成に向けた動きがすでに出ているようだ。少なくとも「5人衆」のうち、西村康稔・前経済産業相、萩生田光一・前党政調会長、世耕弘成・前党参院幹事長の3人からは、議員の囲い込みともとれる発言が聞こえてくる。AERAdot.が入手したある集会での音声記録からも、そうした傾向が読み取れる。

 

 2月3日、西村氏の地元(衆院兵庫9区)の兵庫県洲本市で、西村氏の後援会の幹部ら150人が集まる「世話人会」が開かれた。

 西村氏からは、一連の裏金事件についての報告などがあり、そのなかでこんな発言があった。

「安倍派は解散になりますが、私を慕ってくれる若手が何十人もいます。若手から『(自民党)総裁選に手を挙げて』ともいわれています。若手の面倒をみてやりたい。議員連盟みたいなのでいきたい」

 世話人会に参加した後援者の一人は、この発言が、“派閥”づくりに意欲満々な西村氏の気持ちの表れに聞こえたという。

■「自分も悪かった」と言いながら

 



「派閥幹部だった自分も悪かった、裏金ももらっていた、と言いながら、早くもまた、派閥かそれと同じようなものをつくりたいと言うので、あぜんとしました。私だけでなく、他の後援者でもそのように感じたという人はいましたよ」

 と振り返る。

 録音された音声記録を聞くと、西村氏の気になる発言は他にもあった。

「秘書が20人いて、うち3人しか国から給料は出ない。その人件費が年間1億円かかるので、自分で稼ぐために(政治資金)パーティーを開いてきた」

 などと自身のパーティーについては肯定的に捉えて説明したが、安倍派の裏金づくりについては、

「安倍晋三元首相が会長になり、私が事務総長になったときにキックバックの論議があった。しかし、私はすぐに大臣になったので、その後は知らない」

 と話していた。

 

 西村氏は裏金が100万円あったことを認め、「秘書任せだった」と切り出しながらも、

「安倍派のパーティーの収入と書くところを、苦肉の策で自分のパーティーの収入として書いていた」

 と語った。政治資金収支報告書への虚偽記載を“自白”した格好だ。 

 自身の責任についても、

「党の役職停止か、半年程度でしょう。まさか1年はない。その間だけは謹慎」

 と「復活」を前提に、反省とはかけ離れた発言をしていた。

■萩生田氏の子分のような議員から…… 

 



 岸田文雄首相は1月18日に「岸田派解散」を表明した。その翌日、安倍派も総会を開き、派閥解散を余儀なくされた。“裏金議員”の大半が金額を明かさざるを得ない状況になったが、萩生田氏は記者らに囲まれ、発言を求められた際も対応せず、去ったという。

 萩生田氏の地元、東京24区で選挙中の八王子市長選で自民推薦候補が苦戦していたことがだんまりの理由にあったのか、21日に東京都の小池百合子知事や日本維新の会の支援を得て辛勝すると、ようやく記者会見し、自身の裏金を2728万円と明かした。

 安倍派の衆院議員はぶぜんとしながらこう語った。

「萩生田氏は早くも、安倍派の議員の囲い込みを始めています。私にも『政策、テーマで集まって何も悪いことはない』『若手が路頭に迷うようなことがあってはならない』と誘いがありました」

 この議員は、その場では明確な答えをしなかったという。するとその後、

「萩生田氏の子分のような議員から、『西村氏や世耕氏が前のめりで、子分を確保しようと躍起になっている。負けてられないので、仲間に入ってくれ』『選挙はしっかり応援するから』とさらなる誘いがありました」

 という。それについても無視していると、「LINEで何度も同じメッセージがきました」。

 月刊「文芸春秋」3月号に、萩生田氏、加藤勝信元官房長官、武田良太元総務相の鼎談(ていだん)が掲載されている。萩生田氏はそこでも、「みんなが政策ごとにグループを作って集まるのはこれからも続く」と語っており、グループ化は既定路線とみられるが、前出の“子分のような議員”の言動からは、政策よりも前に、数ありきの姿勢がうかがえる。

 

 萩生田氏以外で、グループ化の動きがあると名前の上がった世耕氏は、裏金が1542万円だったことが判明したが、西村氏や萩生田氏とは違い、派閥解散後も地元・和歌山県には姿を見せていないという。

 地元の地方議員は、

「一昨年の和歌山県知事選では、世耕さんが出馬させようとした官僚が土壇場でとりやめ。昨年は衆院補選で世耕さんが推し、選挙対策本部長を務めた自民党の元職が惨敗。そして今回は自分自身の裏金。それなのに地元にはおわびの電話すらない。世耕さんの支持者が2人寄れば、『(世耕氏は)男を下げたな』と口にします」

 と打ち明ける。

 安倍派の参院議員は、

「派閥の解散が決まってからも世耕氏はよく飲み会をやっています。参加するのは安倍派を中心とする参院議員です」

 と話す。そうした場でどんな話をしているのか聞くと、

「世耕氏から『グループでやっていくから一緒にきてな。もう数に入れたから』と言われたという議員もいました。誘いに応じていない私にも『待っている』と連絡がありました。参院幹事長にも復帰する、といった話も自らしているようです。裏金事件から1カ月ほどしか経っていないなかで、若手議員は地元で厳しい批判を受けて頭を下げ、耐えているのに何を言ってるんでしょうね」

 と憤りを見せた。

■「派閥再結成を言う3人にただあきれる」

 前出の安倍派の衆院議員によると、

「安倍派がなくなるのは、西村氏ら5人衆と呼ばれる幹部に大きな責任がある。しかし、西村氏だけでなく萩生田氏、世耕氏も『派閥を再結成』と言っている。ただあきれるばかりです」

 西村氏、萩生田氏、世耕氏が争うように“派閥づくり”に奔走しているようだが、裏金事件はまだ終わったというわけではない。特捜部は3人とも不起訴としたが、検察審査会に申し立てられる可能性はある。3人は直接、刑事責任を問われる可能性は低いとしても、いずれも個人の政治団体の政治資金収支報告書は訂正されており、外形的には政治資金規正法に違反した「虚偽記載」となる。

 

 

元検事の落合洋司弁護士はこう指摘する。

「政治資金収支報告書を直接書いた会計責任者は罪に問われても仕方がない状況です。検察審査会は一般市民から選ばれています。裏金事件は大きなニュースになり、国民から批判を浴びていることから、会計責任者については最終的に起訴の議決が出て、刑事責任が問われる可能性は十分あります」

 こうした状況を踏まえ、自民党の幹部がこう話す。

「3人が早くも“人集め”に奔走していることは党内でも知れ渡っています。安倍派から大きな問題になり、派閥解散を岸田首相が決断したのに何もわかっていない。もし会計責任者が起訴されるようだと、本人たちにも影響はあるでしょう」

(AERA dot.編集部・今西憲之)

 

 

政府が少子化対策法案を「閣議決定」 支持率1割台の岸田内閣“乱発”に正当性はあるのか?

 
 
《閣議決定》

 普段あまり目にしない政治用語が16日、X(旧ツイッター)で一時トレンド入りした。

 政府がこの日、少子化対策の強化に向けた関連法改正案を閣議決定したのを受けたものだが、この少子化対策の財源を巡っては、岸田文雄首相(66)が6日の衆院予算委員会で、国民1人あたり「粗い試算で月平均500円弱になる」と答弁した際、ネット上で《増税しないと言いながら、結局、増税するのか》《保険料から徴収するなら増税だろ》などと異論が噴出。にもかかわらず、あっという間に閣議決定となったことから、《勝手に閣議決定するな》《閣議決定を私物化するな》などと怒りの声が広がったようだ。

 さらに国民の多くが疑問に思っていたのは「閣議決定の正当性」だ。

 時事通信が9~12日に実施した2月の世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比1.7ポイント減の16.9%となり、発足以来の過去最低を更新。不支持率は同6.4ポイント増の60.4%にも達しており、《7割の人が指示しない内閣が国会の議決も経ずに決めていいのか》《この閣議決定は有効なのか》と感じているようだ。
 
■安倍元首相の「国葬」も閣議決定だった

 岸田政権は過去にも、戦後の歴代政府が築き上げてきた「武器輸出三原則」を緩和する「防衛装備移転三原則の一部改正」を閣議決定(2023年12月)したほか、原発再稼働を容認する方向に舵を切った「原子力委員会の原子力利用に関する基本的考え方に関する対処方針」を閣議決定(同2月)。2022年7月には、国民世論の賛否が分かれた安倍晋三元首相の「国葬」も閣議決定している。

 いずれも世論の反対が大きかった内容だが、時の内閣がすべてを「閣議決定」で決めるのであれば、「国権の最高機関」であるはずの国会は不要になりかねず、まさに議会制民主主義の破壊行為。強行しているのが支持率1割台の内閣なのだ。

 安倍政権でも閣議決定を多用し、集団的自衛権の行使容認といった安保法制などをバンバン決めていたが、岸田政権もこの手口を踏襲しているようだ。

 そのうち、「自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金は合法」などと閣議決定しかねないのではないか。
 
 

呆れた自民の「裏金」調査報告書…反省ゼロ、中身は安倍派幹部への愚痴だらけ

 
 
 一体、何を調べていたのか。自民党は15日、派閥パーティーの裏金事件を受けて実施した党幹部による聞き取り調査の結果を公表した。2週間近くもかけたのに、中身はスカスカ。なぜ、平然と裏金づくりが行われてきたのか、カネを何に使ったのか──、肝心の実態解明からは程遠い内容で、匿名による安倍派議員の発言録は幹部への不平・不満のオンパレードだ。

 ◇  ◇  ◇

 調査の対象は、安倍派と二階派の現職議員や選挙区支部長、各派閥の幹部を含む91人。聴取項目は、2020~22年分の収支報告書の訂正内容や、派閥からのキックバックの存在を認識していたか否か、受領した資金の管理方法などだ。

 全20ページの報告書のうち何より目立つのは、3ページにわたって記された安倍派議員たちの幹部への恨みつらみの言葉である。聞き取りに対し、議員がこぼした愚痴の数々が、匿名ながらくどくどと書き連ねてある。

〈派閥なら派閥らしく、トップが腹を据えるべき〉〈派閥の若手議員よりも重鎮議員の方の危機意識が低かった〉〈派閥の上に立つ人間が責任をとらないといけないと思う〉

 さらに、22年の安倍派パーティーの直前に、会長だった安倍元首相が「キックバック中止」を指示。その後、撤回された経緯を巡っては、こんなボヤキ節も。

〈安倍さんが止めると仰ったのに、その後に復活したのだから、その方針を覆した人がいるのではないか〉〈誰がその決定をしたのかについては、誰も語らない〉

〈派閥から記載するなと言われたものを記載するわけがない〉と、派閥側に責任を押し付ける発言もあった。

 見逃せないのは、安倍派の「不記載スキーム」の開始時期に関する記述だ。具体的な時期は〈判然としない〉としつつも〈遅くとも10数年前から行われていた可能性が高い〉〈場合によっては20年以上前から行われていたこともうかがわれる〉と報告書は指摘。十数年から20年前といえば、森元首相が会長を務めていた時期(1998~2000年、2001~2006年)と重なる。だったら、サッサと追加調査を開始。森本人からみっちり事情を聴いて、シロクロつけるべきだ。
 
現金隠しには追徴課税がスジ

   さらに驚くのは、裏金の管理方法についてまとめた項目だ。受領した議員全85人中、39人が「現金」、12人が「現金及び銀行口座」。現金の保管場所として「事務所の金庫」「鍵の掛かった事務所の引き出し」「専用の箱(物理的なボックス)」「引き出しの小さい金庫」を例示し、まるで脱税社長の「現金隠し」さながら。

 また、キックバックを受け取った85人中、31人が「(カネを)使用していなかった」と回答。その理由に「気持ち悪いと思っていたので使わなかった」との声も紹介している。仮に、受領した裏金を金庫に入れたまま使わなかったとしたら、「所得隠し」「脱税」ではないのか。

「意図的に裏金づくりをやっていたわけですから、管理方法が金庫だろうが銀行口座だろうが脱税であることに変わりはありません。世論の批判を受けてか、自民党内で、キックバックを不記載にしていた議員に対し納税させる案が浮上しているようですが、これは脱税を自白したも同然。長年にわたり裏金化していた悪質さに鑑み、税務署は議員に重加算税を課すべき。でなければ、国民は納得しないでしょう」(立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏=税法)

 そもそも報告書は裏金を「還付金」、中抜きを「留保金」と言い換え、反省の色ナシ。裏金議員の愚痴など、誰が聞くものか。改めてキチンと実態を調査し、不正に蓄財していたヤカラに追徴課税を払わせるべきだ。

 

少子化対策

“負担なし”は虚偽

宮本徹議員追及 厚労相 負担増認める

衆院予算委

 

 

 「医療・介護の利用者負担を増やしながら、『実質的な負担は増えない』というのはまやかしだ」―。日本共産党の宮本徹議員は15日、衆院予算委員会で、「少子化対策」の財源をめぐり、「負担は生じない」とする政府のごまかしを厳しく批判しました。

 

 政府は年3・6兆円の「少子化対策」の財源を「歳出改革」による医療・介護の公費削減(約1・1兆円)や公的医療保険料に上乗せする「こども・子育て支援金」(約1兆円)などで確保するとしています。

 宮本氏は、「歳出改革」で検討されている75歳以上の高齢者の医療費3割負担、介護保険2割負担の対象拡大などによる利用者の自己負担増をただしました。武見敬三厚生労働相は、「正確な算定は困難だ」などと述べ、利用者への影響すら示しませんでした。

 宮本氏は、介護保険の2割負担について、昨年の厚労省の試算では、対象者を年収190万円以上に広げると公費は400億円削減される一方、自己負担額は800億円に増えると指摘。「1・1兆円もの医療・介護の公費負担を削減すれば、べらぼうな利用者の負担増になる。『実質的な負担は増えない』との言い方はまやかしだ」とただすと、武見厚労相は「一定の負担が増える世代層が特に高齢者層に出てくる」と認めました。

 「こども・子育て支援金」は、公的医療保険の仕組みを使って徴収します。宮本氏は、厚労省の試算でも、年収300万円の単身者の場合、介護保険料は協会けんぽでは年2万8400円、国保では年4万4000円で、協会けんぽの1・5倍の負担になることを提示。「同じ収入でも保険ごとに支援金の負担額が異なる」と指摘し、「収入の少ない人が、収入の多い人より負担が増えることが起きる。およそ正当化できない制度設計だ」と批判し、撤回を迫りました。