マイナ保険証利用率、国家公務員4.36% 武見厚労相「低すぎる」

 
 マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」をめぐり、厚生労働省は6日、国家公務員の昨年11月の利用率が4・36%だったと発表した。「一度使ってみませんか?」とマイナ保険証の利用を呼びかけてきた厚労省ですら4・88%。利用率は国全体で4%台と低迷しているが、国家公務員の間でも利用が広がらない状況となっている。
 
 武見敬三厚労相はこの日の閣議後会見で、国家公務員のマイナ保険証の利用率について、「低すぎる。もっと率先して使ってもらえるように働きかける必要性を認識した」と述べた。

 厚労省が公表したのは、国家公務員とその家族が加入する国家公務員共済組合のマイナ保険証の利用状況。利用率が最も高かったのは総務省で6・26%、最も低かったのは防衛省で2・50%だった。
 
 

「マイナ保険証」国家公務員の利用率わずか4.36%に大臣も「低すぎる」 現役国家公務員に使わない理由を聞いてみると…【news23】

マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」。国家公務員の去年11月の利用率が4.36%にとどまることが明らかになりました。なぜ利用しないのか。その理由を霞が関で聞きました。

「マイナ保険証」国家公務員の利用率約4%…使わない理由は?
国家公務員の「マイナ保険証」の利用率が4%あまりにとどまることが明らかになりました。

武見敬三 厚生労働大臣

「国家公務員もっと頑張らなきゃいけないな。これではまだ低すぎる」
「マイナ保険証」はマイナンバーカードを健康保険証として使うものです。政府は2024年12月に従来の健康保険証を原則廃止することを決めていて、厚労省は利用促進を訴えていました。

マイナ保険証の利用率は医療機関や薬局などが利用者の情報を確認する際に「マイナ保険証」を使ったか、「従来の保険証」を使ったかの割合です。

国家公務員とその家族が加入する共済組合では2023年11月、「マイナ保険証」を使ったのは4.36%でした。
 
省庁別では、厚労省が4.88%。最も高い総務省でも6.26%にとどまり、一番低い防衛省は2.5%です。

なぜ「マイナ保険証」を利用しないのか?霞が関で国家公務員に聞きました。

農水省職員

「(マイナ保険証の利用は?)していない。(登録は?)していない。マイナ保険証のメリットがあんまり…。そこまで調べていないのもあるけど、(従来の)保険証を出すだけで終わってしまうので、もうこれでいいのかな」

国家公務員

「使える設備が設置されている病院と、そうではない病院があるので面倒くさい。いつもの保険証を提出したら事足りるのが大きいかな」

厚労省職員

「国家公務員は職員証がマイナンバー(カード)になっていて、プライベートで財布の中に入れていない。あとは病院が嫌がるのもある。『ネット環境が悪いからちょっと、接続が悪いから嫌です』という病院もあるらしい」

厚労省は職員に対し、利用促進のメールを送ったということです。

小川彩佳キャスター:

国民全体の利用率も4.33%ということで、国家公務員の利用率とさほど変わらないということがわかりましたが、公務員の皆さんからも疑問視する声が聞かれました。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:

当然、私も使ってないですけど、国会議員の方に聞いたら利用率はもっと低いと思います。

何で結局みんな使わないかといったら、そもそも便利じゃないから。便利になってないデジタル化っていうのは失敗なわけです。

これを表してる数値が最近OECD(経済協力開発機構)から出ていて、デジタル政府指数っていうものがあるんですが、前回、日本は5位だったのが、今回、33か国中31位に大幅ダウンしてしまっている。

6つ指標があるうちの一つに、「ユーザードリブン」。つまり、使う人たちがどれだけデジタルで恩恵を受けてるか、フレンドリーかっていうものがあって、日本は低いんです。

それがまさにこの件で非常に象徴的だなというふうに思っていて、やっぱり単にデジタル庁を作ってマイナンバーを進めるだけでは、こういう指標はどんどん下がっていっちゃうよねという感じです。

小川キャスター:

利便性が感じられなければということですね。
 
 
【政界地獄耳】失敗認めなければ全てが無駄 低すぎる国家公務員の「マイナ保険証」利用率
 


★政策の失敗を認めないのも結構だが、そのための評価も甘ければすべては無駄になりかねない。総務省の21年度行政事業レビューによれば、マイナンバーカードは「21年度末までにほぼ全国民に行き渡ること」を目指し、マイナンバーカードの普及促進を図るものとあり、点検結果は「現状円滑なマイナンバーカードの普及促進が実施できている」という結論だ。
 
★既に2兆円を超す予算を消化したマイナンバーカードだが、24年度概算要求のマイナンバーカード予算は、マイナンバーカードの利便性・機能向上、円滑に取得できる環境整備、住民との接点(「フロントヤード」)の改革や自治体情報システムの標準化・共通化を通じた自治体DXの推進で624・2億円。昨年度は、「マイナンバーカードの円滑な交付体制の確保・利便性の向上・自治体マイナポイントの全国展開」の予算として763・2億円を要求している。この予算委員会の最中の6日、厚労相・武見敬三は嫌がらせのように「マイナ保険証」の国家公務員の利用率について発表。「低すぎる。もっと率先して使ってもらえるように働きかける必要性を認識した」と総務省の無駄遣いを皮肉るような発言をした。当の厚労省すら昨年11月の利用率は4・88%。国家公務員の利用率は4・36%。防衛省は最も低く2・50%だ。
 
★このレベルで予算計上する意味があるのか。国民の利用率ではない。公務員や厚労省すら使っていない。つまり普通の健康保険証で十分ということを証明しながら、普及・促進・広報の予算をかけることに誰もブレーキをかけない。こちらの方がやるべきことをやらない、1度決めたら止められない「国家の威信」という名の不作為ではないのか。自民党の裏金事件の質問で珍問答が6日の衆院予算委員会でも続いたが、裏金の定義で首相・岸田文雄と総務相・松本剛明はのらりくらりの答弁を繰り返した。マイナンバーカード普及の無駄遣いをただす議員はいないのか。(K)※敬称略
 
 

河野太郎デジタル相が「ポスト岸田」完全脱落…発信力&突破力とも不発で存在感ゼロに

 
 
 あの目立ちたがり屋が、なぜかおとなしい。河野太郎デジタル相のことだ。裏金事件に端を発する自民党4派閥の解散。ここぞとばかりに、改革派気取りで「政治資金パーティ-禁止」や「派閥解消」の旗を振りかざしそうなものだが、所属する麻生派の存続に固執する麻生副総裁に気を使ってか、何の発信もない。おかげで存在感ゼロだ。

 3、4日に行われたJNNの世論調査が政界で話題だ。内閣支持率が23.7%と過去最低を更新したことはもとより、「次の総理」の上位常連だった河野氏がトップ3から脱落したことが注目されている。

 1位は石破茂氏(18.4%)、2位は小泉進次郎氏(14.3%)、そして3位には上川陽子氏(9.5%)が初めて浮上。これまで小泉氏、石破氏とトップ3を独占して「小石河連合」と呼ばれてきた河野(8.1%)は4位に沈んだ。岸田首相は2.9%で7位だった。

■麻生発言も影響?
「麻生さんが上川大臣を『おばさん』『そんなに美しい方とは言わん』などと評したルッキズム丸出し発言が批判され、繰り返し報じられたことが、皮肉にも彼女の知名度アップに貢献したんじゃないか。河野が総裁候補にまつり上げられてきたのは国民人気があってこそ。傲慢な態度を快く思っていない政界関係者は少なくない。世論の支持を失い、一気に“ポスト岸田”から脱落ですよ」(自民党閣僚経験者)
 
「小石河」から「小石上」に

   国民の不安を無視して、河野氏がゴリ押ししたマイナンバーカードと健康保険証の一体化も、国民に不評でミソをつけた。

「マイナ保険証」の利用率は、昨年4月の6.3%をピークに下がり続け、昨年12月は4.29%まで落ち込んでいる。朝日新聞(4日付)によると、国家公務員に限っても昨年11月分の利用率は4.36%と低迷。最も低い防衛省は2.50%で、マイナ保険証を所管する厚労省でも4.88%に過ぎない。

 能登半島地震の際に河野が「避難する際はマイナカードも一緒に」と訴えたことも、SNSを中心に<被災地の実情を分かっていない><停電していたら使えない>と批判の嵐だった。

 売りだったはずの「発信力」も「突破力」も不発で、いよいよメッキが剥げたか。“ポスト岸田”は「小石河」から「小石上」にシフトしつつある。