西川のりお「僕がまず腑に落ちなかったのは…」 能登半島地震の直後に抱いた違和感明かす

 
 
 ベテラン漫才師の西川のりお(72)が1日、自身のYouTubeチャンネルを更新。能登半島地震の直後に抱いた「ある疑問」について打ち明けた。

 死者、行方不明者が合わせて200名を超えた能登半島地震から1カ月。被災者は今なお、現地で不自由な生活を強いられている。政府の対応について聞かれた西川は「僕がまず腑に落ちなかったのは…」と前置きして、馳浩石川県知事の行動に疑問を呈した。

 「(馳知事が)なぜか元旦、東京にいたんですよね。僕はやっぱり首長たる者はね、石川県で年を明けて、石川県の皆さん、おめでとうございます、というのが普通なのに、東京にいてたのが摩訶不思議でね、(知事が)首相官邸に来る姿がものすごい違和感があったんですよ」

 非常時には1分1秒を争う「公人」のスケジュールだけに、西川の舌鋒はより鋭くなる。「本当だったら石川県から出動して首相官邸へ行くのに、すぐ首相官邸に来てたでしょ。自分の地盤の一番大事なとこ、石川県を何のために空けたのかな、と。これ、危機管理に関係あることなんですよ」

 もちろん、地方の首長とはいえ、中央との連携は欠かせない。その立場を理解したうえで、西川は「彼の心は東京にあるのかな」と推察。「(彼に限らず)精神的に東京人の首長が一杯いてるんですよ。選んだ有権者はその地区にいてると思っているから(票を)入れたわけなのに…」と私見を述べていた。
 
 

松本人志は「引退すべき」…吉本興業の大物OBが明かす「見て見ぬふりをする」先輩芸人たち

 
 この人がいなくなったらダメになるということは絶対にない。スポーツの世界もそうでしょう。4番バッターが打てないのに、いつまでも居座っていたらチームは負けますよ
 
 
見て見ぬふりする先輩芸人たち
 いまだ収まる気配がない、「ダウンタウン」松本人志をめぐる一連の騒動。ここまで騒ぎが大きくなった要因としては、吉本興業の対応の拙さが指摘されている。迷走する古巣の現状に対し、吉本興業を全国区に押し上げ「ミスター吉本」と呼ばれたOBは何を思うのか。


松本に引退をすすめる理由、松本が“裸の王様”になってしまった背景にある吉本興業の構造的な問題について、同社常務をつとめた木村政雄氏が明かす。

 ――吉本興業の現経営トップ陣は松本さんの元マネジャーであり、対等に意見を交わせるのか不明なところもあります。ただし、それでも厳しく意見すべきだったということですよね。

 「もちろん。企業のトップですからね」

 ――吉本興業の歴史上、ここまで一人のタレントさんにモノが言えない体制は初めてですか。

 「そうしたことはなかったですね」

 ――松本さんより年上の芸人さんはいます。そうした大御所の方も言えないということでしょうか。

 「『見て見ぬふりをしている』ということですよね。そこで嫌われても(かまわない)という先輩がいなかったことは、ある種不幸なことだったかもしれませんよね。

 まぁ、(明石家)さんまくんはいるんですけどね。彼はマイペースですから。関わったりはしないんでしょうけど」

 ――松本さんに意見が言えない。これには会社の構造的な問題もありますか。

NSCができた弊害
 「『師匠と弟子』というパターンでしか、芸能界にデビューできなかった時代がありました。しかし、NSC(吉本総合芸能学院)というものができて、師匠というものがいなくなった。「面白かったら勝ち」みたいなことになり、意見する人もいない。この影響はあると思います」

 ――プライベートについて事務所側は注意しないのでしょうか。

 「破天荒なところが面白い。そこを殺してしまうと元も子もない。一般の社会常識に比べて、多少ゆるいところはあると思います。ただし、テレビに出ている以上、最低限のモラルは要求されますよね。それは仕方ない話です」

 ――相方の浜田(雅功)さんが言うべきでしたか。

 「どうなんでしょう。二人の『本当の仲』のことはよくわかりません」

 文春の第一報を受け、吉本興業は「当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するものです」と疑惑を全面否定していた。

 しかし、新たに「当社所属タレントらがかかわったとされる会合に参加された複数の女性が精神的苦痛を被っていたとされる旨の記事に接し、当社としては、真摯に対応すべき問題であると認識しております」とのコメントを発表。

 当初、吉本興業は松本と一蓮托生で文春側と戦うと思われていたが、ここにきて変化を見せている。

 ――吉本の対応が変わりました。

 「変わってきていますよね。いまはコンプライアンス委員会とかもあるんですよね。『このままではまずいよ』とかなり言われたのではないか」

 ――テレビ局の対応についてどう考えますか。本誌の取材に対し、NHKの稲葉延雄会長は「いまは人権が何よりも優先される。報道が出た時点で起用するのは難しい」と明言していました。

収録済みの番組を放送すべきではない
 「当然だと思います。まずは出演を取り消して、その間に謹慎なりするというのが本来の順序でしょうね」

 ――活動自粛といいながら、テレビでは収録済みの番組が放送されています。それに違和感を抱く視聴者もいるようです。

 「もちろんコストがかかるので大変ではありますが、放送自体もやめたほうがいいと思いますよ。新たに収録しなければいけないなどテレビ局側の事情もあるんでしょうが、放送するべきではなかったと思います。(視聴者は)違和感がありますよね。特にお笑いですから。笑えないですよね」

 ――社名の表示をやめる企業もありました。スポンサーの対応はどう見ていますか。

 「企業は自社の商品を愛してもらうためにCMを打っているわけですからね。そこに反社会的な事件を起こしたかもしれない人間が出たらまずいでしょう。企業イメージは悪くなりますからね」

 ――「芸能界をやめるべき」とのことですが、その理由について教えてください。

 「60歳だと枯れていくというか、本来説教しなきゃいけない立場ですよね。

 松本くんが(以前から)『やめる』と言っていたのも、潮時だと考えていたのかもしれません。60という年齢は定年ですもん。さんまくんみたいな人間もいますけど、年齢も関係あると思いますよ。

 紳助くんのときは、彼自身が悟った部分もあったのでしょう。松本くんにしても、このままやめたほうがイメージも保てると思います。

 時代の変化を自覚しとかないといけないですよ。やすしさんの時代とは違う。いまは『あいつ破天荒でおもろいな』とは言ってくれませんからね」

 ――裁判の結果がどうあれ、このまま引退すべきですか。

松本人志の代わりは必ず出てくる
 「次の世代を背負う若い人間が出てくると思います。そういうもんですよ、世の中は。ほかのタレントは、その地位を狙えるチャンスが出てきたと考えた方がいいんじゃないですか」

 ――松本さんの代わりになるのは誰だと思いますか。

 「わかりません。ただ、若い人にとってこれはチャンスです」

 ――もし木村さんが現在の経営トップであれば、「松本さんを守ろう」ではなく、新しい体制作りを目指しますか。

 「次に向かったほうがいいと思います。新しい松本くんになるような中心バッターを育てなければいけないじゃないですかね。そういうもんですよ、世の中は。

 この人がいなくなったらダメになるということは絶対にない。スポーツの世界もそうでしょう。4番バッターが打てないのに、いつまでも居座っていたらチームは負けますよ」
 
 
 

「松本くん、このままやめなさい」…吉本興業の大物OBが松本人志に「引退勧告」

 
「まだそんなことやっているんか」
 2023年末から続く、「ダウンタウン」松本人志をめぐる一連の騒動。

 松本は5億5000万円の損害賠償を求めて「週刊文春」側を提訴したが、文春側も被害女性による新たな告白記事を続けるなど、騒動はいまだ収まる気配がない。
 
 ここまで騒ぎが大きくなった要因として吉本興業の対応の拙さが指摘されているが、迷走する古巣の現状に対し、吉本興業を全国区に押し上げ「ミスター吉本」と呼ばれたOBは何を思うのか。

 横山やすし・西川きよしのマネジャーを長く務めた後、ゼロから東京事務所を立ち上げ、部下だった大崎洋氏(吉本興業前会長)とともに漫才ブームを支えた元吉本興業常務の木村政雄氏に話を聞いた。

 ――松本人志さんによる性加害疑惑をめぐる騒動をどう受け止めていますか。

 「まだそんなことをやっているんか。これが率直な思いです。松本くんも自分の社会的なステータス、影響力みたいなものを考えないといけなかったんじゃないですかね。

 一方で、それを正す人間が社内なり周囲にいなかった。松本くんにとっては、これが不幸なことだったかもしれません。

 昔の芸人さんもよく遊びましたが、もっときれいに遊んでいました。素人の子にどうのこうのなんてね。昔はあまりなかったと思います」

 ――吉本興業の後手後手の対応が目立ちました。古巣の対応をどう評価していますか。

「事実無根」とした初動は軽率だった
 「難しい判断だったとは思います。ただ、最初の対応で『事実無根』というコメントを出してしまったのは軽率だったと思います。

 昔であれば、『しょせんお笑いですがな』というところもありました。芸能界の中でもヒエラルキーがあり、当時は役者さんなどに比べると、お笑いの地位は低かった。

 しかし、会社の規模としてはどうかわかりませんが、僕がいたときよりも会社の知名度やステータスは上がっており、世間への浸透度も高くなっています。当然、企業としては社会的な責任みたいなことを感じないといけないですね」

 ――報道の真偽は別として、被害を訴えている女性がいるという報道が出た時点で、会社としてしかるべき対応をすべきだったということですか。

 「そりゃそうですよ。昔はそうしたマスコミもなかったし、お笑い界なんていうのは芸能界の端っこでした。それでも社会的な責任があるということは、いまも昔も変わりません」

 木村氏は故・横山やすしに「契約解除」を通告した経験がある。やすしは度重なる不祥事による謹慎が明けた直後にもかかわらず、飲酒運転で人身事故を起こしてしまった。

 契約解除自体は当時の上層部が決めたが、やすし本人に伝える難しい役目は、自ら名乗り出た木村氏が行った。

 ――不祥事で横山やすしさんが解雇されたときは当事者でしたね。
 
会社が優先すべきはタレントではない
 「横山やすしさんの件では、当事者として関わりました。いくら愛すべきキャラクターだったとはいえ、あれだけの問題を起こしたらね。苦渋の決断ではありましたが、会社としては契約解除という決断をするしかなかった。

 そうした選択をするとき、会社が優先すべきことはタレントを守ることではない。それはそうです。お客様あってのものです。

 僕個人として複雑な思いもありました。謹慎期間中は、『絶対に復帰できるから頑張りましょう』と元気づけていました。やすしさんは年上でしたが、その期間に深く話をする機会があり、関係も深まったと思います。それでも決断しなければいけなかった」

 ――騒動の発生当初、松本さんが『ワイドナショー』(フジテレビ)への出演を宣言したこともありました。報道が出た時点で、活動を自粛するべきだったと思いますか。

 「絶対にそうですね」

 ――現在の経営陣をどう評価していますか。

 「僕と彼らでは世代も違いますからね。僕はやすきよさん、(桂)三枝さん(現:文枝)、(明石家)さんまくん、(島田)紳助くんまで。

 いまの(吉本興業社長の)岡本(昭彦)くんにしても、(吉本興業副社長の)藤原(寛)くんにしても、(ダウンタウンの)元マネジャーですよね。マネジャーとはいえ、意見を交わして対等に話していたわけではない。完全に付き人化していたわけでしょ。

 同じ元マネジャーでも大崎くんの場合、彼が自分で(ダウンタウンを)発見して力を入れたということがありましたが、その後の彼らは違います。社長の岡本くんだって、松本くんからすれば『岡本! 』っていう感じでしょ。その辺はあるでしょう」

やすし、紳助も身を引いた
 ――OBとして現経営陣にアドバイスしたいことはありますか。

 「いやいや」

 ――本誌の取材に対し、大崎さんは「忙しいときにOBから『どうだ? 』と電話されるのも嫌でしょう」と話していました。実際にはわかりませんが。

 「そうでしょうね。連絡は取っていると思います。一番長くマネジャーをやった人間ですからね。

 ただし、客観的に見て、松本くんの年齢は60歳でしょう。それはやめたほうがいいと思いますね」

 ――芸能界を、ですか。

 「はい。芸能界をやめたほうがいい。やることはやったんだし、もういいじゃないですか。

 たとえば紳助くんがやめましたよね。もっと前では、やすしさんもやめた。そういうもんでしょう」

 今回の騒動が起こる前に、そもそも松本の暴走を止める人間はいなかったのか? 相方・浜田雅功との「本当の仲」はどうだったのか?