「全額残っているから裏金じゃない」キックバック正当化する岸田首相に「どんな理屈や?」一億総ツッコミ

 
末期状態だ!
岸田文雄がなぜ退陣しないのか。退陣せよと追い込むジャーナリズムが、この10年ほどの日本にはないからですよね。

全員合わせれば一体何億円になるのかという違法な裏金を自民党が党ぐるみでこしらえていた事実が発覚しても、自民党総裁としての岸田の責任を全然追及しない。
 
 
「国民の信頼を損ねる大変深刻な事態を招いていることについて、自民党総裁として心よりお詫び申し上げます」

1月29日の衆院予算委員会で、岸田文雄首相は自民党国会議員が政治資金パーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載していなかったことについて陳謝した。

「党の政治資金問題について答弁できる閣僚は、総裁である岸田首相だけと言われています。他の閣僚は党務から離れているからです。
そのため質問は必然的に岸田首相に集中します。今後も首相が『火だるま』になることは間違いありません。

この問題では野党の足並みが揃っていて、自民党所属の全国会議員への調査、立件が見送られた安倍派幹部6人の参考人招致などを求めています」(政治担当記者)

また、岸田首相は同委員会で「安倍派(清和政策研究会)で30人以上、二階派(志帥会)で7人が政治資金収支報告書の訂正をしたことも明らかにしている。

「答弁のなかで岸田首相は、会長を務めた岸田派(宏池政策研究会)の不記載だった3年ぶん3059万円についても触れました。首相は『すべてが銀行口座に残されており、流用されたとか、裏金になったとかいうことではないと認識しております』と強調しました」(同)

しかし、この「使っていないんだから裏金ではない」という、キックバックを正当化するような答弁に、ニュースサイトのコメント欄は、

《銀行口座に残っているから裏金ではないという理屈はおかしい。収支報告書不記載で口座に入金されたまま金が残っている状態であることが、裏金そのもの》

《口座だろうが、金庫だろうが、引き出しだろうが同じ 要するに裏金を作ったわけで、会計責任者の数年のミスで3059万円も残すなどありえない》

《どんな理屈や?一般国民が「脱税」して「口座に残ってますよ」・・・で済まされるのか?》

など、「永田町の屁理屈」への疑問と怒りが、“一億総ツッコミ” 状態となっていた。

通常国会の会期は150日。野党の攻め手は、これからもっと激しくなるが、29日の答弁を聞いた自民党関係者はこう指摘する。

「岸田首相は何度か言葉につまりました。原稿の棒読みが国民から批判されていることもあり、『なるべく原稿を読まず自分の言葉で』ということなのでしょうが、『ん~っと』みたいな言葉が頻繁に出てしまっており、かえって『行きづまり感』が出てしまっています」

真相解明に期待したいが、はたして――。
 
 

岸田首相「裏金国会」モゴモゴ答弁…《自民党は反省していない》と国民は怒り心頭

 
「国民の信頼を損ねる大変深刻な事態を招いていることについて、心よりおわびを申し上げる」

 岸田文雄首相(66)と関係閣僚が出席し、29日に開かれた「政治とカネ」の問題に関する集中審議。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、岸田首相は冒頭、こう陳謝。政治資金に絡む問題が起きた場合、会計責任者だけでなく議員本人も連帯責任を負う連座制の導入について、「厳正な責任体制を確立する観点から党として考え方をまとめ、各党ともしっかり議論していきたい」と語った。
 
 与党議員の質問に対し、こう声を張り上げていた岸田首相だったが、質問が野党議員の順番に変わった途端、答弁がしどろもどろに。
 
 立憲民主党の大西健介議員(52)は岸田派(宏池会)の元会計責任者の略式起訴を受け、会長を務めた首相の責任を追及。「総理自身が説明責任果たすべきではないのか」「宏池会を解散するとしても派閥の財産が残っている。これはどうするのか」と迫ると、岸田首相は「派閥解散」は明言したものの、財産については「具体的な手続きは決まっていない。適切に処理したい」とモゴモゴ。大西議員が「適切に処理するとは、国庫に返納するということでよいか」と再度問うと、岸田首相は「まだ決まっていない」と繰り返すばかりだった。

■誰がいくら裏金をもらい、何に使ったのか。何人がかかわったのかは今も謎

 さらに大西議員が裏金問題について、「誰がいくら裏金をもらい、何に使ったのか。何人がかかわったのか」「全容把握すべきでは」と迫ったのに対し、岸田首相は「(党内で)聞き取りすべく準備している」「不確定な要素があるのでいつまでとは言えない」とノラリクラリ。真正面から答えようとしなかった。

 こうした岸田首相の姿勢にSNS上では怒りの投稿が続出。
 
《岸田首相の答弁は不誠実。まったくやる気がない》《自民党は裏金事件を反省していないことが分かった》《そもそも政治刷新本部の中間取りまとめをする前に全容把握するべきじゃないのか》

 もはや自民党に裏金事件について自浄作用を求めるのは無理ではないのか。強い権限を持った第三者委員会で調査するしかない。

 

安倍派5人衆の政治責任は塩谷座長を“生贄”で幕引きか…森元首相の介入で茂木幹事長が腰砕け

 
 
 アノ人の登場で、安倍派幹部に対する処分がグダグダになってきた。「自発的な離党や議員辞職を求める」としていたはずの自民党執行部の勢いが急速にしぼみ、“お飾り”座長の塩谷立・元文科相ひとりを“生贄”にしてシャンシャン。安倍派の大ボス・森元首相がシャシャリ出てきて、そんなシナリオが画策されているという。安倍派の実権を握ってきた「5人衆」が不問なんて、どう考えてもおかしい。揃って議員辞職しなけりゃ、世論は納得しない。
 
 ◇  ◇  ◇

 安倍派幹部「5人衆」は、西村康稔・前経産相、萩生田光一・前党政調会長、高木毅・前党国対委員長、松野博一・前官房長官、世耕弘成・前党参院幹事長。安倍派は約6億円もの裏金づくりで立件されながら、幹部はいずれも責任逃れに終始している。27日も現事務総長の高木氏が地元・福井県で記者会見し、「国対委員長という重い役職を辞めたのは一つの政治責任の取り方」とヌカして、離党や議員辞職を否定した。

 党の役職辞任なんて自民党というコップの中での話であり、国民に対して政治責任を取ったことには全くならないのだが、5人衆が強気なのは、親分の森元首相が5人衆を強力に擁護し、茂木幹事長が腰砕けになっているからだ。

「自民党執行部が安倍派幹部に自発的な離党や議員辞職を求めたことに激怒した森元首相は、25日に麻生副総裁を訪ねただけでなく、茂木幹事長にも会った。どうやら今回の処分方針は茂木さんの独断で、岸田首相は処分に慎重だという。で、形勢が悪くなった茂木さんは、森さんに平謝りだったそうです」(自民党関係者)

 森元首相は26日には塩谷氏とも会談。そこで「今後のこともあるので5人衆を何とか助けてやってくれないか」と切り出したという。要するに森元首相は、「座長の君が離党なり議員辞職なりすれば5人を守れる」と言いたいわけで、塩谷氏に犠牲になれということだ。これに歩調を合わせるように、5人衆も塩谷氏にすべての責任をかぶせようと画策して蠢き出した。

 こうなると、ひとり“生贄”に差し出される形の塩谷氏もさすがに反発。28日地元・静岡県で会見し、「誰かが辞めて幕引きするような状況ではない」と、議員辞職や離党を否定した。
 
 
「5人衆」こそが議員辞職がスジ
 
「塩谷さんは、森さんの反対で会長にしてもらえなかったお飾り座長。安倍派の実権を握っていたのは5人衆です。塩谷さんひとりが辞任したって世論は納得しない。安倍派内でも中堅・若手は5人衆に対して怒っていて、『5人衆が責任を取るべし』と突き上げています」(安倍派関係者)

 今月26~28日に実施された日経新聞の世論調査では、「安倍派の幹部に離党勧告などの処分をすべき」が71%に上った。一般世論にとって安倍派幹部イコール5人衆だろう。

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。

「安倍元首相の死去後、5人衆の集団指導体制だったのですから、まず責任を取るべきは5人衆でしょう。党の役職辞任では責任を取ったことにならない。離党は当然のこと、揃って議員辞職すべきです。派閥の会計責任者を人柱にして刑事責任を問われず、さらに政治責任でも人柱を立てて逃げるのか。国会の議場でヘラヘラ笑って勝利宣言なんて許せません。5人衆こそ何らかの制裁を受けなければおかしい」

 このままグダグダで幕引きなんてあり得ない。
 
 

「自民党への怒りと失望が深くても、野党が民意を得られぬ理由」東浩紀

 
何を持って「野党が民意を得られぬ」というのか?自民・維新を贔屓目に観ている東には偏見でものを言う「三浦瑠璃」の男性版である。汚いなあ~東は!
 
 
 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。

*  *  *

 自民党の支持率が急落している。時事通信の1月の世論調査では14.6%。これは野党時代を除き、1960年の調査開始以来最低の数字だ。

 裏金問題が響いている。問題は会計責任者らの起訴で幕引きとなった。国民の怒りと失望は深い。こうなると本来なら政権交代が見えてくる。しかしそうなっていない。野党に支持がないからだ。

 21日投開票の東京都八王子市長選では、自公推薦の候補が接戦を制した。八王子は裏金疑惑の中心である萩生田光一前政調会長の地元だ。結果的に禊となった。開票翌日、同氏は記者会見を行った。3千万円近い裏金が事務所の引き出しにしまってあったが、深く考えていなかったという。信じがたい言い訳だが、これが通用するのが今の日本の政治だ。

 野党が支持されない理由は明らかだ。維新は万博のゴリ押しで民意が離れている。能登半島地震後の幹部の発言でさらに信用を失った。しかしより深刻なのは左派だ。

 共産党は18日の党大会で田村智子新委員長を選出した。23年ぶりの党首交代でイメージ刷新を図ったが、同氏は同じ大会で、党見解と意見を異にする出席者の発言を厳しく糾弾し、早速物議を醸している。動画を見たが、時代がかった言い回しに首を傾げた。

 他方でれいわは17日に能登半島地震復興に関する「れいわビジョン」をまとめたが、全国のフェリーやキャンピングカーを借り上げ避難所にするという非現実的な提案に非難が集まっている。これでは党首の被災地入りも逆効果だ。

 今の野党第1党は立民で、次回総選挙でも左派連合に期待する声がある。しかし左派に勢いがあるのはSNSの一部においてだけだ。左派支持者の声は大きい。それは政権批判の局面では有効かもしれない。けれども政権を獲得するためには、穏当で常識的な生活者の支持を集める必要がある。立民はその現実を冷静に見つめるべきだ。

 政治は腐敗しきっている。打破するには政権交代の緊張感しかない。SNSの支持を背景に威勢のいい極論ばかり言う野党を集めても、緊張感は戻ってこない。

◎東浩紀(あずま・ひろき)/1971年、東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン取締役。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年に批評家としてデビュー、東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任のうえ現職。著書に『動物化するポストモダン』『一般意志2・0』『観光客の哲学』など多数

※AERA 2024年2月5日号