国民を愚弄していると言うことをこの場になっても理解できないというお粗末さ…。それでも人間かあんたら!
裏金問題に揺れる安倍派5人衆はというと、みんな笑顔。
有権者は「見てるぞ」とアピールを忘れちゃいけないと思う。投票ですよね。もちろん投票して終わりではなくて、投票した人がどういう言動をするのか、公約はどうなるかという見守りが、選挙の翌日から始まります。政治家を育てていかなくちゃいけない。「この人はちょっと違うな」と思ったら、次は違う人に投票すればいい。投票って、過去の自分との答え合わせだと思うんです。4年前の自分はこう考えたけど、今は違うなとか。日記帳代わりに、投票所に行ったらどうですか。
1月26日に開幕した通常国会。その初日に裏金問題で在宅起訴された議員は、腰を直角に曲げて同僚議員に頭を下げ続けていた。
そして、裏金問題に揺れる安倍派5人衆はというと、みんな笑顔。国会は、政治と金の問題で冒頭から異例ずくめのスタートとなった。
頭を下げて机にぶつける安倍派議員
1月26日に開幕した通常国会。その初日にカメラのフラッシュを浴びたのは、5000万円を超える裏金で、東京地検特捜部から在宅起訴された安倍派の大野泰正議員。
腰を直角に曲げ、同僚議員に頭を下げ続けていた。
深く下げ過ぎるあまりに机に額をぶつけてしまい、苦笑いする場面もあった。
自民党の会合に姿を現したのは、安倍派の宮沢博行前防衛副大臣。裏金について、告白した宮沢議員は先週末、地元静岡県浜松市で「大寒みそぎ」に参加した。
26日の会合では、同僚議員にみそぎの話を振られ笑みを浮かべていた。
同じ会合で、幹部に何度も頭を下げていたのは、高木毅前国対委員長。
1019万円の裏金問題で役職から外れた高木氏は、「どの辺に座ればいいかな」と“指定席”がなくなったことで、座る場所に困っていた。
岸田首相:
政治と金の問題を通じて、国民は、我々自民党に厳しい目を注いでいます。
緊張感が漂う一方、岸田総理、麻生副総裁、茂木幹事長の自民党トップ3が話す場面では、笑顔を見せていた。
迎えた衆議院の本会議。和服姿の議員に岸田総理は…。
岸田首相:
おしゃれですね。今年もよろしくお願いします。
政治と金の問題で、冒頭から異例ずくめのスタートとなった国会では、安倍派の委員長が一斉に交代。安倍派の議員に代わり、小泉進次郎元環境大臣が安全保障委員長に就任した。
安倍派5人衆に“身内”から離党求める声
26日から150日間の日程で始まった通常国会。
衆議院の本会議が始まる直前、自民党の政治刷新本部で最高顧問を務める麻生副総裁と菅元総理の2人が、笑顔で会話を交わしていた。
満面の笑みを浮かべながら、何を話していたのだろうか。
その会話に入ってきたのは、2728万円のキックバックを報告書に記載せず、“裏金”で批判されている萩生田前政調会長。麻生氏から手を握られる場面もあった。
裏金に揺れる安倍派5人衆。26日の表情を見てみると、100万円の西村前大臣も、1019万円の高木前国対委員長も、1542万円の世耕前参院幹事長も、そして1051万円の松野前官房長官も、みんな笑顔だった。
党内から離党を求める声が上がる中、安倍派5人衆のけじめの取り方とは…今後に注目だ。
(「イット!」1月26日放送より)
プチ鹿島、裏金問題「他の国なら政権交代」 自民党の自浄作用に期待するしかない絶望感
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裏金が何に使われていたんでしょう。自分の地位を上げるために、選挙で勝つために使われていたとしたら、選挙、もっと言うと民主主義から一番遠いことをしていたのかなと思います。
アベノミクスという政策が、大企業に利益をもたらし、利益のお礼のために大企業はパーティー券を買っていたんじゃないでしょうか。昨年のAERA12月25日号で、星浩さんがそう書いていて、なるほどと思いました。
政治家って「公の人」ですよね。自分から手を挙げて公人になった人じゃないですか。聞かれたことに答えなくちゃいけないと思うし、どんな活動にいくら使ったか1円でも公開するのが当たり前だと思うんですよね。
「政治に金がかかる」と言う人もいるけど、「いや、かかるなら、どれぐらいかかったかも見せてほしい」なんですよ。「この政治家はこれぐらいお金がかかるけど活動的。しょうがない、この人は仕事ができるから一票を入れる」と思うかもしれないし、「この人はお金がかからないけど、全然活動してない」「お金をかけているけど、活動的じゃない」と、いろんな判断ができると思うんですよね。
皮肉を言うと、今回の裏金問題は、他の国ではここまで深刻にはならなかった気がします。というのは、他国は政権交代があるからです。今の日本は、よほどじゃないと政権交代が起きないであろう、自民党の自浄作用に期待するしかない、そういう絶望感があると思うんですよね。ただ、政権交代すればいいのではなくて、政権交代するかもしれない緊張感が、与党にも野党にもあれば、こんなことは起きないんじゃないでしょうか。
1988年にリクルート事件があった頃、10代の僕は、野次馬としてニュースを見ていました。政治改革が始まって、政治改革大綱ができて、派閥を解消することになりました。
でも、政治改革が、選挙制度改革になっていった気がするんですよね。討論番組で「中選挙区制から小選挙区制に変えないとダメだ」と熱弁をふるう人はいたし、選挙制度は変わったけど、それだけになっちゃった。それで、わかったのは、改革が進んだとしても、30年たてば忘れるってことです。うやむやになってしまうんです。
だから、有権者は「見てるぞ」とアピールを忘れちゃいけないと思う。投票ですよね。もちろん投票して終わりではなくて、投票した人がどういう言動をするのか、公約はどうなるかという見守りが、選挙の翌日から始まります。政治家を育てていかなくちゃいけない。「この人はちょっと違うな」と思ったら、次は違う人に投票すればいい。投票って、過去の自分との答え合わせだと思うんです。4年前の自分はこう考えたけど、今は違うなとか。日記帳代わりに、投票所に行ったらどうですか。
22年の安倍派のパーティーで、森さんが派閥の人数について「あと何人で100人になるぞ、なんてやってたときが一番危ない」とスピーチしていたんです。安倍晋太郎さんが亡くなった後、跡目争いで分裂したのを、森さんは知ってるんですよ。長く続くと、闇が出て、それが終わるのは歴史の必然なのでしょうが、勝手にこけるのを、国民は待つだけなのでしょうか。どうしたら緊張感のある状況を作れるのか考えたいと思います。
(構成/編集部・井上有紀子)
※AERA 2024年1月29日号