「ウチら困ってんねん@京都」の蒔田直子さんは、「阪神・淡路大震災の時、京都まで逃れてきた人が凍える体育館で亡くなった。29年たっても避難所は変わっていない」と話しました。

 

任期満了に伴う京都市長選挙が1月21日告示、2月4日投開票の日程で実施されています。今回の京都市長選挙には届け出順に、共産党が支援する無所属の福山和人(ふくやま・かずひと)氏(62)、無所属の村山祥栄(むらやま・しょうえい)氏(45)、無所属の二之湯真士(にのゆ・しんじ)氏(44)、自民党・立憲民主党・公明党・国民民主党が推薦する無所属の松井孝治(まつい・こうじ)氏(63)、平安保守党の高家悠(こうけ・ゆう)氏(35)の新人5名が立候補しました。本記事では無所属新人の福山和人氏についてご紹介します。

 

 

京都市伏見区出身、立命館大学卒業。弁護士として活動し、現在は労働弁護団幹事、自由法曹団常任幹事を務める
福山氏は1961年京都市伏見区生まれ、立命館大学法学部卒業。

2001年に弁護士登録、2015年度に京都弁護士会副会長を歴任しました。弁護士としてはジヤトコ偽装請負解雇・雇止め事件、関西建設アスベスト京都訴訟、大飯原発運転差止訴訟などを担当、現在は労働弁護団幹事、自由法曹団常任幹事を務めています。これまで2018年の京都府知事選挙、2020年の京都市長選挙に挑戦しました。

福山氏が掲げる政策とは
福山氏は自らのホームページにおいて以下の施策を公表しています。

重点政策1 くらしの再生

【子育て・若者応援】

①子どもの医療費の18歳まで無償化

②学校調理(自校又は親子)方式の全員制中学校給食実施とまず半額無償化

③第2子以降の保育料無償化

ひとり親家庭の0~2歳児の保育料は一人目から無償化

④18歳まで国保料の均等割無償化

⑤給付型奨学金の創設。卒業後一定期間、京都市で就労又は居住した場合の返済免除、奨学金返済の支援

⑥民間保育園への補助カットの撤回

⑦学童保育料値上げの見直し

⑧多様な不登校対策

・小中全学年での30人学級の実現、小中学校への校内フリースクール開設、教員及び専門家の増員などにより、子どもも教員もいきいきできる学校へ。

・民間フリースクールに通う児童生徒への支援、ホームスクーリングへの支援など、不登校児童・生徒に多様な学びの場を保障

⑨不合理な校則の見直しに向けて教育委員会と協議を行う

⑩子どもたちが安心して遊べる公園や施設を増やす

⑪市営住宅・改良住宅約2万3千戸のうち約6千戸の空き家を活用するとともに、約11万戸超の市内の民間空き家のリフォームを助成し、子育て世代・学生・若者の優先入居を進める。

⑫地下鉄の学生定期割引率アップ

【高齢者応援】

①敬老乗車証値上げの見直し

②補聴器購入助成の創設

重点政策2 経済の再生

①地元の中小企業に仕事とお金を回す

・市営住宅・改良住宅のリフォーム

・地元業者への発注を条件とする空き家改修助成制度・住宅リフォーム助成制度、ゼロカーボン助成制度の創設

・防災インフラ(道路・橋・河川・学校等)の整備と危険箇所の工事

・地元業者への発注を条件とする伝統文化財保全の助成金制度を創設

②公契約条例に賃金条項を設けて、市の発注事業で働く労働者に対しては市の責任で時給1500円又は設計労務単価の90%を保障する。

重点政策3 まちの再生

【観光公害対策】

①ホテルの誘致政策は見直し、総量規制を行う。

②市バスの観光路線と生活路線の分離

③宿泊税の税率アップなど観光客に対して応分の負担を求める

【まちづくり・防災政策】

①新景観政策の見直しの再検討

②北陸新幹線延伸の現行計画は白紙撤回を含む抜本的な見直しを求める

③コミュニティバスやデマンド型交通、タクシー事業者との連携等による交通空白・困難地域の解消

④学校跡地や市営住宅などの公共財産は安易に売却等せず、住民参加の下に、住民の文化活動や自治活動等のために利活用する。

⑤LRTなどの開通、老朽住宅のリノベーション、商店等の生活インフラ整備、芸大跡地の活用等による洛西地域の再生

⑥気候市民会議創設、再エネ・省エネの拡大、官民におけるゼロエネルギー住宅やゼロエネルギービルの標準化等による気候危機対策の強化

⑦再エネによる地域新電力や市民共同発電所などを積極的に推進し、電気の地産地消によって京都市民が関西電力に支払っている電気料金年約1300億円の電気料金の市外流出を防ぎ、地域内循環による地域経済活性化を図る。

【多様性あふれるまちづくり】

①LGBTQ+支援策、ファミリーシップ条例の制定

②女性副市長の登用。管理職、審議会委員等への女性の登用率を高める。

③ヘイトスピーチ規制条例の制定

重点政策4 自治の再生

①市の財政再建を市民本位で進める

・大型公共事業は、必要性、弊害の有無、住民合意等の観点から精査

・観光関連の新たな財源確保

・地域経済活性化による増収

②ボトムアップによる自治の再生(地域自治区制度導入、まちづくり協議会等の支援)

③区役所の再生(保健所機能復活、子どもはぐくみ室の体制充実による子どもに関するワンストップ相談窓口の整備など)

④公共の役割の再生(PFI等による公務の民営化や非正規化、業務統合のあり方については、あるべき公共的責任の観点から検証する。)

⑤市長室を1階に設け、市民の声が届く開かれた市長室にする。

⑥市長退職金の返上

 

 

京都市長選

避難所・民間保育園・保健所…

福山候補に願い次々

 
 
 2月4日投開票の京都市長選で福山和人候補を押し上げ「一緒に願い実現」「現場の痛み分かる市長を」と、24日の左京区の演説会で市民が次々と市政転換の願いを語りました。日本共産党の穀田恵二衆院議員も必勝を訴えました。
 
穀田氏必勝訴え
 「小学校のような中学校給食をめざす会」の清原正人さんは、「大規模給食工場=センター方式は、1カ所にパートを集めてつくるので人件費・運営費は安いというが、巨額の建設費は万博と同じく倍になるのでは」と懸念。

 「ウチら困ってんねん@京都」の蒔田直子さんは、「阪神・淡路大震災の時、京都まで逃れてきた人が凍える体育館で亡くなった。29年たっても避難所は変わっていない」と話しました。

 京都保育団体連絡会会長の藤井伸生さんは「民間保育園の補助金が13億円削られ、園理事の私は、昇給幅を減らした給与表をつくった。福山さんを市長にすれば、この給与表は使わなくて済む」と訴えました。

 京都民医連あすかい病院院長の中川裕美子さんは「今の市政は各行政区にあった保健所を1カ所に減らし、コロナの時に入院や在宅療養の司令塔になるべき保健所が逼迫(ひっぱく)。市民の命が危険にさらされたことを絶対忘れない」と話しました。

 福山氏は「市民の声でつくる政治を京都で実現し、全国に広げよう」と訴えました。