池田容疑者の立件額である「4,800万円」が特捜部の線引きになっている模様だが、3,000万円や2,000万円の裏金を収支報告書の訂正だけで逃がすとしたら言語道断だ。安倍晋三元首相は消費税を10%にアップさせ、インボイス制度の導入を決定するなど国民に税負担を強要してきた。一方で、安倍派は裏金をたんまり貯め込んで、税金は払っていない。こんな理不尽を許してはいけない。

 


今月26日に予定されている通常国会の開幕を前に、自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー裏金事件が風雲急を告げている。

13日、東京地検特捜部が安倍派5人衆を含む幹部の政治資金規正法違反での立件を断念するとのニュースをNHKが配信。「検察に強い」とされる読売新聞も同様の報道を行った。

“巨悪を眠らせるな!”と怒る国民からの期待を集めた特捜部の捜査は、高額の裏金を受け取った池田佳隆容疑者と大野泰正参議院議員、谷川弥一衆議院議員の3人だけで終わる見通しだという。事実なら、まさに「大山鳴動してネズミ一匹」。立憲民主党の議員のコメントは、間違いではあるまい。しかし、本当にこれで終わりなのだろうか?

◇   ◇   ◇

裏金事件の捜査ルートは二つある。一つは、安倍派による政治資金収支報告書の不記載問題。この点については、会計責任者と安倍派幹部の共謀を立証する証拠がないとして、事務総長家に経験者を含む5人衆全員が不起訴になる見通しだ。

だが、逮捕されている池田容疑者への容疑は、自身の政治団体「池田黎明会」への約4,800万円の不記載による政治資金規正法違反。濃厚となっている大野氏、谷川氏の容疑も、両人自身の政治団体への不記載もしくは虚偽記入によるものだ。

安倍派幹部は、5人衆である萩生田光一前政調会長、松野博一前官房長官、西村康稔前経産相、世耕弘成前参院幹事長、高木毅前国対委員長と事務総長経験者の下村博文元文科相、塩谷立安倍派座長の7人。実は、それぞれの政治団体の不記載、虚偽記入での立件可能性はまだ残されえているということになる。

これまでの報道によれば、松野氏、世耕氏、高木氏は1,000万円を超すキックバックがあり、いずれも不記載とみられている。下村氏は安倍派のパーティー券を売りながら派閥に入金も申告しない「パクり」が500万円以上あったという。捜査関係者からは次のような声が聞こえてくる。
「世間は安倍派への捜査が終わったとばかりに報道を見て大騒ぎだ。確かに、派閥ぐるみという形で、清和政策研究会の幹部を立件するのは難しいが、それぞれの議員の政治団体については捜査は継続している」

今も捜査対象となっているのは、世耕氏、高木氏そして西村氏の3人という情報もある。西村氏はキックバックが数十万円とされ、「パクり」が高額だったという記事もない。しかし、同氏を支援してきたある人物が、怒りを露わにこう話す。
「西村は『派閥のパーティー券を買って』と現金や振り込みによるカネ集めをしていた。それを派閥には渡していなかったということだろう。これまでに、検察から問い合わせや確認を受けた支持者もいます。普段はええ恰好ばっかしているが、とてもカネに汚いことがわかった。派閥のパーティー券を買っているのに、ポケットに入れている――。詐欺ですよ。支援者を欺く酷い話だ。特捜部には、西村の責任を厳しく問うてほしい」

本サイトで報じたように(既報)、高木氏と森喜朗元首相とのグレーなカネのやり取りも噂されている。また、萩生田氏への疑義も残っている。

「萩生田さんは、政治資金に関する資料をすべて特捜部に提出している。『何もないので安泰』と同氏の周辺から声があがっているが、本当にそうなのか?萩生田さんの関係者が、旧統一教会とのことを特捜部に聞かれたという情報がある。萩生田氏の子分の一人が池田(容疑者)であることは周知の通りで、池田の裁判で萩生田さんが旧統一教会から資金提供などを受けていたなどと明かされでもしたら、捕まらないにしてもアウトだろう」(安倍派の衆議院議員)

安倍派幹部の「立件断念」はSNS上でも大きな波紋を呼んでいる。【#検察は巨悪を眠らせるな #検察仕事しろ】というポストが相次ぎ、前明石市長で弁護士の泉房穂氏の《『安倍派幹部立件見送り検討に“私見”「立証困難なら、なおさら捜査を続けるべきだ」』との見出しで、“私見”という表現が使われているが、これは“私だけの意見”ではなく、“国民の多くの意見”だと思う》の書き込みには、7万以上の「いいね」が付く状況となっている。

池田容疑者の立件額である「4,800万円」が特捜部の線引きになっている模様だが、3,000万円や2,000万円の裏金を収支報告書の訂正だけで逃がすとしたら言語道断だ。安倍晋三元首相は消費税を10%にアップさせ、インボイス制度の導入を決定するなど国民に税負担を強要してきた。一方で、安倍派は裏金をたんまり貯め込んで、税金は払っていない。こんな理不尽を許してはいけない。

 

 

政治刷新本部、有識者7人呼んだのに…自民側の出席者は役員38人中10人だけ 中堅・若手は呼ばれず

 
 
 自民党は17日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を踏まえた今後の対応策を検討する「政治刷新本部」の第3回会合を党本部で開き、有識者7人から意見を聴いた。政治資金規正法改正や派閥の在り方を巡り、外部の考え方を知る重要な機会だったが、自民側の出席者は岸田文雄首相(党総裁)ら党幹部で刷新本部の役員も務める10人にとどまった。
 
 党所属国会議員の意見表明が中心だった16日の第2回会合は約150人が参加したが、17日に出席したのは首相のほか、党四役の茂木敏充幹事長や森山裕総務会長らに限られた。刷新本部の役員38人のうち、最高顧問の麻生太郎副総裁と菅義偉前首相のほか、中堅、若手の役員28人は呼ばれなかった。
 
 事務局長の小倉将信前こども政策担当相は会合後、参加者を限定した理由について「今回はディスカッション(議論)する場ではないので、こちら側も少人数で対応した」と記者団に説明。「有識者の意見はしっかり党内で共有したい」と述べた。
 
 会合は冒頭以外は非公開。東大の谷口将紀教授は、裏金事件について「単に政治資金パーティーの問題ではなく、政党のガバナンス自体が問われている事態だ」と指摘し、「政党の在り方にも果敢にメスを入れていただきたい」と訴えた。杏林大の清原慶子客員教授は「政治資金の透明化を図るため、率先してデジタル化と可視化をしてほしい」と要望した。
 
 このほか、政策提言サイト「PoliPoli」の伊藤和真社長、榊原一夫弁護士、野口光夫税理士、インターネットで資金を募るクラウドファンディング「レディーフォー」の米良はるか代表取締役が招かれた。桑原悠・新潟県津南町長はリモートで参加した。(山口哲人)
 
 

刷新へ「前面」議論3回で5時間半 岸田首相、改革案示せるか

 
期待をしている国民がいるのでしょうか?私は何ら期待するものはない。選挙へ行って自公・維新・国民民主党の候補者を落選させるのだ!時間がたてば国民はバカだから忘れるとたかをくっているのだろうが。そうはさせない!
 
 
 岸田文雄首相(自民党総裁)は、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受けて、党改革を議論する政治刷新本部の会合に連日出席している。政権の最大の危機と捉え、前面に立つ姿勢を示そうと腐心している。だが、政治とカネの問題に不信感を募らせる国民が納得できる改革案を示せなければ、さらに逆風が強まりかねず、厳しい局面が続きそうだ。

 「自民党の政治資金を巡り、大変厳しい国民の目が注がれている。強い危機感を持ち、信頼回復のために党一丸となって取り組まなければならない」。首相は17日にあった第3回会合の冒頭でそう強調し、約1時間半にわたり自治体首長や法律、経営の専門家など外部有識者の意見に耳を傾けた。11日の初会合、16日の第2回会合も最後まで参加しており、出席時間は合計5時間半に及ぶ。

 首相は4日の年頭記者会見で、派閥のあり方や政治資金について議論する刷新本部を設置し、月内に中間取りまとめを示すと表明した。首相周辺によると、首相は「党が一致結束しなければならない。自分が本部長に就く」と語ったという。
 昨年発覚した裏金事件を受けて、政権運営は厳しい状況に追い込まれた。思い描いてきた今年秋の総裁選での再選は見通せておらず、前面に立ってリーダーシップを示す姿勢を強調するのは、危機感の裏返しとも言える。党幹部は「とにかく顔を見せることが大事で、それが覚悟を示すことにつながる」と指摘する。

 ただ、刷新本部では、役員を務める安倍派の複数の議員が裏金に関与した疑惑があるとされる。麻生派会長で派閥を重視する麻生太郎副総裁や、派閥に否定的な無派閥の菅義偉前首相も最高顧問として加わっており、とりまとめは難航が予想される。

 首相はそうした事情も踏まえ、12日と15日に、茂木敏充幹事長や森山裕総務会長、麻生氏ら各派の会長や無派閥議員に強い影響力を持つ菅氏らと、それぞれ約30分ずつ会談し、派閥のあり方についても協議したとみられる。

 首相は派閥について、いつも「政策集団」と呼び、「政策を磨き、育成するという観点も重要な役割だった」との見解を示す。岸田派(宏池会)への思い入れは強く、派閥改革に切り込むかは見通せない。自民の閣僚経験者は「刷新本部なんてやっても、国民の信頼が回復するわけではない」と距離を置き、別の自民関係者も「ガス抜きに過ぎない。派閥解消はできないだろう」と漏らす。

 一方、野党は26日召集の通常国会で、政治資金問題を厳しく追及する構えだ。立憲民主党の安住淳国会対策委員長は17日、記者団に「真実をつまびらかにすることが大事だ。時間をかけて議論すればいいという話ではない。実名を挙げて、どの派閥がどんなことをしていたのか、首相がクリアに説明する責任を果たせるかどうかだ」とクギを刺した。【森口沙織、高橋祐貴、中村紬葵】