私もこのニュースを聞いていたが、先ず問題なのが下請け会社にすべてを任せての報道制作だったこと、その最終的とりまとめが一人であったこと。JAは最低な姿勢で社員を抑圧している企業、そこで声をあげるには並大抵の覚悟があったこと、尋常でない企業であるからこそ告発したのであるから、それなりの覚悟を報道する側もあったはず。昨日の小川キャスター説明謝罪を聞いていて、脇が甘すぎた…。そのことで現場で辛い目にあっている従業員がいるのではないか…。

 

隙を見せるような報道は慎むべきであり、不条理な企業告発には経営者側が異常な執念で挑んでくることを、報道する側は厳しく自覚するときだと痛感したニュースであった。

 

 

 

去年1月、「news23」と「Nスタ」で放送したJA共済に関する特集について、BPO=放送倫理・番組向上機構は「内部告発者の身元特定が強く疑われる状況を招き、取材源の秘匿を貫くことができなかった」として放送倫理違反があったと判断しました。

問題となった特集は、JA共済のいわゆる「自爆営業」の実態について匿名で内部告発した現職職員へのインタビューを中心に、映像や音声を加工して放送したものです。TBS報道局で調査報道を専門に担当する「調査報道ユニット」が取材しました。

この放送について、BPOの放送倫理検証委員会はきょう、告発した3人の現役職員について「身元特定が強く疑われる状況を招き、取材源の秘匿を貫くことができなかった」として放送倫理違反があったとする意見書を公表しました。

BPOは自宅や公園で行われたインタビューについて、「顔のぼかしの範囲は大きくなく、服装や体型、腕時計、そして、部屋の家具や公園の様子がそのまま映されている」などと指摘しました。

撮影場所の同意は得ていたものの、「身バレにつながりにくいホテルなどよりも、自爆の契約書類にサインする場面を撮るには自宅のほうが自然で迫真性が増すと判断した結果だった。公園も不特定多数の人が出入りし、告発者の保護に適した場所とは言いがたい」などと指摘。「内部告発者の同意に依存して、情報源の秘匿という本来放送局が負うべき責任を軽んじた対応」としました。

さらに、一人の職員について「身元が判明するかもしれないとして、撮影後に撮り直しをした映像があったのに、編集の際にディレクターが約束を失念して使用してはいけないシーンを使ってしまう決定的とも言える失策があった」としました。「最後の砦としてのプレビューも機能せず、この件に関しては上長も現場任せで、内部告発企画の取材経験が乏しいディレクターに対し、細かく指示する必要があったのではないか」と指摘しました。

BPO放送倫理検証委員会 西土彰一郎委員
「取材に協力してくれた人達の言質に寄りかかりながら、映像の見た目を優先した安易な取材という点を最も重要視しております」

今回の意見書を受けTBSテレビは、「BPOのご指摘を真摯に受け止めます。報道機関としての基本原則を再確認し、現在進めている再発防止策を着実に実行して、視聴者の皆さまの信頼回復に努めてまいります」としています。

 

 

小川彩佳キャスター、「news23」のBPO「放送倫理違反」を謝罪…「報道機関の信頼が大きく揺らいだ深刻な事態…申し訳ありませんでした」

 
 TBS系「news23」(月~木曜・午後11時。金曜・午後11時58分)は11日、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会が昨年8月から審議していた同番組で放送された、農業協同組合(JA)の共済に関する放送内容の見解を明らかにし「放送倫理違反があった」としたことを報じた。

 昨年1月の放送では、インタビューされた男性Aが「(地方の農協で)自爆営業が横行している」と告発。男性Aの顔をぼかすなどして放送していたが、身元を隠す措置が不十分だったため、職場で身元がばれてしまい、退職に追い込まれたなどと一部週刊誌で報じられていた。

 放送倫理検証委員会で委員長を務める小町谷育子弁護士は「放送倫理違反があったと判断しました。安易な取材姿勢といえる」と厳しい見解を述べ「取材協力者は一般市民であり取材を受けた経験もない。十分な時間を取り、信頼関係を築き、身元が特定されないようにしなければならないが十分になされていなかった」と意見した。

 番組では、BPOからの意見書を伝え、TBSが打ち出した再発防止策を約6分間にわたり伝えた。