成田悠輔氏 能登半島地震に「気持ちだけで支援まがいみたいなことをしても迷惑になる」

 
「加速主義」というのがある。資本主義は末期状態である。この仕組みはどこかで崩壊するが、政治的な正当性や多様性、包摂とか持続可能性とかをやっていると、むしろ資本主義が延命してしまう。それより、一気に加速して資本主義を限界まで走らせて、「ポスト資本主義の社会」に抜け出したい、と。(一種の革命のような。ドラスティックに変えるためには、更に貧困かした方がいいと、と?)
今の社会矛盾を逆に全部拡大して。たとえば、加速主義の人たちはは「今の社会保障制度は全部捨てろ。社会保護も国民皆保険もいらない。強い奴だけ生き残るんだ」
つまり彼らも「今が末期」と捉えている。こんな危機的状況のときに、みんなで助け合って生きていきましょう、ではなく「強い者だけが生き残り、弱い者は淘汰されていいんだ」。これけっこう危険になると出てくる。ファシズムがそう。豊かな時代だったら話は別だけど、このような危機的な時代では「弱い者は淘汰されてしかるべき」。この危険な優生思想が流行ってしまう。成田悠輔なんかも。
 
(確かにテレビで「高齢者の集団自決、集団切腹しかない」と。)
彼が言う老人は、力が弱い人たち、社会的能力が低い人。危険的状況では生き残れないんだから、他人をあてにするな。路傍で死んでくれ。その代わりに生き残った人はすべて強い人間。この人たちだけであって、次の新しい政治機構をつくっていこう。これファシズムそのものなんです。
 
(ギスギスした社会になりましたね。本当は分厚い中間層があって、ある程度余裕があり、寛容な社会の方がいいのに。余裕がないと政治や社会に関心が向きません。この中間層が薄くなってしまった日本の悲劇。労働組合が縮小し、正規労働者が非正規労働者に落とされる。働くことが手一杯で投票にも行けなくなる。投票率が下がれば、組織を持つ勢力が勝つ。さてどうしたらいいのでしょう?)
国民全体が何となく「日本は落ち目になっている」と感じています。なんとか損害、被害を最小化して「中規模国家でくらいで生きていきましょう」。この微温的なアイデア、僕(内田樹さん)この考え方です。
 
(身の丈に応じてね。)
人口が減っても、GDPが成長しなくても、日本は豊かなリソースがあるんだから、みんなで支え合って、楽しく暮らしていきましょう。こういう寛容なアイデアってすごく不評で、逆なんです。もっと格差が拡大して、弱者と強者がはっきり分かれていき、「弱者が滅びて強者だけが生き残る、そんな社会にしたい」と思っている人たちって、すごく多い。それは実は社会的弱者の側にさえ、この考え方をする人たちがいるんです。
 
(それだと行き先はファシズム。皆支えあって底上げをしていく、そんな形にしたいのに。)
出も現実はファシズムが進む。世界中がポピュリズムへ。共通しているのは「互恵的な社会、相互的支援的な社会が、弱い者を生かしてしまっているんだ」という議論。
おそらく大阪の維新支持者の多くは、強いものだけが生き残って、弱い人間は淘汰されて然るべきである、と考えている。維新はそっちに向かってアクセルを踏んでいるから支持されているんです。「有権者はまだ維新の実態を知らない」「吉本の芸人がプロパガンダを流しているから」というのは一部の説明にしかなっていない。
 
(実態はもっと危険な思想が背景にある。)
「吉本の芸人がテレビで支えているから」だとすれば、テレビの番組をちょっと変えてしまえば、維新はおわるでしょ。そんな簡単なものじゃない。
 
(言われてみればそのとおりですね。維新が選挙で強い理由の一つに、「多くの人々の意識の根底にファシズム的な優生主義思想。がある。」これは難題です。でも、これに立ち向かわないと維新が消えても「維新的なもの」は残ってしまう。(万博崩壊・西谷文和氏と内田樹氏対談から)
 
 
 
 経済学者の成田悠輔氏が7日放送の「サンデージャポン」(TBS系)に生出演した。

 番組では元日に発生した能登半島地震について取り上げた。個人がボランティアで現地入りすることに賛否の声が上がるなどボランティアの在り方も問われている。

「我々にできることは?」と問われた成田氏は「普段通りに過ごすことじゃないですかね。大騒ぎしたりパニックを起こしたりしても問題は悪化する一方だと思います。素人とか一般人が気持ちだけで支援まがいみたいなことをしても迷惑になる場合も多い」と私見を述べた。

 また「ユーチューバーとかティックトッカーが押しかけていくのは問題外」とピシャリ。そのうえで「できるだけ普通の生活をする。無理のない範囲で募金とか寄付をして能登のものを買う。それぐらいしかできることはないんじゃないかなと思います」と冷静な行動を呼びかけていた。
 

竹中平蔵氏、石川地震めぐり政府に提言「前から思っていたんですけども…」

 
強かな竹中はここでも利権を遂行する。政府と維新に太いパイプを持っている竹中平蔵がものいうと総て「利権」、それしかない。
 
 
 元総務相で経済学者・竹中平蔵氏(72)が8日放送のABEMA「Abema Prime(アベプラ)」(月~金曜後9・00)に生出演。最大震度7を観測した石川県の能登半島地震を受け、政府に提言する場面があった。

 能登半島地震は8日で発生から1週間となった。8日午前9時時点で、県内の死者は161人、連絡の取れない安否不明者は103人。避難者は2万9000人近くに上る。県は被災者を県内外のホテルや旅館などに移す「2次避難」を本格化。被災地では雪が積もり、二次被害の発生や、被災者の間での感染症拡大に懸念が強まっている。

 この件について、竹中氏は「災害救助法というの法律があって、それの主体は県なんですよね。知事が“こういう風にしてくれ”と言う部分については尊重しないといけないと思うんです。ただ、行政がちゃんとやってくれるかっていう信頼感の問題もあって。やっぱり、そこは助けにいかないといけない部分はあると思う」と言及する。

 また「前から思っていたんですけども、日本ってヘリコプターを800機持っているんですよ。これは世界でも有数のうちで。これを政府が半分くらい借り上げて、ピストンで特に高齢の方を運んで。そのくらいのことを国はやるべきですよね」とも語っていた。