内田樹さん

復興というのはとにかく「資材」と「機材」と「マンパワー」が必要な事業です。万博のような誰も必要としていない空疎なお祭りのために割く余裕はありません。それでも「被災者は万博が終わるまで体育館で寝ててくれ」と内心では思っている政治家はそう口に出して言ってください。

 

「復興五輪」などと銘打った先の「東京五輪」が、被災地から復興に必要な資材や人員を奪った二の轍を踏まないように、バカげた「カジノ」の為に誘致され、ありと凡ゆる資源を浪費している「万博」は中止し、今般の地震・津波被災地のような必要な場所へ資源が行き渡るようにすべきです。

 

 

きょうの潮流
 

 今すぐ逃げること、東日本大震災の津波を思い出してください! アナウンサーの切迫した口調がおとそ気分をふきとばしました

 

▼元日、石川県の能登地方を震源とした最大震度7の地震は広範な被害をもたらしました。津波や土砂崩れ、家屋の倒壊や火災、道路の陥没や交通網の寸断…。救助活動とともに停電や断水の復旧、寒中の避難生活の負担を少しでも軽減するよう国や自治体は力を尽くすときです

 

▼国土地理院によると、今回の地震で輪島市が西に1・3メートル動くなど大きな地殻変動が観測されました。この地域では以前から地震活動が活発で昨年5月には最大震度6強。2020年12月から昨年5月末までに震度1以上の揺れを433回も観測しています

 

▼避難体制を含め備えはどうだったのか。原発もしかり。石川・志賀(しか)原発では外部電源の一部が使えず、核燃料プールの冷却ポンプが一時停止したとの情報も。新潟・柏崎刈羽原発でも燃料プールの水があふれました

 

▼志賀原発は、経団連の会長が一刻も早い再稼働を促したばかり。動かしていたらと思うとぞっとします。甚大な被害をうけた珠洲(すず)市も一時は原発誘致が進められました。これだけ地震が相次いでいるのに原発を林立し、さらに再稼働を推し進める財界や政権。住民の安全を置き去りにして

 

▼いまも増え続ける犠牲者。年明けからだんらんの場を奪われた多くの避難者。自分たちの裏金づくりや万博などに巨額をつぎ込むのではなく、こうした被害者にこそ、手厚い支援を。

 

 

主張
能登半島地震
人命最優先で救出と救援急げ

 

 石川県の能登半島を震源とする大きな地震が1日午後4時10分ごろに発生し、日本海側の自治体に甚大な被害を広げています。石川県志賀町では震度7を観測しました。能登地方を中心に建物の倒壊や土砂崩れなどが相次ぎ、多くの人が亡くなっています。重軽傷者も多数です。家屋の下敷きになった人たちを救出する懸命な活動が続いています。道路が土砂に埋まり、必要な物資が届かない地域があります。水道や電気などライフラインの寸断も深刻です。人命救助を最優先に、全ての被災者に支援が届く取り組みを緊急に強めなくてはなりません。

家屋が倒壊し火災も発生
 根元から倒れた7階建てのビル、1階部分が完全におしつぶされた2階建ての住宅、大きな亀裂が入った道路、家財道具が散乱する屋内―。被災地からの映像は、揺れのすさまじさを伝えます。多くの人が「こんなひどい揺れはいままでなかった」と証言します。

 石川県輪島市で地震直後に発生した火災は消火活動の難航によって燃え広がり、観光名所として知られる「朝市通り」の店舗や家屋など約200棟が焼失したとみられます。焼き尽くされた現場の無残な姿に言葉もありません。

 気象庁は地震直後に能登地方に大津波警報を発令しました。同警報は2011年の東日本大震災以来です。山形、新潟、富山、福井などの各県に津波警報、北海道から長崎県までの日本海側に津波注意報を出し、沿岸の人たちは緊張を強いられました。石川県珠洲市などでは海沿いの地域で津波による被害が出ています。

 国内で震度7の地震を観測したのは18年9月の北海道胆振(いぶり)東部地震以来です。能登半島では20年12月ごろから地震活動が活発化しており、昨年5月に震度6強を観測しました。石川県で震度7を記録したのは今回が初めてです。地震の規模を示すマグニチュードは7・6と推定され、1995年1月の阪神・淡路大震災の7・3より大きなものとなりました。建物被害は金沢市や富山県内、新潟県内の自治体などにも及んでいます。液状化による地面の陥没被害も各地で発生しました。被災者が希望の持てる住宅と地域の再建の支援を強める施策が重要になっています。

 強い揺れは繰り返されています。何度も揺れに見舞われた建物はもろくなっています。2日夜からは風雨が強まるとされ、地盤の緩い所での注意が必要です。避難所に身を寄せた人も、自宅敷地内や自家用車内で過ごす人も休まらず、心身ともに疲弊しています。寒さの備え、感染症対策も不可欠です。安全で安心できる避難所を整備できるよう、被災者のニーズを踏まえ、きめ細かな対応がとれるよう国は力を注ぐべきです。

地震国の政治が問われる
 運転停止中の北陸電力志賀原発(石川県)や東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)などの状況に国民は不安を募らせています。地震・津波が多発する国で原発依存政策を続ける危険を改めて示しました。

 日本には活断層が判明しているだけで約2000あると言われます。地震に無縁な地域はどこにもありません。被災者の支援、被災地の復旧・復興、地域の再生に全力を挙げるとともに、地震・津波に強い国土づくりを進めることが日本の政治の役割です。

 

 

能登半島地震

被災者のニーズに応えた活動を

共産党が対策本部設置 初会合

 
 
 
 日本共産党は2日、「能登半島地震災害対策本部」(本部長・志位和夫委員長、本部長代理・小池晃書記局長)を設置し、党本部で初会合を開きました。日本共産党の石川、富山、新潟の3県委員会の代表者がオンラインで被災状況を報告。今後の対応について協議し、被災者のニーズに応えた活動を党全体で行うことを確認しました。

 会議では、笠井亮衆院議員、井上哲士参院議員(本部事務局長)が現地入りしての活動、しんぶん赤旗の三浦誠・社会部長が現地で取材する記者のリポートをそれぞれ報告しました。

 石川県の秋元邦宏委員長は「輪島市の朝市通り周辺で大規模な火災が起き、約200棟が延焼。観光業にも大打撃だ」「断水は能登全域に及び一番深刻だ」、富山県の坂本洋史書記長は「全域で断水している氷見(ひみ)市ではトイレやお風呂などの生活用水が足りていない」、新潟県の樋渡士自夫委員長は「地震による液状化の被害が深刻。道路が陥没し、家屋の傾き等がみられる」などの被害を詳細に語りました。

 参加者からは避難者への支援、電気、水道などインフラの復旧や、家屋の全半壊への支援が急務などの意見が出されました。

 志位氏は当面のとりくみについて(1)被災者の方々が困っていることをつかみ、ニーズに応えた活動を党全体として行う(2)救援募金にただちにとりくみ、4日の「党旗びらき」後に募金活動を全国いっせいに行う(3)被災地にある北陸電力志賀原発、東京電力柏崎刈羽原発の安全性に関わる情報の全面公開を求める。両原発の廃炉を要求する―の3点を提起。「党のもつ草の根の力をフルに発揮して苦難軽減のためにがんばりましょう」と述べ、参加者全員で確認しました。

 

周辺原発 相次ぎ影響

志賀 燃料プール一時冷却停止

 
腐り切ってしまったお方↓
玉木雄一郎
志賀原子力発電所の変圧器油漏れで火災が発生との報道やSNS発信が見受けられますが、火災は発生していません。北陸電力も公表済み。地震や津波そして原子力発電に関する偽情報が見受けられますが、被災者支援及び復旧復興の妨げになるのでやめてください。イデオロギーを拡散する局面ではありません。

 

 震度7を観測した石川県志賀町に立地する北陸電力志賀原発では、1日の地震で使用済み核燃料貯蔵プールから水があふれ、一時的に冷却が停止しました。同原発1、2号機は定期検査で2011年から運転停止中でした。北陸電は「安全上、問題となる被害は確認されていない」と発表しています。

 

 北陸電などによると、使用済み核燃料プール内の水が地震の揺れであふれ、1号機では冷却機能が約40分間停止しました。あふれた水量は1号機で約95リットル、2号機で約326リットル。現在は水位が維持され冷却に異常はないとしています。

 

 ほかにも1号機と2号機で外部からの受電に使われる変圧器の油漏れが発生しました。そのため別の変圧器に切り替え受電を継続しています。油漏れは1号機の変圧器で推定約3600リットル、2号機の変圧器で推定約3500リットルが漏れていました。外部への影響はないとしています。

 

 停止中の東京電力柏崎刈羽原発でも、2、3、4、6、7の各号機の計5基で地震の揺れによって使用済み核燃料貯蔵プールから水があふれました。

 

 福井県に立地する日本原子力発電敦賀原発(同県敦賀市)、関西電力の美浜(同県美浜町)、大飯(同県おおい町)、高浜(同県高浜町)の各原発や、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(同県敦賀市)、新型転換炉「ふげん」(同)に異常は確認されていません。