自民党の有村治子参院議員の恐い姿勢。沖縄を蔑ろにした政府の姿勢に一矢を刺した姿勢をスキャンダルで覆い隠す。政府の不誠実な姿勢を擁護するなんて最悪な人間だ。

 

 

沖縄返還時の日米密約をスクープし、昭和47年の外務省機密漏洩(ろうえい)事件で有罪が確定した元毎日新聞記者の西山太吉氏(享年91)の生前を振り返ったNHKのネット記事について、自民党の有村治子参院議員がX(旧ツイッター)で問題視している。西山氏を巡っては、同省の女性事務官と男女関係を持った上で機密文書を漏洩させたとして、東京高裁が「正当な取材活動の範囲を逸脱する」と断じた経緯もある。有村氏は「職業倫理に背くスキャンダルを敢えて触れないなら、視聴者に対して、極めて不誠実」とNHKを批判する。

 

NHKは昨年12月28日、同年に死去した著名人の追悼記事をネットニュースに掲載した。西山氏が「権力の暴走をチェックするのが新聞の本当の使命」と語る生前のインタビュー動画も掲載。西山氏は「権力の秘密主義がはびこるとき、メディアがどうやってそれを打破し、真実を国民に伝達するかが最も必要になる」と強調しているが、女性事務官と男女関係にあった上で報じたことは触れていない。

有村氏は30日、西山氏の当時の取材について「機密情報を入手する意図を持って、既婚の女性事務官に執拗(しつよう)に言い寄り、情事を働き、男女の情を当てにして職業倫理から逸脱した取材を行っていた」とXで指摘。「毎日新聞も強く非難されて不買運動の対象となり、社史に残る不祥事となったことを、NHK担当者はご存じないのか」と疑問視した。

「彼女は情報を漏洩した犯罪者となり、世間にさらされ、外務省を追われ、ご主人に離縁され、屈辱や非難に耐え忍ぶ人生を強いられている。西山氏は、機密情報を入手後、利用価値が無くなった彼女を『見捨て』ている」とも訴えた。

西山氏の取材手法を巡り、昭和51年に東京高裁は判決で「秘密文書を入手するための肉体関係を持ち、同女が依頼を拒み難い心理状態に陥ったことに乗じて秘密文書を持ち出させたなど、取材対象者の人格を著しく蹂躪した」とし、「正当な取材活動の範囲を逸脱する」としている。

西山氏は毎日新聞政治部記者だった47年、国が払うべき補償金を日本が肩代わりするとの機密文書を「情を通じて」女性事務官から入手。機密公電の漏洩を働きかけたとして、国家公務員法違反罪に問われた。東京地裁は49年に無罪判決を言い渡したが、高裁で逆転有罪となり、53年に最高裁で確定した。

西山氏は機密文書をもとに記事を書いた後、社会党(当時)の横路孝弘元衆院議長らに公電のコピーを渡しており、そのコピーから外務省の女性事務官の特定につながったとされる。(奥原慎平)