吉村知事は万博とIRは別と詭弁を言ってるが、の画像の通りカジノIRありきの大阪万博です。(重要)→「万博という大義名分があれば10兆円もの超莫大な国民負担の税金をカジノの為に湯水の如く使える」だから万博予定地でもない超軟弱地盤の夢洲に万博を持ってきた。

非常に分かりやすい利権政治です。

 

 

吉村府知事「政党パーティー禁止」発言に「個人のパーティーはいいのか」批判殺到…自身は2022年に700万円ゲット

 
吉村洋文知事「自民党はひどい状態」 政治資金パーティー券を巡る裏金疑惑で批判
→おまえもさんざんパーティー券を売りまくって、買ってくれた企業に万博の工事受注させてるやないか。おかしいのはおまえだろ。週刊文春の買い占めの原資はどこから出した? コンビニへ「店頭に並べるな」と圧力をかけるおまえらの姑息さこそ自民以上の悪だろう。

 
維新の新サンバカトリオ(左から東とおる・馬場代表・吉村洋文)
 
 12月28日、大阪府の吉村洋文知事が、年内最後の取材に応じ、「政党のパーティーを禁止すべき」との考えを述べた。

 吉村氏は、自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとされる事件について、「自民党はひどい状態。前代未聞。『政治とカネ』の問題が最悪の状態」と批判。「これを機に『政治とカネ』の問題について、ゼロベースで見直すべき」と述べた。

 さらに、日本維新の会の音喜多駿政調会長に触れ、「音喜多さんが『禁止』といったらいい。大阪維新の会に気を遣わず、国会であるべき姿を示したらいいと思う」と語った。

 同日、自身の「X」に吉村氏はこう書きこんだ。

《政治と金の問題は、不信の頂点に達している。日本の将来を考えて、ここは大鉈をふるうべきだ。領収書不要、非課税、概要だけですむ書類、おかしいよ。民間ベースでゼロからやり直そう。》

 吉村氏から指名された音喜多氏は同日、自身の「X」にこう書きこんだ。

《すごい球が飛んできた(汗)。国政維新でしっかり&早急に論点整理を進めます。》

 だが、維新は、月額100万円を国会議員に支給する「文書通信交通滞在費(文通費)」の使途公開を主張したものの、尻すぼみに終わった過去がある。

「2021年秋の衆院選で初当選した議員が、在職1日にもかかわらず満額支給されたことをきっかけに、吉村氏は旧Twitterで、『これが国会の常識。おかしいよ』と支持を表明しました。

 ところが、吉村氏が2015年10月1日に衆院議員を辞職した際も、10月分の文通費を満額受給していたことが発覚。『ブーメランが刺さった』と釈明するはめに。

 結局、2022年4月、支給を日割りにする法改正が実現し、名称も『調査研究広報滞在費』に変わったものの、使途公開や余ったぶんの国庫返納については、その後も議論が進んでいません」(政治担当記者)

 そのため、吉村氏が「政党のパーティーを禁止すべき」と主張したことに、SNSではこんな批判の声があがっている。

《文通費一日がっぽり事件も自分がやってた癖に、自分達だけはやってない印象操作作戦で得点挙げようとしてたけど、また?自分はパーティー券散々売ってたくせに作戦?》

 吉村氏は、2016年11月に「市長就任1周年記念パーティ」を開催するなど、ホテルで政治資金パーティーを定期的に開いている。

 大阪府選挙管理委員会が2023年11月29日に公表した2022年度分の政治資金収支報告書によると、吉村氏の政治団体「友洋会」は、2022年11月9日、ホテルで「知事就任3周年記念パーティー」を開催。1038人から1557万円の収入を得ている一方で、「政治資金パーティー開催事業費」として計上している支出は、859万6610円だ。差し引きおよそ700万円。

 吉村氏が「政党のパーティー禁止」を主張するものの、個人の政治資金パーティーの禁止には踏み込まないことに、批判的な声が多くあがっている。

《政治資金パーティーと政党助成金で政治資金を得ている維新の会、政党は禁止しても個人は禁止と言わない姑息さ。言うだけで尻すぼみなのは文通費の件で想像できる》

《吉村洋文知事、自民党の「政治とカネ」問題にイキった事言ってるらしいけど、自身もズブズブやで。政党のパーティー禁止しても、個人のパーティー継続なら意味無しw》

《政党よりも政治家個人の政治資金パーティーの禁止すべき。報告会とか懇親会程度なら仕方ないとは思います。見分けがつくよう透明度を高めてやれば良い。特に大臣や知事など、要職にあるものは政治資金パーティーは厳罰にするべきでしょう》

 尻すぼみに終わった旧文通費改革の、二の舞になることは避けてほしいものだ。
 
 

サントリー副会長「万博は『都市格』上げるチャンス」に失笑…「業者9割が工事に無関心」「リングの大半は接着剤」「ボランティア2万人」あふれるネガティブ情報

 
 ネガティブな情報ばかりあふれる万博には、SNSで《参加国も建設業界も国民も興味なし。空っぽの大阪万博》という声もあがっている。

 2025年4月の開幕までにこの状況が劇的に改善されるとは思えない。「万博は『都市格』上げるチャンス」という発言が失笑されるのも当然だろう。
 
 
 12月28日、大阪商工会議所の鳥井信吾会頭(サントリーホールディングス副会長)が、朝日新聞のインタビューに応じた記事が配信された。鳥井氏は2025年の大阪・関西万博について、「大阪の都市としての品格『都市格』を上げるチャンス」などと期待を語った。
 
 鳥井氏は、万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)の副会長を務めている。

 11月25日に鳥井氏は万博の会場建設地を視察。「世界最大級の木造建築物」を誇る木製リングや大阪ヘルスケアパビリオンの建設状況を見学し、「万博はコロナ禍以降最大規模のイベント。今日の会場視察を転換期として、『みんなでやろうと決めた万博』を大阪・関西だけでなく、日本全体の万博にしていくと思いを新たにした」と語った。

 だが、12月25日、三菱総合研究所が発表したアンケート結果で、万博に「行きたい」と答えた人は全国で26.9%。前回4月から4.0ポイント下落した。万博への関心についても「大いにある」「まあある」の合計は27.4%で、同じく前回から4.1ポイント下がった。

 鳥井氏の「万博は『都市格』を上げるチャンス」という発言には、「X」で失笑する声があがっている。

《5、6年前ならいざ知らず、もはや下げる一方でしかないと思う》

《期間限定の無くなる箱物、カジノ施設建設(取らぬ狸の皮算用)で上がる「都市格」って何でしょう》

 実際、万博に関しては、ネガティブな情報があふれている。

 12月28日、NHKは《大阪・関西万博 9割近くが「工事参画に興味ない」建設業界調査》と題する記事を配信。10月から11月にかけ、全国建設業協会が、協会に所属する1万8000社あまりを対象に、万博に関わる工事に参画する意向があるかを調査。

 その報告書では、全国775社から回答があったうち、工事参画に「興味がある」は11.8%。「興味はない」が89.4%だった。開催地の大阪を含む近畿地方でも71.1%が「興味はない」と答えたという。

 自由記述では、「問題が山積みの中で万博を開催する意義があるのか疑問である。中止すべき」「タイトな工期を厳守するために働く人たちに極度の負担がかからないようにしてほしい」という意見もあったという。

 同じく12月28日、「AERA dot. (アエラドット)」は《吉村洋文知事が絶賛する「5mで1億円」の大阪万博リング 大半は接着剤で貼り合わせた集成材》と題する記事を配信。

 大阪府の吉村洋文知事が「釘を使わない素晴らしい建設技術を使った建設物」と絶賛する木造リングだが、建設に携わるこの道15年のベテラン職人がこんな内実を語っている。

《木材も国産檜(ヒノキ)や福島県の杉を使っていると言いますが、使っているのは縦と横の梁(はり)など一部だけ。大半は、細い木を接着剤で貼り合わせて圧縮したフィンランド製の集成材で、国内の林業振興にもなっていません》

 12月20日には、大阪府・市と万博協会が、万博開催中に来場者の案内などをするボランティア2万人程度を募集すると発表。2024年1月中旬から募集を開始するという。

 だが、11月の「阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード」に、大阪府・市は、職員計2400人をボランティアとして動員したこともあり、「X」ではこんな声があがっている。

《これまた大阪府・市職員を強制ボラさせるんじゃない?》

《万博に行きたい人が少ないのに、万博のボランティアしたい人がたくさんいるってことはないと思うよ》

《大量の税金をぶっ込んでおきながら、人はボランティアに頼るっていう。東京オリンピックの悪夢再びって感じ。本当に人間を大事にしないな》

 ネガティブな情報ばかりあふれる万博には、SNSで《参加国も建設業界も国民も興味なし。空っぽの大阪万博》という声もあがっている。

 2025年4月の開幕までにこの状況が劇的に改善されるとは思えない。「万博は『都市格』上げるチャンス」という発言が失笑されるのも当然だろう。

 

 

「大阪・関西万博」問題は、維新吉村知事などによる“戦後最大の自治体不祥事”

郷原信郎

 

地方自治体にとってのコンプライアンス

2004年に、桐蔭横浜大学特任教授・コンプライアンス研究センター長として、本格的にコンプライアンスに関する活動を始めて以降、私が、常に世の中に訴え続けてきたのが、

 

コンプライアンスは、「法令遵守」ではなく、「組織が社会の要請に応えること」

 

法令の趣旨目的を理解し、背後にある社会的要請を知ること

というテーゼである。

 

そのようなコンプライアンスの視点から、組織をめぐる様々な問題の解決、コンプライアンス体制の構築・運用等に関わってきたが、その中で、特に、重要な領域としてきたのが、地方自治体のコンプライアンスである。

初めてのコンプライアンス講演が、2005年2月、職員厚遇問題で揺れていた大阪市の幹部研修だった。「暴力団の妻」から再起して弁護士となり、女性初の大阪市助役を務めていた大平光代氏からの依頼だった。それ以降、多くの自治体で講演を行い、横浜市では、2007年からコンプライアンス外部委員、2017年9月から2021年6月まではコンプライアンス顧問として、各部局・各区で生起する様々な不祥事やコンプライアンス問題について対応の助言を行うほか、各部局・各区の幹部に対するコンプライアンス研修も担当した。

民間企業の「社会的要請」が、需要に反映された社会の要請に応えることがベースとなり、それが、組織の存続・成長にもつながるのに対して、地方自治体の場合、住民のニーズに応えることが最も重要な社会の要請であることは間違いないが、その時点での直接的なニーズに応えることだけで地方自治体の役割が果たせるものではない。自治体には、住民にとっての短期的利益、長期的利益のほか、その時々の国家的、社会的利益も含めて様々な社会の要請が交錯する。地方自治体の日々の業務や実施する事業に関して、「社会的要請に応えること」は、複雑かつ困難な問題となる。

 

最も深刻かつ重大なコンプライアンス問題に直面する大阪府・市

日本の地方自治体の中で、最も深刻かつ重大なコンプライアンス問題に直面しているのが、「日本維新の会」が首長を務める大阪府・市だ。

2025年に大阪市此花区夢洲で開催が予定されている大阪・関西万博をめぐっては、海外パビリオンのうち、各国が自前で建設する「Aタイプ」について、基本計画すら提出されておらず、建設業者も決まらず、着工が大幅に遅れ、予定どおりの開催が危ぶまれている。万博の開催延期・断念などの事態に至れば、日本に対する国際的信用の失墜、大阪府・市、そして国に、計り知れない損失を生じさせることになる。

吉村大阪府知事(前大阪市長)や、その前任の松井一郎氏などが、これまで首長として行ってきたことが、本当に、地域住民に、そして、社会の要請に応えるものであったかどうかが問われている。この問題は、日本における「今世紀最大の自治体不祥事」に発展する可能性がある。

 

夢洲への万博誘致計画自体に重大な問題

第一の問題は、そもそも、大阪・関西万博の計画自体が、地域社会の要請に応えるもの、大阪府民・市民全体のためになるものだったのか、という点である。

大阪への万博誘致の構想が具体化し、2016年6月に、大阪府(松井一郎知事)は、「2025年万博基本構想検討会議」を設置した。この会議の初回で、大阪府が、「2025年日本万国博覧会 基本構想案」を提示しているが、この試案で、万博の会場は、「夢洲地区(大阪市此花区)を想定」とされ、その理由については、「地勢的に日本の交通・物流の結節点である大阪」の中でも、

「夢洲地区は、神戸、京都など各都市からのアクセス面の利便性が高く、環境・エネルギー等の先端産業の集積やMICE機能と国際的エンターテイメントなど魅力ある観光拠点形成をめざす地区であり、世界への情報発信拠点として、ふさわしい地である。」

とされている。

しかし、これは、一部にコンテナターミナルや物流倉庫などの物流施設がある以外、施設がほとんど無く、アクセスも道路が一本しかない夢洲の現状とは、かけ離れたものである。要するに、夢洲を万博会場にしようという構想は、維新の会が進めようとしていた、夢洲を「環境・エネルギー等の先端産業の集積やMICE機能と国際的エンターテイメントなど魅力ある観光拠点形成」に形成しようとする大阪府・市の構想が前提だったのである。

 

海外パビリオンの建設の遅れについて、開催主体の「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」(以下、「万博協会」)や大阪府などは、資材価格高騰や人出不足を理由に説明しているが、海外の国からすれば、5割程度建設費が上がっても、今の円安であれば、相当程度相殺されるはずである。円ベースの建設費の増額はそれほど困難ではないはずだ。パビリオンの建設に向けての動きが遅れている最大の原因は、夢洲の軟弱地盤、アクセスの悪さ、インフラの未整備等のために、日本の建設業者が受注に消極的であることだろう。

 

特に、軟弱地盤の問題では、建物の基礎工事で50メートルの杭を打つ必要があるなど、想像を超える悪条件の工事になると言われている。それを、建設業者が2024年問題によって労働時間の制約を受けつつ施工するのは至難の業だ。

 

万国博覧会についての「基本法」と言える「国際博覧会条約」によれば、博覧会とは、

公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう。

とされている。

 

そのような万博の本来の目的を実現することを最優先に考えるのであれば、1970年に大阪万博の会場となった大阪府吹田市千里のような地にすべきだった。夢洲を万博会場とする計画自体が、夢洲でIR事業を含む「夢洲での国際観光拠点形成」をめざす維新の会の政策実現という政治的な理由からなのである。

 

その夢洲でのIR事業も、軟弱地盤のため、大地震が発生した際の液状化の問題など、多くの問題が指摘され、認可が遅れていた。今年4月の統一地方選挙での維新の圧勝でIR推進賛成の民意が示された後に、府・市と運営事業者による区域整備計画が認定されたが、今後、IR関連施設の建設を進めていく中で必要となる液状化対策費は、すべて大阪府民・市民の負担になる。夢洲を会場とする万博誘致と、その前提とされていたIR事業は、IR事業とセットになった万博開催という大阪のバラ色の将来ビジョンを示すための、維新という政党の政治的目的なのであり、万国博覧会の本来の目的を実現するためでも、地域社会や府民・市民の要請に応えるためでもなかった。そこに、大阪・関西万博の根本的なコンプライアンス問題があるのである。

 

海外パビリオン建設の遅れに対する「維新首長」の対応

第二の問題は、このような重大な問題がある夢洲の万博会場でのパビリオンの建設工事が遅れ、予定どおりの開催が危ぶまれる事態に至っていることについて、万博誘致を進めてきた吉村大阪府知事や、維新の側がとってきた対応である。

 

海外パビリオンの着工の遅れは、既に、今年の春の時点で、万博協会の内部では認識されていたはずだ。しかし、4月10日の統一地方選挙において、大阪府知事選挙で夢洲での大阪関西万博・IR事業の推進を公約に掲げた吉村氏が圧勝し、全国で維新の党が躍進するまでは、海外パビリオンの建設の遅延など、大阪関西万博についての「負の側面」はほとんど表に出ることがなかった。統一地方選挙後の今年5月になって、この問題が取り上げられるようになり、5月末、吉村知事が岸田文雄首相を首相官邸に表敬訪問した際に、「このままいくと海外パビリオンの建設が間に合わない」と言って泣きついたのである。それを受けて、岸田首相は、8月末に、関係閣僚や吉村知事らとの会合を開き、海外のパビリオン建設に遅れが生じていることなどに危機感を示したうえで、予定どおりの開催に向けて政府が主導して準備を加速させていく考えを強調した。

 

海外パビリオンの建設の遅れについて吉村氏が生出演

今年8月10日に、吉村氏は、関西ローカルの読売テレビの番組に生出演し、大阪・関西万博の開催が危ぶまれていることなどについて質問に答えている模様が、YouTubeにアップされている(【大阪府・吉村知事を生直撃!「間に合う?成功する?どうなる?大阪・関西万博」】)。

 

 

番組関係者は、フリップを示しつつ、大阪・関西万博をめぐって、タイプAの海外パビリオンは、当初の計画では今年4月から着工する予定だったのに、まだ手続きに入ってる国も出ていない状況について質問している。

[質問①]吉村さん。ズバリお伺いしますが、間に合いますか。 

(吉村)え、これはあの、間に合うように。我々関係者やってますので。ま、僕自身も責任者ですから、間に合うように、あの、しっかりやります。

[質問②]延期ってことは、やっぱり視野に入ってきたりしてるんでしょうか。

(吉村)あの延期は今、視野には入ってないです。で、あの、これはあの、焦って中途半端なことをやるつもりもなくてですね。2025年のこの万博に向けて、これたとえば大阪地元パビリオン、これまあ着実に進んでいますし、いろんな関係者が2025年の春に向けて、あの、合わせて、あの実は安定的に進めているところもあるんです。

で、海外パビリオンとか取り上げられるので、ここはしっかりやっていこうというふうには準備をしておりますけど、それ以外の工事っていうのは、あの、きちんと進んできているところもありますし、それ以外の準備もやっぱりある中で、よりよい万博っていう意味では2025年4月に、あの、この期限を決めて、これ、もともとここでやるってわかってるわけですから、あの、それを延ばしたらじゃあさらに良くなるかというと、必ずしもそうではないので、状況が変わるかというと、必ずしもそういうわけではありませんので、ここに目がけてみんなで一所懸命、あの、あの、やっていきましょうというのが今の方向性です。

[質問③]2019年に改正労働基準法が施行、5年後の2024年から建設業にも残業規制が適用されることによる人手不足、2020年にドバイ万博が1年延期されたことで各国の出足も鈍くなるだろうとの予想、2022年秋に、日本建設業連合会から建設の遅れについて危機感表明など、もっと早く気付けたのではないか、手を打てていたのではないか、後悔していないか、との趣旨の質問  

(吉村)後悔ポイント。ちょっと、時期、時期っていうのがあの分かりにくい、難しい点はあるんですけど、僕自身が、あの、ちょっと後悔するのを敢えてというのであれば、僕自身は「たて割り意識」というのがちょっとあったのではないかと、ここを反省すべきじゃないかなと思ってますね。

―どこの縦割り意識ですか。

(吉村)たとえば、そこ(フリップを指して)、2022年にありますね。あの、確かに建設業の、あの、連合会の皆さんが万博協会に、2020年の秋に、あの、このまま行くと海外パビリオン遅れるんじゃないかっていうその懸念は指摘をされてるんです。これはもう事実なんです。だから博覧会協会は受けてるんです。ま、僕も副会長だからこれ受けてるっていうことになるんです。だから、あの、そういう実務的にはそうだったんですけれども、やっぱり、あの、僕自身がそれを直接ちょっと聞いてないところもあって。

―その話が耳に入ったのか、入ってなかったんですね。

(吉村)ええ、入ってないです。なので、これは僕は責任者ですから、あの、すべての責任は負います。ただ、どうしてもその、あの僕自身はたぶん、たて割り意識というのがあって、その話というのはやっぱり聞いてない。で、他のメンバーもやっぱり聞いてないんですね。なので、あの、そういった意味では、あそこで、あの、私も含めてあの重要な関係者が全員認識をしていれば、今とはちょっと違った状況になってた可能性はあるとは思いますが、でもこれはもう言っても仕方のないことなので。

―吉村知事の耳に入ったの。そしたらいつ頃だったんですか。

(吉村)今年の春ですね。今年の春ぐらいに、このまま行けば、海外パビリオンがちょっとタイトになってきてます。しかも、それはまあ、完全に遅れるという話じゃなくて、このまま行けば、ちょっと海外パビリオンが、あの、遅れ始めている傾向にあるっていうのがやっぱり今年の春、あの、聞きましたんで、で、そっからあのいろいろ情報を僕自身も入手して、あの、グッと、あの、国も含めて大きく今動かしているところですね。

[質問④]4月の知事選挙の際は万博の成功を掲げていたが、そのとき、危機感の話が入っていたのに、選挙で、成功といういい面だけをアピールしていたのではないかという街の声も聞かれますが、

(吉村)いや、それはないですよ。それはないです。あの3月に受けた説明も、あの、もう間に合わないって話じゃなくて、やっぱり時期がタイトになってきてますねっていう報告を受けましたので。ま、そういう意味で3月の段階でも春の段階でもこれが遅れそうだっていうのではないですね。で、実際には5月に入ってからですね。5月に入っていろんな情報を聞く限りで、これはちょっとまずい、時期がかなりタイトになってきてるんじゃないかっていうので、あ、こういうのありますけど、その5月に直接、あの、僕自身も岸田総理に、えー、あの、このまま行くと、遅れる可能性があるから、あの、ちょっとかなり力を入れてやっていかないといけないと思いますっていうのは、あの、総理に直接、あの、会った時に話をしました。

 

[質問①]で、「間に合いますか」と端的に聞かれ、「間に合うようにしっかりやります」と答えているが、その後の質問に対する答を聞く限り、吉村氏がしっかりやっているから間に合うだろうとは到底思えない。

 

[質問②]に対する答は、支離滅裂である。「延期は視野に入っているか」と聞かれ、「今、視野には入ってないです。」と答えた後に、「大阪地元パビリオンなど、2025年の春に向けて安定的に進めているところもある」などと言っているが、海外パビリオンあっての「万国博覧会」であり、地元パビリオンがいくら順調でも意味がない。しかも、「2025年4月に期限を決めて、ここでやるってわかってる、それを延ばしたらじゃあさらに良くなるかというと、必ずしもそうではない」などと言っているが、少なくとも、海外パビリオンの大幅な遅延で間に合わないのではないかと言われているのであり、延期することで時間の余裕ができれば、少しでも「良くなる」のは当然だろう。

 

[質問③]では、海外パビリオンの建設の遅れにはもっと早く気づいて対策が打てたのではないか、後悔していないかと聞かれて、後悔するのは「僕自身に縦割り意識があった」などと答えている。しかし、組織が「縦割り」というのは、部署間の情報共有ができていないということであり、各部署の情報が上位者に上がらない「風通しの悪さ」とは異なる。大阪府の組織のトップである知事に「縦割り意識があった」というのは全く意味不明である。

 

その「縦割り意識」というのを、自分は「海外パビリオンの遅れ」のことを聞いていなかったという弁解で言っているようだが、その後、「ではいつ知ったのか」と聞かれ、「今年の春」と答えた後、知った内容について、海外パビリオンが「ちょっとタイトになっている」「遅れる」「遅れ始めている傾向」にあると、変転を繰り返している。

そこで、「4月の知事選挙の際には、危機感の話が入っていたのに、選挙で、成功といういい面だけをアピールしていたのではないか」という問題の核心について聞かれている。

 

吉村氏は、「それはないです」と答え、それについて「3月に受けた説明も『もう間に合わないって話』じゃなくて、『時期がタイトになってきている』という報告を受けた」、「3月の段階」では、「遅れそうだ」という話ではなかった、という説明している。しかし、「その後、5月に入っていろんな情報を聞いて『これはちょっとまずい、時期がかなりタイトになってきてるんじゃないか』と思った」と言っており、結局、「タイトになってきている」というのは、「3月の段階の話」と同じである。

 

そもそも、海外パビリオンの基本計画書の提出予定が3月だったのに、参加国が費用を負担してパビリオンを建設する「タイプA」の50か国余りのうち9か国が建設の許可申請をしなかったのであり、その原因が、資材価格の高騰や2024年からの建設業への残業規制の適用などにあることは、その時点で容易に認識できたはずである。4月の大阪府知事選挙の前には、海外パビリオンの建設の遅れに気づかず、選挙が終わって初めて気づいたなどという話は到底信用できない。

そのような番組でのやり取りの模様を端的に表現しているのが、以下の画面である。

 

 

この番組では、今年4月の統一地方選挙までに、予定どおりの万博開催が困難であることに気づくべき局面が山ほどあったのに、選挙までは、それをおくびにも出さずに「万博PR」を行い、選挙が終わると、掌を返したように、パビリオン建設の遅れ等の問題を表に出し、岸田首相に泣きついて「国の財政支援」を求める、という経過であったことをフリップで示しつつ、吉村氏に質問している。その際の吉村氏の表情は、いわゆる「ひょっとこ面」であり、質問に誠実に答えているとは思えないことが、その表情からも窺える。 テレビ番組に長時間にわたって生出演し、ここまでいい加減で支離滅裂なことを平然と言い放つ府知事を、テレビ局関係者は、どう受け止めたのか。追及材料をいろいろ提示しているわりには、吉村氏へのツッコミがほとんどないのも、「維新びいき」の関西マスコミだからこそなのであろうか。

「荒唐無稽な夢物語」の当然の結末

前述したとおり、夢洲を会場とする万博誘致は、地域社会の要請に応えるものでも、大阪府民・市民の利益になるものでもない。維新という政治集団の党利党略のための、「夢洲での国際観光都市形成」という「荒唐無稽な夢物語」の一環として計画されたものだ。

 

しかし、大阪府民・市民は、その維新が描く「大阪のバラ色の未来」に熱狂し、選挙の度に、維新を圧倒的に支持、その政治的な力は、関西では、立憲民主党等の他の野党はおろか、政権与党の自民公明も太刀打ちできないほど高まり、その絶頂の中で行われた今年4月の統一地方選挙では、その強さを遺憾なく発揮した。

 

そして、その政治的パワーをもって、吉村氏らは、大阪・関西万博は「国家プロジェクト」などと言って、そもそも維新の党利党略のための万博誘致であったことを棚に上げて、責任を国に押し付けている。一方で、政権維持のためには、国家予算を大盤振る舞いすることなど全く厭わない、しかも自ら責任を負うべきいかに重大な問題が発生しても、「責任を痛感している」「丁寧に説明していく」などと言ってあらゆる問題をごまかしてきた岸田首相にとって、当面の解散総選挙に向けて最大の政敵である維新の共同代表であり、その人気の中心にいる吉村氏が、自らの前にひざまずき、恭順を誓ってくれるのであれば、「大阪・関西万博は国の威信をかけて行う」などと言って、国の予算人員を惜しげもなく投入する方針を示すことなど「お安い御用」だった。

 

それによって、もともとは、大阪を中心とする関西の地方自治体を支配してきた維新という政治集団が引き起こした「自治体コンプライアンス問題」だった大阪・関西万博問題が、日本政府を巻き込んだ「国家的コンプライアンス問題」に発展しつつある。

大阪・関西万博をめぐる問題は、海外パビリオンの建設遅延だけではない。大会運営費の大部分は入場券収入によって充てられる計画だが、「万博の華」と言われる海外パビリオンが予定どおり建設されるかどうかも不明、プレハブによる貧弱な建物になる可能性もある、ということであれば、わざわざ高額の前売り券を自前で購入しようとする人が限られるのは当然だ。万博協会は、前売り券の大部分を関西の企業などに「押し売り販売」しようとしているが、企業の側は、万博の前売り券の購入などという無駄な支出に充てるお金があれば、物価高に苦しむ社員の賃上げに回したい、というのが本音であろう。このようなことを繰り返していれば、有力企業が関西地域から逃げていくことにもなりかねない。

 

 万博会場へのアクセス確保のための対策費、軟弱地盤でのくい打ち工事等、大幅な建設費増の補填など、今後、政府が大阪・関西万博につぎ込む国費は、雪だるま式に膨れ上がっていく可能性がある。しかし、それでも、予定どおりの万博開催にこぎつけられるかは不明であり、巨額の国費を投入して開催したとしても、入場者は僅かにとどまる惨憺たる万博になることは必至だ。

 

「維新の会」という政治集団が描いた、夢洲での国際観光拠点形成という「荒唐無稽な夢物語」に踊らされてきた大阪府民・市民は、大阪関西万博、大阪IR等のビッグプロジェクトによる「破滅的なツケ」に払わされることになる。それだけではない、その「尻ぬぐい」を国費で引き受けることで維新に貸しを作った岸田首相の目論見どおり、次の解散総選挙で政権を利することになる可能性がある。自治体首長の政治目的による大阪・関西万博誘致という“戦後最大の自治体不祥事”は、国民全体にとっても大きな「災い」になりかねないのである。