自民政治終わらせよう
党国会議員団主催 国会内で緊急集会
国民的大運動呼びかけ

 

穀田恵二さん
自民党政治を終わらせようと改めてのろしをあげた緊急集会。
世論調査に見るように、自民党政治への批判が渦巻き、事実上の不信任が突き付けられているのに粛々と悪政を進めるなど断じ

許されない。政治を変える闘いに立ち上がろう、今度こそ腐敗の温床である企業団体献金を禁止させよう。

 

 自民党派閥による政治資金パーティー収入の裏金疑惑をはじめ自民党政治への国民の怒りが沸騰するなか、「自民党政治を終わらせよう 金権腐敗・裏金疑惑徹底追及 企業団体献金禁止法の実現を!」と訴える緊急集会(日本共産党国会議員団主催、全国革新懇協賛)が27日、国会内で開かれました。国民の要求実現に取り組む全国団体が結集し、各地の草の根からの運動と一体となって自民党政治を終わらせる国民的大運動を広げる決意を固めました。

 

 日本共産党の小池晃書記局長が基調報告し、今回の裏金疑惑は「自民党がかかわる極めて重大な金権腐敗事件だ」と指摘。パーティー券という抜け穴を使って政治家の側から企業団体にたかり、派閥ぐるみで巨額の裏金づくりをシステム化していたもので「悪質きわまりない」と批判しました。小池氏は、裏金づくりに誰が関与し、裏金が何に使われたのかなど徹底究明すべきだと主張。そのため司法・検察の厳正な捜査で刑事責任を問うとともに、国会の役割が重要だと強調しました。国会が国政調査権を行使し、すべての関係者の証人喚問によって全容解明し、政治責任を明らかにすることを強く求めました。さらに小池氏は、金権政治根絶のため、パーティー券購入も含めた企業・団体献金の全面禁止や政党助成金廃止を訴えました。

 その上で、安保法制=戦争法、消費税の連続増税、原発再稼働、社会保障削減反対などの国民のたたかいの全てにおいて反動的な役割を果たし強権むき出しで襲いかかってきたのが自民党だと指摘。「たたかいを一つに結集し、自民党政治を終わらせる国民的大運動を起こそう」と呼びかけました。

 「しんぶん赤旗」日曜版の田中倫夫副編集長が、裏金問題を追った取材過程を振り返り、「ファクト(事実)を確実に積み上げていくことが自民党を追い詰める力になっている」と述べました。

 自由法曹団、全労連、全国商工団体連合会、農民運動全国連合会、新日本婦人の会、全日本民主医療機関連合会の代表者が、国民の命や暮らしを壊す自民党政治の転換をそれぞれ訴えました。

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員が司会し、穀田恵二国対委員長が閉会あいさつ。衆参国会議員13人が参加しました。

 

森喜朗元総理への“裏金上納疑惑”に特捜部が関心 直撃に語ったあきれた“言い分”とは

 

いい加減「キックバック」なんて横文字で誤魔化さず、はっきり「裏金」って言え

 

 

 清和政策研究会(安倍派)が裏金問題で瓦解寸前だ。所属議員らが派閥の責任をあげつらう一方、にわかに注目を集めているのが森喜朗元総理(86)の動向である。自身に重大疑惑が持ち上がる中、2012年の引退後も派閥を牛耳ってきた首領が本誌(週刊新潮)の直撃に放った言葉とは。

 

 ***

 最大派閥・清和会(99人)が危機的状況に陥っている。同会はかねて裏金問題の本丸と指摘されてきたものの、公式には裏金作りを認めてこなかった。

 しかし今月14日に松野博一前官房長官(61)、西村康稔前経産相(61)らと共に事実上更迭された鈴木淳司前総務相(65)が15日、

「地方議会も含め、政治の世界で(パーティー券の)チケットを売って、お金をバックするのはあった。この世界で文化といえば変だが、その認識があった」

 と告白。また、同じく辞任した宮沢博行前防衛副大臣(48)も、

「(政治資金収支報告書に)記載しなくてよいと派閥から指示があった」

 そう裏金作りの実態を証言。さらに、派閥からかん口令が敷かれていたと語り、

「派閥が皆そろって身の潔白を証言していこう、ちゃんと修正していこうとリーダーシップを早く取ってもらえれば、私もこうやって仲間を裏切って早く説明することはなかった」

 などと、ぶちまけたのである。

“これ以上、森さんに口出しされたくない”
 すっかり”裏切者”が続出する事態となったのだが、派閥を率いる5人衆の動きは鈍い。というのも、

「5人衆のうち、松野前官房長官、西村前経産相、高木毅前国対委員長(67)ら3名が事務総長経験者で東京地検特捜部の捜査対象ですから、身動きが取れないのでしょう。彼らは常任幹事会すら開かず、事態の収拾や調査にも乗り出していません」

 とは、清和会所属のさるベテラン議員。

「本来は派閥として方針を統一し、事態収拾へ動き出すべきです。それができないなら、派閥なんて要らない。各議員、毎月安くない会費を歳費から派閥に納めていますが、清和会では今後の選挙も戦いづらい。派閥にとどまるメリットはもはやないのでは」

 続けてこう嘆息する。

「森さんがこの危機にかこつけて、5人衆でも、特に子飼いの萩生田光一前政調会長(60)を清和会の新会長につけようと画策している。しかし裏金作り自体は、森さんの時代からあった。森さんは機能不全に陥った5人衆の製造責任者でもあるわけで、いわば今般の混乱を作り出したすべての元凶。派内からは”これ以上、派閥の運営に関して、森さんに口出しされたくない”という声が上がっています」

 

森元総理に上納か
 もっとも、森元総理を”諸悪の根源”とみるのは、なにも清和会所属の議員だけにとどまらない。

 法曹関係者が打ち明ける。

「特捜部は清和会の秘書だけでなく、すでに一部の議員への聴取も開始しています。そうした中で、聴取対象者は”キックバックの一部を森元総理に上納していなかったか”と、聞かれる場面が出てきています」

 特捜部が森元総理への裏金の流れに、重大な関心を寄せているというのである。

「特捜部は昨年、五輪汚職に関連して森元総理に複数回、事情聴取を実施していますが立件には至っていません。森元総理には遺恨があります」(同)

 その森元総理は昨年、腰の骨を圧迫骨折した影響から、現在は夫妻で都内の高級介護施設に暮らしている。本誌(「週刊新潮」)記者は裏金の上納疑惑も含め、一連の疑惑について、森元総理本人を直撃したが、

「俺は清和会の人間じゃないんだ」

 未だ派内を事実上支配しながら、特捜部にその”あきれた言い分”は通用するのか。今後の展開が見物である。

「週刊新潮」2023年12月28日号 掲載