県被団協 箕牧智之理事長
「昭和20年8月15日を境にもう全て変わったんですから、教育勅語というのはやはり使って欲しくない」

 


 

広島市の松井市長が新人職員の研修などで「教育勅語」を引用していることについて、被爆者団体が使用の中止を申し入れました。

広島市に抗議したのは県被団協の箕牧理事長らです。広島市では2012年以降、毎年新人職員研修などで松井市長が、戦前・戦中の「教育勅語」の一部を引用。すでに複数の団体が抗議文を提出しています。箕牧理事長は「教育勅語を持ち出すことは市長が戦争へと進んだ時代の教育を評価していると感じる」として引用を取りやめるように求めました。

■県被団協 箕牧智之理事長
「昭和20年8月15日を境にもう全て変わったんですから、教育勅語というのはやはり使って欲しくない」

広島市の担当者は「市長にしっかり伝える」としています。
(2023年12月25日放送)

 

 

「教育勅語」引用した研修「撤回を」 広島市役所前で90人が抗議

 
 
 広島市の松井一実市長が、市の職員研修で戦前・戦中の「教育勅語」の一部を引用していることを受け、市民の抗議活動が22日、市役所前であった。「平和・民主・革新の日本をめざす広島の会」の呼びかけで約90人が集まり、「撤回を求めます」などと書かれた横断幕を掲げた。

 抗議活動に先立ち、同会は県労働組合総連合、共産党県委員会、県原爆被害者団体協議会(佐久間邦彦理事長)など8団体と連名で、教育勅語の引用に抗議し撤回を求める要請書を市に提出した。

 県被団協の佐久間理事長は市役所前でマイクを握り、「一般の人が教育勅語の話をするのと、広島市長が言うのでは別問題だ。戦争被爆国として、なぜ戦争をしたか考えると、教育勅語の役割は非常に大きい。絶対に教育勅語を市政の中に入れないことを確約してほしい」と話した。

 この日は、県平和運動センター、自治労県本部、県教職員組合など5団体も連名で同様の要請書を市に出した。要請書では「憲法尊重擁護義務のある市職員から疑義が唱えられなかったことに大きな危惧を抱く」などとした。

 松井市長は2012年から、講師を務める広島市の新規採用職員と新任課長級職員の研修で教育勅語を引用していた。昨年の新規採用職員研修の資料の「生きていく上での心の持ち方」と題した項目では、教育勅語の一節として「爾(なんじ)臣民 兄弟(けいてい)に 友に 博愛 衆に及ぼし 学を修め 業を習い 知能を啓発し 進んで公益を広め 世務(せいむ)を開き」との文言を掲載している。

 今月11日には「教育勅語を再評価すべきとは考えていないが、その中に評価してもよい部分があったという事実を知っておくことは大切だ」とのコメントを出していた。(柳川迅)

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