「私を守れ」...公明党は池田大作の「私兵」だった?かつて池田大作を追いつめた「意外な国家機関」と公明党の行く末

 
選挙の話をしている時突然に「私創価学会員になりました」と…あの日が忘れる事が出来ない。初めての子に顔にアザがあると気にしていたので「大きくなるにつれ薄くなるはず」と私もそんなに深刻に考えずに答えていた。転勤をした際向かいの方が優しくしてくれ子供のアザのことも一緒に悩んでくれたなどと入信に至る話をし出す。唖然としながら聞いていたがその中で「池田先生」と言う言葉が何回も出てくる。それは教師対教え子のような関係ではなく、完全に崇拝しているので「生きた人間を神の如く崇拝するのは危険よ」と説明するが時はすでに遅く、それから私からは去って行き、今の存在は分からない。子供も20歳を超えて、あのアザは来たであろうか?
 
選挙の際は懸命に級友たちに電話をかけているようだったが、その度に「〇〇が私創価学会員になり選挙のお願いの電話がありました。余り仲良くした記憶が無いのに…」と選挙の度に不思議がって報告が来ることとなる。私には全く連絡な。その度に私は「公明党の偽善の姿勢を説明し、政党が宗教の下請けになるのは怖い」と説明した記憶が蘇る。
 
 
創立記念日である11月18日に突如公表された池田大作名誉会長の逝去。享年95。毀誉褒貶の激しいカリスマは、「怪物」か「聖人」か。その生涯や教えに多角的に迫る。そして公明党の行く末やいかに。
 
 
公明党はどこへ向かうのか?
〈池田大作先生が霊山へ〉

〈仏法史上不世出の大指導者 師弟不二を貫き世界広布の壮挙〉

11月19日付の聖教新聞は、創価学会名誉会長・池田大作氏の逝去を独特な言葉遣いで報じた。紙面には「池田先生の偉大なる足跡」が細かい年表とともにびっしりと綴られている。

池田氏の訃報を受け、公明党の山口那津男代表は、20日の参院議員の党会合でこう挨拶した。

「これからの公明党はどうなるのか、いろいろな声もあるかもしれない。しかし、『大衆とともに』という立党精神を変わらぬ原点として永遠に守り抜いてまいりたい」

集まった公明党議員からは拍手が沸き起こった。ただ、「いろいろな声もあるかもしれない」との発言は、党内が動揺していることをうかがわせた。
 
池田氏は'64年に公明党を創設した。32歳で第3代会長に就任して以降、創価学会の政界進出に主導的役割を果たしてきた。
その池田氏が15日、老衰のため、東京・信濃町の自宅で亡くなった。その死が公に知らされたのは3日後の18日、すでに家族葬を済ませ、荼毘に付された後だった。

「11月18日は創価学会の創立記念日であり、牧口常三郎初代会長の命日でもあります。あえてこの日に発表したのは、学会員にとって11月18日をより特別な日にしようという意図があったのではないでしょうか。逆にいうと、それだけ学会にとって池田大作氏の存在は大きかったということです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 
 
選挙戦への影響は
そんな池田氏が公の場に姿を見せたのは、'10年11月22日、米国の大学からの博士号授与式に出席したのが事実上最後とされる。10年以上、表舞台に出てきていなかったため、その死が政治に与える影響はそれほど大きくないと見る向きもある。

「そもそも池田さんが表に出てこなくなってから、第6代の原田稔会長の下で長い間、自公関係は続けているし、さほど関係性は変わらないだろう」(自民党閣僚経験者)

この言葉を裏付けるように石破茂元幹事長もこう語る。

「(池田氏死去での影響は)ないでしょう。イスラム教にコーランがあるように、創価学会には池田先生が書いた名著『人間革命』があるわけだから」
 
小説『人間革命』は学会員から聖典として崇められているという。キリストやムハンマドと同様に、池田氏は死後もなお影響力を残すと石破氏は見ているようだ。

一方で、池田氏とじかに接してきた公明党の議員の間には動揺が広がっている。

ベテラン議員は、

「なんと言われようが、池田先生が党の精神的支柱であったことは間違いない。選挙戦への影響は大きい」

と危機感を抱く。

池田先生のために
実際、池田氏が表舞台から姿を消してからというもの、公明党の集票力はあきらかに低下している。参院選の比例票は'04年の862万票をピークに減少傾向となり、昨夏は618万票まで落ち込んだ。背景にあるのが、学会員の高齢化だ。

「公明党の選挙運動を支えてきたのは、創価学会『婦人部』でした。婦人部は主に既婚の女性会員の組織で、そこに属する女性たちが『池田先生のために』と懸命に選挙運動に邁進してきた。

ところが、婦人部は一昨年、主に未婚の女性が入る『女子部』と統合され、『女性部』となりました。婦人部の高齢化や女子部の減少が進んだことが影響していると見られます」(ジャーナリスト・山田直樹氏)

女性の社会進出が進み、専業主婦のように機動的な選挙運動ができる人材が少なくなっていることも、集票力の低下の一因と見られる。

この現状に、池田氏の死が追い打ちをかける可能性はおおいにある。

「池田大作という人物を崇拝し、選挙活動で、集票の核になっていた特に婦人会員などは、『池田先生のために』と、選挙に鼓舞する人が多かった。その道標が消えて、今後の得票に大きく影響するかもしれません」(ジャーナリスト・段勲氏)

そもそも公明党自体が、池田氏を守るための政党だったという指摘もある。ある公明党元幹部は、「公明党議員は池田氏の私兵」という位置づけだったと証言する。

国税庁から池田氏を守る
「'90年から'92年にかけて国税庁が学会本部に初の税務調査を行いましたが、このとき国税庁は、学会マネーだけでなく池田氏の個人資産も洗い出そうとしました。池田氏はパニックに陥り、『私を守れ』と公明党議員を怒鳴りつけた。学会にとって池田氏は聖域であり、国税庁が介入してくることは何としても避けねばならなかったのです。

池田氏の資産問題があったために、公明党は国税庁ににらみが利く政権与党に参入することを決めたのです」

公明党が自公連立を組んでいる最大の目的は、国税庁から池田氏を守ることにあったというのだ。

しかし、なんとしても守らねばならなかった池田氏はもういない。一部の学会員からは、「政治活動からは手を引き、宗教活動に専念すべきだ」という声も上がり始めた。

公明党内部からも、「衆院小選挙区の撤退論が再び起きるかもしれない」(公明党幹部)という声が聞かれる。

「日本維新の会は公明党が議席を持つ大阪4選挙区と兵庫2選挙区に候補者擁立を検討しており、公明党は最悪の場合、次回の衆院選で6議席をすべて失うことになります。そんなことになれば、公明党は小選挙区から撤退せざるを得なくなる」

公明党や創価学会の集票力が弱まれば、連立を組む自民党との関係にも変化が生じてくる。自民党中堅議員が言う。

「組織力が低下すれば、これまで学会の組織票が欲しいために要望を聞いていた自民党議員たちもあまり忖度しなくていいことになる。それはそれでいいのかもしれない」

自公関係に亀裂が入れば、政界再編に直結する。憲法改正を党是としている自民党からは、「この際、改正に慎重な公明党は切り捨てて、維新の会や国民民主党と組んではどうか」(自民党幹部)という声まで上がり始めている。麻生太郎副総裁が、公明党幹部を「がん」呼ばわりして、両者の関係が冷え込んだことも記憶に新しい。