私は原作を読んだが映画はまだ…。

中央線の廃線(旧線)の旧瀬沢隧道(ずいどう)―旧立場川橋梁(きょうりょう)跡がロケ地となり、登場人物の少年2人だけが知る「廃電車の秘密基地」などが描かれている。是枝監督は「鉄橋(旧立場川橋梁跡)が一番好きだった。脚本を読んだ時点で、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をイメージした」と明かした。

 

 

 長野県の諏訪地域で撮影され、カンヌ国際映画祭で脚本賞などを受賞した映画「怪物」の是枝裕和監督を招いた集会(ティーチイン)が24日、富士見町と岡谷市で開かれ、是枝監督が撮影秘話を披露した。

 富士見町の会場では約250人が参加。是枝監督は、諏訪地域で撮影した理由について、「脚本では東京の西の小さな町だったが、東京は撮影に非協力的。千葉と諏訪が候補地に挙がったが、十数年前に、テレビドラマ『ゴーイングマイホーム』を諏訪でも撮ったので、その時の信頼感があった」と語った。

 

 富士見町では、中央線の廃線(旧線)の旧瀬沢隧道(ずいどう)―旧立場川橋梁(きょうりょう)跡がロケ地となり、登場人物の少年2人だけが知る「廃電車の秘密基地」などが描かれている。是枝監督は「鉄橋(旧立場川橋梁跡)が一番好きだった。脚本を読んだ時点で、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をイメージした」と明かした。

 また、「撮影していると、野生のサルが30匹くらい、トンネルのそばまで見学に来た。これを撮れたらと思ったが、カメラが動くといなくなった」と思い出を語った。

 最後に質疑応答もあり、ラストシーンの解釈について質問した原村の男性(63)は「自分の受け止めと作り手の意図と一致した。思った通りで良かった」と話していた。