「家族の愛」はギャンブル依存に効かず お金のピンチは回復への好機

 
ギャンブル依存症は病気。病人を増やす施策を強引に進める「維新」。賭博は本人を崩壊させ家庭を崩壊させる。『カジノ反対』!
 
 
 
 
 パチンコ、スロット、競馬……。公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」(東京)は、依存症の当事者やその家族の相談に応じている。置かれた状況は千差万別だが、共通しているのは、「家族の愛」では依存症から回復させられないことだという。

 相談者の一人、新潟市に住む団体職員の女性(56)は、息子(31)のパチンコと市販薬の過剰摂取に苦しめられた。お金をせびるだけでなく、複数の消費者金融に借金を作る息子に対し、叱りつつ結局はお金を渡し、借金の尻ぬぐいも繰り返した。

 女性は当時を「息子の夢や将来をつぶしてはいけないと思っていた。家族で解決しようとして、何も解決しなかった」と悔いる。


まずはお金を断つことから
 考える会の田中紀子代表(58)は、ほとんどの家族に共通することとして「自己破産といった借金整理の知識が欠けている」と指摘。「正しい知識を身につけ、お金を取られないようにしっかりガードしておけば、安心して当事者を見守れる」と助言する。

 当事者がお金のピンチに陥ったときが回復に向かわせる好機とし、「そこで家族が尻ぬぐいをするから、またギャンブルをして、症状がどんどん悪化してしまう」。まずは、お金を断つことが重要だと強調する。

 そのうえで、考える会の相談専用電話の番号(070・4501・9625)を当事者に伝えるようアドバイスしている。自助グループとつなぎ、回復への糸口にしてもらうためだ。

 考える会は、各地の家族の会や当事者の会などと連携し、相談会やセミナーを開催。依存症から回復した人やその家族の事例を紹介するなどして、前向きに生きる手助けをしている。家族らの相談を継続的に受ける「伴走支援」にも取り組んでいる。

 問い合わせは、考える会事務局(03・3555・1725)へ。(茂木克信)