『Zガンダム』エマ役・岡本麻弥、インボイス制度の中止へ涙の訴え 自身も「廃業も視野に入っています」

 

2023年3月末のインボイス登録。法人の88%が登録。個人事業主は53%

登録すると収入の約1か月分が吹っ飛び、廃業の危機。登録しないと取引先は税控除ができず、負担増が生じる。このため取引を解除される可能性も。

『Zガンダム』岡本麻弥、インボイス制度の中止へ涙の訴え

 

自民党政府はアニメ、ゲーム等のコンテンツ産業を海外へのニッポン売り込みにさんざんと利用しておきながら、国内での彼らへの待遇対処はインボイス制度のように冷酷極まりない制度を上から押し付けてきて平然としている。
こんな仕打ちが通るなら遠からずこうした産業基盤は海外に移植されるだろう。

 

世界最高のコンテンツ産業を「意味のない増税」「無意味な事務処理」で潰そうとしてるんだから、自殺行為以外の何物でもない。どうかしてる。

 

 

 

 

 『ガンダム』シリーズなどのアニメプロデューサーの植田益朗氏、『機動戦士Zガンダム』エマ・シーン役で知られる声優の岡本麻弥、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』キャラクターデザインや『呪術廻戦』総作画監督を務めたアニメーターの西位輝実氏が22日、日本外国特派員協会で、クールジャパンを壊すとしてインボイス制度の中止を求める記者会見を開いた。

 

 アニメ業界の未来を考える会で植田氏は代表世話人を、西位氏は世話人を、VOICTIONで岡本は共同代表を務める。インボイス制度は、今年10月から始まる新たな税の制度。導入によって、声優の約30%が廃業を検討する、というデータもある。

 インボイス制度は若手への影響が大きいことを説明した植田氏は「若手のいない業界は衰退します。アシスタントがいなければ漫画もできず、アニメーターが減ればアニメ作品も激減します。誰もが知る超大作、人気コンテンツは、今はまだ名もない多くのクリエーターがいなければ生まれません。財務省による行為は、日本が世界に誇る文化であり、クールジャパンという輸出コンテンツの目玉であるアニメ、漫画をシュリンクさせる自殺行為であります」と断言した。

 岡本は米国での留学中に日本のアニメで話が盛り上がったことを明かし「アメリカにいる間、何度も日本のアニメや漫画のことを本当に誇らしく感じました」とする。「それが今、日本で始まるインボイス制度で破壊されようとしています。このままでは愛すべき日本のポップカルチャーが失われていってしまいます」と涙ながらに訴えた。

 また、岡本は「声優は事務所に所属していても、ほとんど個人事業主。今、課税事業者になるか、免税事業者になるかの選択を迫られている。96%が免税事業者という実情があります。課税事業者になると消費税の課税義務があると知らずに促されるまま登録している人がいっぱいいます。いろんな業界で起きていることですけど」と実情を語る。

 免税事業者のままでは、仕事が静かに減る可能性も出てくる。一方、課税事業者になれば煩雑な消費税の処理が必要になってくる。「(課税事業者になっても)税理士を雇える人ばかりではありません。もし雇えなければ個人で時間を割いてやらないといけない。私たちは自分を磨くために時間を使いたいんです。あと、若い子たちはバイトしながら、いつかトップを取るために山を登っているんです。なまけているワケじゃない。その山を登っている人たちを、ごっそりなくそうとしている。(免税事業者、課税事業者の)どちらも正解じゃないボタンを押せ、と言われている。免税事業者のままでもいられるでしょう。ただ、同じような年齢で同じようなスキルだと、楽な課税事業者に仕事を振る。私のようにフリーだと、表立って『インボイス制度未登録だから』とは言わない。何か起きるかと言われれば、そっと消えていく。これが1番、恐ろしいこと。そういう人がたくさんいます。もし公正取引委員会に言ったって助けてくれない」と説明。最後は、自身についても「廃業も視野に入っています。こんなの何もいいことないんです」と目を赤くしながら声を上げていた。

 一方、アニメーションの制作会社の現状も明かされた。正確な数字は取れていないが、大小のスタジオからヒアリングした結果として植田氏は「アニメーターの人手不足が業界の常態。アニメーターの方と良好な関係を築くため、という観点でインボイス制度が始まったとしても『今までの条件で続けたいと思っている』と表明されている会社がいます。逆に小さいスタジオからすると、課税事業者になってもらった方が会社の負担は少ない。ですが、『それなら、ほかの会社で仕事します』と仕事を受けてもらえないのが見えている。今まで通りに対応する。これは暫定的な形。激変緩和措置が明け、消費税がさらに上がっていくと、同じような状態が続けるのは難しいというのが多くの方の判断。スタジオにとっても大事な問題。結論的には、制度自体を取りやめていただくのが免税事業者にとっても、スタジオにとってもメリットがあること」と語った。ただ、「『決まったこと』と諦め感が強いですね。残念なことなんですけど」と苦しい胸の内を吐露した。

 

 

文化のすそ野を削るな

インボイス制度中止に

日本外国特派員協会 アニメ関係者ら会見

 
(写真)インボイスによって「若手が未来に希望を持てなくなる」と訴える岡本さん(左から3人目)=22日、東京都千代田区
 
 
 10月1日から導入が狙われている消費税のインボイス(適格請求書)をめぐってアニメーターや声優などエンタメに携わる人らが22日、東京都千代田区にある日本外国特派員協会で会見しました。弱いものに新たな税負担を強いる同制度によって、「文化のすそ野が削られてしまう」と訴え、導入中止を訴えました。

 アニメプロデューサーの植田益朗さん、声優・俳優の岡本麻弥さん、アニメーターの西位輝実さん、税理士の湖東京至さんの4氏が参加しました。インボイス中止を求めて約1年半、さまざまな形で声を上げ続けている各氏。日本の大手メディアがこの問題をほぼ報じないもとで、海外メディアに向けて訴えました。

 会見では、インボイスが導入されれば、どのエンタメ業界でも2~3割が廃業を検討しており、その多くが若手だと告発しました。

 アニメ業界に30年以上携わり、「機動戦士ガンダム」や「シティーハンター」などの作品にかかわってきた植田さんは、「世界の誰もが知っている有名な作品も、無名な新人がつくってきました。制度の問題点すら周知されないまま、インボイスが導入されようとしている。この状況を打破したい」。

 大半が個人事業主で、7割以上が年商300万円以下の声優業界。岡本さんは、インボイスによって新たな税負担を受け入れるか、仕事が減るかという「正解のないボタンを押せと言われています。そうなれば私たちはそっと消えていくだけです。どうか助けてください」と述べました。

 

 

「インボイスは悪法」

中止へ 漫画家・編集者が屋外初宣伝

国会前

 
 
 政府が10月から実施を狙う消費税のインボイス(適格請求書)制度を中止させようと20日、「インボイス制度について考えるフリー編集(者)と漫画家の会」は衆院第2議員会館前で行動しました。屋外での行動は初めて。

 4時間に及んだ行動。漫画家らがその場でペンをふるい、絵やコメントで表現しました。「インボイス増税反対」と描いた漫画家のbomiさんは「岸田文雄首相は、インボイス実施は増税ではないといいますが、低所得でも納めないといけない増税です」と指摘。作家の収入が不安定で小さい子ども2人を育て、生活に困ることもあるといいます。「国は漫画を『クールジャパン』と持ち上げますが、やっていることは小規模事業者つぶしです。インボイス登録をせずに踏ん張ります」と語ります。

 「漫画の作画補助アシスタントの若い子の将来のために後悔したくない」という漫画家、大須賀こすもさんは免税事業者。月刊・週刊連載はアシスタントの力が必要です。「漫画家志望の芽を摘んではいけません。インボイス完全中止・撤廃まで声を上げたい」

 街宣で漫画家の由高(ゆたか)れおんさんは「インボイス制度は誰が何と言おうと悪法です。希望を捨てず声を上げ続けて止めよう」と訴えました。