無理やり裁判を終わらせた国の卑劣な「認諾」から4カ月。森友学園問題で公文書改ざんを強要され自死した財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、東京都内の日本記者クラブで、代理人の生越照幸弁護士とともに記者会見を行いました。

 

 

 1億円の税金を払って無理やり裁判を終わらせた国の卑劣な「認諾」から4カ月。森友学園問題で公文書改ざんを強要され自死した財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、11日、東京都内の日本記者クラブに招かれ、代理人の生越照幸弁護士とともに記者会見した。

 雅子さんが国と佐川宣寿元財務省理財局長を相手に起こした裁判の舞台は大阪地裁。そのため、関西では審理の都度、経過は新聞テレビで報じられるが、東京ではスルーされがちだ。雅子さんは、「東京の人たちに伝えられる機会をもらって本当によかった。近畿財務局で起きた事件ですが、指示してきたのは東京。東京の財務省の思惑で起きたことですから」と日刊ゲンダイの取材に語った。


 国は異例の巨額を支払ってでも頑として不都合な真実を明らかにしなかったが、佐川氏との裁判は現在進行形だ。安倍元首相の関与があったのか、改ざんを佐川氏自身が考えたのか、それとも誰かの指示だったのか。佐川氏の胸ひとつで明らかになるはずだ。
 

 

佐川氏に「法廷に出てきて、全て語って」

 

 

 会見で雅子さんは、「1人で背負って、墓場まで持って行って、何かいいことあるんでしょうか」と疑問を投げかけた。そして、佐川氏に向けてこう言った。

「法廷に出てきて、自分の口で何があったのか、しっかり語っていただきたい。国会では『刑事訴追の恐れがある』として逃げておられたけれど、今はそういう心配はないので全て語って欲しい」

 佐川氏との裁判について代理人の生越氏はこう話した。

 

「もうすぐ尋問の申請をします。公務員の個人責任は戦後、否定されていますが、行政法の先生に意見書を書いてもらっています。国が求償せず、刑事訴追もされないなら、民事訴訟しかありません」

 岸田首相が「認諾」を決め、安倍元首相は涼しい顔して闊歩している。

 このままでは森友事件は忘れ去られかねず、世間に「いつまでやっているんだ」という声があることについて、雅子さんはこう答えた。

「『たった1人の人間が亡くなっただけで、赤木雅子はしつこい』みたいなことが書かれているのをネットで見ると、とてもつらい。夫婦2人だった私にとっては唯一の家族でした。夫は『これは戦争と同じで、上司に指示されれば、白いものを黒といわなきゃいけない』と言っていました。そんな現実があったのなら、どこか間違っている」

 

 会見終了後、「(日本記者クラブは)格式の高いところで、すごく緊張しました」と日刊ゲンダイに打ち明けた雅子さん。同クラブ恒例の揮毫(きごう)は、夫の似顔絵とともに「私は真実が知りたい」だった。