安倍政権、菅政権と世の中が悪くなっていく中、デマゴーグとデマを拡散する組織が活発に動いている。
日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉が任命しなかった問題では、デマや論点ずらしが連日のように社会に投下された。
10月5日、フジテレビ上席解説委員の平井文夫は、フジテレビ系「バイキングMORE」において、「この(学術会議の)人たち、6年ここで働いたら、そのあと(日本)学士院ってところに行って、年間250万円年金もらえるんですよ、死ぬまで。皆さんの税金から、だいたい。そういうルールになってる」と根も葉もない大嘘をついた。
日本学術会議は内閣府の所管で、科学に関する重要事項を審議する科学者の組織。政府に対して提言をするのが役割のひとつで、210人の会員は非常勤特別職の国家公務員である。
一方、日本学士院は文部科学省の組織。学術上功績顕著な科学者を優遇し、学術の発達に寄与するため必要な事業を行うとされる。定員は150人で終身会員となる。
要するに、所管も役割も選ばれるプロセスもまったく違う。平井が述べた「ルール」など存在しない。
視聴者やメディアから批判が出ると、翌日番組は謝罪したが、アナウンサーが「誤った印象を与えるものになりました」と言っただけ。
アホかと。これまで安倍政権に媚びていた乞食言論人が今度は菅政権に媚びるためにデマを流しただけではないか。
実際、平井の発言はネット上のデマサイトで紹介され、情弱のネトウヨがそれをさらにSNSで拡散させた。
「日本学術会議は中国の息がかかっている!」というデマも広がった。自民党の甘利明は日本学術会議は中国による科学者の招聘事業「千人計画」に「積極的に協力している」とブログにデマを書き、ネトウヨがそれを拡散させた後に、こっそり表現を修正した。
デマを流すのは簡単だが、修復するのは難しい。特に公共の電波を使った場合、取り返しがつかないことになる。
デマゴーグはデマを流すのが仕事である。モラルがない人間にモラルを求めても仕方がない。だとしたら、番組と放送局に責任を取らせるしかない。一種の連座制を適用すべきだ。