立憲民主党・枝野代表は原発マフィアの連合・電力総連からの圧力に屈せず、「原発ゼロ」の旗を高く掲げ続けるべきだ。

 

立憲民主党と国民民主党は2027年8月27日、合流新党の結成を前に、最大の労働組合のナショナルセンターである連合とともに、「共有する理念」をまとめました。

 立憲民主党は旧民主党時代からの原発ゼロを形にしようと、国会に、原発再稼働を認めないことや法施行後5年以内の原発の廃炉などを柱とする

「原発ゼロ基本法案」

を提出しています。

 ところが、合流新党の「理念」には国民が掲げる「中道の精神」とかいう文言を盛り込む一方で、立憲民主党が新党の綱領案にも入れようとしていた「原発ゼロ」は明記しなかったのです。

 これじゃあ、新党は安倍首相に政権を「禅譲」したも同然の野田政権以下です。

 

 立憲の福山哲郎、国民の平野博文の両幹事長、連合の相原康伸事務局長は8月27日午前に記者会見し、新型コロナウイルス収束後の社会像を見据えた「理念」について発表したのですが、そもそも公党の合併についての記者会見に圧力団体として労働組合がしゃしゃり出てくるのがおかしくないですか。

 そしてこの「理念」は立憲が主張してきた「原発ゼロ」には触れず、

「二項対立的思考に陥ることなく、科学的な知見に依拠する」

と書かれています。

 二項って脱原発と原発推進のことですよね?

 この二つって相並び立たない矛盾した政策なんですから、理念ならどっちかを取るしかないじゃないですか。

 これこそ、野合、人数集めのための理念そっちのけの玉虫色、というか原発維持での決着です。

 

 国民民主党側では、連合の産業別組織(産別)の電力総連や電機連合などが支援する議員らが「原発ゼロ」に反対していて、新党の綱領案に

「原発ゼロ社会を一日も早く実現」

との文言も盛り込まれたことに猛反発していました。

 この記者会見の後、連合の神津里季生会長は27日午後に、立憲の枝野幸男代表と会談し、

「『原発ゼロ』のことばが1人歩きすると、原発が悪いことのような誤解が広がる」

「いまそこで働いている人のことを忘れてはならず、新党の政策論議などでは表現の置き換えを徹底してもらいたい。発言の際には『原発ゼロ』を使わないでもらいたい」

と求めたのですが、ちゃんちゃらおかしくないですか。原発は悪いものなんですよ。

 

 それならば公害企業も薬害企業も、そこで働いている人はいたのです。だからって、水俣病を生んだチッソや薬害エイズをもたらした旧ミドリ十字などの会社をそのままにしておけますか?

 公害や薬害は即時止めなければいけないし、社会全体に害悪をもたらす企業は淘汰されなければならないのです。

 労働者の権利の保護はそれと並行しても行えます。

 

 民主党の最大の支持母体が連合だか、電機総連だか知りませんが、公党の代表に言葉使いまで支持するだなんてあり得ないです。

 ところが、枝野代表の態度は不鮮明で会談後の記者会見で、原発ゼロ基本法案の扱いについては明確な考えを示さず、神津氏の要求についても

「『原発ゼロ』のことばが与える印象がプラスの人もいるが、誤解を生むという指摘は真摯(しんし)に受け止め、配慮していきたい」

などと言い出しました。

 原発ゼロは綱領に入れるか入れないか、選挙で公約にするかしないか、口に出して言うか言わないかどっちかしかないんですよ。

 立憲民主党が発足当時に今の3倍も支持率があったのは、小池都知事の「排除の論理」にキッパリNOを言ったからです。

 数を増やすために右に右にシフトしたって、国民民主党の支持率なんて1%しかなかったじゃないですか。

 こんな煮え切らない態度を取っていたら、合流新党だって支持率5%政党に成り下がるにきまっています。

 原発ゼロとか、立憲主義とか、高く掲げた旗を降ろさなければ、安倍政権に怒っている市民の支持も得られるんですよ。

 しっかりしてください、立憲民主党と枝野さん!

 

 

東京電力を中心とする電力総連とか、原発を作っている東芝などの電機連合とか、それらの企業の雇用や給与を守るために原発維持するだなんてことできないんですよ。

それも利権です。原発に依存する労働組合も原発マフィアの一員に成り下がっているわけです。

そんな圧力団体に屈するのなら、肝心の多数の市民の支持は失いますよ。