経済学者のJ・M・ケインズは「有効需要の原理」などマクロ経済学の泰山北斗で、現代でも世界各国の経済政策に深い影響を与えている。その彼に「節倹のパラドックス」という理論があって、「お金や物の節約は個人としては美徳だけれど、国民が全員節約すると、その国の経済は衰退する」というロジックだった。つまり「金は天下の回りモノ」(ケインズはそうは言っていないが)だから、人々が消費に励むほど、その国家全体の経済規模は活性化して大きくなる、という一種逆説的な理論だ。

 今回の新型コロナ騒動で、赤ん坊まで含めて(誕生日によって運不運があっただろう)一人10万円支給するという政府の決定は、落ち込む有効需要を下支えするという、ケインズのこの理論にも繋がっている。つまり、お上がくれたこの10万円は貯蓄すると意味が無いわけで、生活費の補助ほかは、とにかく消費することが、確実に小さくなっていく国家経済というパイを、多少とも食い止められるという意味を持っている。

 ということで、私も滅多に行かない高いテンプラ(3か月休業して先週開けたというその店はガラガラでした)を家族で食べに行ったり、夏のシャツやズボンを買い、おまけに写真の跳び箱型小物入(何年も前から気になっていたが、なかなか手が出なかった)などに、無駄づかいさせてもらった。と思ったら、贔屓のお馬サンが鬼足でテンプラ代を負担してくれたりして、今後10万円までは益々無駄づかいせねば、と思って〼。

 政府としては二次、三次の追加経済政策(消費税減税等の財政政策)が必要だろうけれど、とりあえず安部ちゃんありがとう。跳び箱型小物入は、心臓の飲み薬入れに重宝して〼。

 

(ちなみに、このamebaに掲載していた掌篇小説「まれに天使のいる場所」は、都合により

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朝カル

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