投資のいろは(調整が深まる件) | ぶらっくまーさん

投資のいろは(調整が深まる件)

本日の下落でもまだ下がり切っていない印象です。

 

一方で明日は諸々の理由から小さく戻しそうな気配です。そこで私の結論を先にお伝えします。調整が終わったと思って安易に買うのは止めた方が良いと思います。もちろん敢えてリスクを取りに行くのはありだとも思います。その場合は逆指値を入れておくとか、十分リスクに配慮したほうが良いでしょう。

 

 

今はあまりテクニカル的なものがワークしない局面かもしれません。それでも一応見るだけは見ていきましょう。上のチャートは日経平均日足の3ヶ月チャートに3本の移動平均線を重ねたものです。私は3本の移動平均を表示する時に、5日線と25日線はほとんどの方と同じだと思いますが、それよりひとつ長い日数の物として75日線を使います。最近はどこも50日線がデフォルトのようですが、私が投資を始めた25年ほど前は75日線が用いられていて、未だにそちらを使っています。

 

その理由は本日割愛します。

 

さてこれで見ると5日線や25日線はブレイクされており、50日線も既にブレイクされています。明日あたりに一旦戻すとしても、今度は25日線と75日線のデッドクロスが見えてくるのでどちらにしてもしばらく下落し続ける可能性が高いです。

 

オシレーター系のテクニカル指標は売られ過ぎを示唆しています。しかし現状だとオシレーター系の指標はワークしないと思います。昨日も散見されたことで、本日も個人投資家に人気の銘柄の日中の歩み値を見てみましたが、特に後場に入ってからは投げ売りの様相を呈している銘柄が増えていました。

 

こうなると合理的に判断しての売買というよりも強いられてポジションを決済する以外に方法が無いというところまで追い込まれた個人投資家がどういう局面であれ売るという形になるので、短期的な指標は当てにならなくなってきます。

 

 

そしてこちらは同じ期間の日経平均日足のチャートに出来高を重ねたものです。こちらは枚数ベースですが、金額ベースで昨日が4.8兆円、本日は4.5兆円の出来高でした。これをみるとまだ直近で、特にこの前の2週間日経平均が40000円台をつけていた時に新規に買われた信用買い3500億円分はまだそれなりのボリュームで誰かの口座の中で含み損を抱えながら眠っているような気がします。

 

あまり損失が出る状況に慣れていない方だと、この下落が一時的なものだと見て、損失を確定させるよりは調整が終わるのを待つ方を選択し、しかし口座の中は結構危ないことになっているので例えば現物株は信用枠に使う場合に掛け目が80%など割引されるので、まずはここまで利が乗っていた現物株を売って維持率を上げて凌ごう、そういうように考えているのかもしれません。

 

ただそうなると万が一、・・・というかそうなる確率が非常に高いのですが、ここから更に下落し続けた場合にもう新規で買いを入れる余力が無くなってしまいます。

 

4.5兆円分の信用買いは多くの個人投資家の口座に分散して存在しています。それの相当部分が損失を出しています。ゆえに個人の買いが続かなくなっている状況を見て取れます。これが日経平均の重しになっているというのが明日以降反転したところで売りが嵩んで下落を再開するという理由のひとつめになります。

 

 

そしてこちらが同じ期間の日経平均日足のチャートにボリンジャーバンドを重ねたものです。本日の陰線の3つ前のところでボリンジャーバンドの中央線に弾かれて下落し始めているのを見ることができると思います。これはよくあるパターンで、ボリンジャーバンドのプラス圏やマイナス圏から中央線を越えて反対側に行き、そこで逆に動いて、中央線で再度弾かれて流れが継続するパターンです。

 

これが起こるとちょうど今がそうなのですが、ボリンジャーバンドがスクィーズからエクスパンションになって、今回の場合その拡張局面でローソク足がバンドウォークをし始めています。そうなるとしばらくは大きな下落が起こりやすい展開になるのかなという気がします。多少戻しても、-1σあたりが限界のように思えます。むしろそこまで戻せるエネルギーが市場に残っているようには思えないです。既にボリンジャーバンドが拡張局面なので本日の数値があまり役に立ちませんが、念のためお伝えしておくと-1σが38743円、-2σが38204円です。

 

今、ナイトセッションで一度日経平均先物が38170円程度まで戻ってきていましたが、やはりというか、あまりそれが続かずにまた下がりだしています。

 

明日の日経平均についてややポジティブな材料があるとすると日本取引所グループが出している空売り比率が本日44.4と、昨日よりもやや増加していることです。これは下落局面での買戻しの材料になります。ただこれも大体最近は35~45あたりで1日2ポイント程度の増減をしますが、それは大体1日あたりで1000億円の買戻しが発生する可能性があることを意味するので、売り圧力と買いが引いた現状だと株価を押し上げる要素としては厳しいものがあるのかなと思います。

 

そしてなんといってもAMSLの決算のショックで現在NYの半導体セクターが1%近い下落をしています。AMSLは欧州の市場で6%弱下がっています。日経平均という指標は最近ますます日本の半導体産業の株価を測定する指標となりつつあるので、これがまた良くない材料のひとつです。

 

この時間でDJIAは上昇しているのですが、NASDAQの方が下落していて、半導体セクターの下落がかなり効いている印象です。更に言うとSOX指数は既に1.4%の下落をしていますから、DJIAが上昇しているのを明日の朝見たからといって現物株に買いを入れていくのは少し注意が必要になってくると思います。

 

加えて4月に入って日経平均とTOPIXのローソク足の平仄が揃わないことが多かったのですが、ここ数日それが一致するようになってきました。TOPIXも概ね売られてきているので個人の投資家の方々が昨年来の利益を全部吐き出すような展開になるのにももうあまり時間はかからないかもしれません。

 

それから騰落レシオについてはかなり売られ過ぎを示してきています。このあたりからも、明日先物の買戻しなどと相俟って一時的に戻る場面が出てくるのかもしれないなという気はしています。しかし最初にも述べたように、個人投資家に新規で買うような余力が残っていないので、上昇が続く可能性がほぼ無いと思います。

 

さらに、ここから先は私の雑感ですが1月から2月にかけての四半期決算の時に、私自身も保有して好決算での上昇を期待していた銘柄が、ほどほどの増収増益で下落するというようなことがありました。最近だと最小単元だけ持っていた日創プロニティ(3440)でも超好決算でも暴落に近い売りが入っています。

 

その時から少し感じていたことなのですが、最近の日経平均の上昇は現在のEPSに対して既にPERが17倍とか18倍の水準まで買われていたのですが、それはもしかしたら円安による好業績をかなり先まで見込んでのことなのかもしれないということです。もしこの感じが的を射ている場合、ちょうど連休明けから始まる決算でそこそこの好業績が出て株価が下落するという局面があるかもしれません。

 

特にそろそろ賃金上昇や原材料のコストアップが業績を圧迫し始めるころなので、四半期決算での業績見込みはそこそこ増収増益でも、今期の業績予想や来期以降の業績についての展望について手堅い、あるいは保守的なガイダンスを出してくる可能性があると思っています。それで海外の投資家は数値そのものも重視しますけれど、この会社側が出す展望をとても重視しています。そこで魅力的な言葉や大きな先行投資の計画のようなものが並ばない決算になると結構逃げ足も速いのではないかという気がします。

 

最後に外部要因についてです。

 

特に中東の問題ですが、どうもイスラエルはイランの原子力施設に対しての限定的なミサイルによる攻撃やイランの原子力関係の研究者などに対する加害を想定して動いているようです。このあたりも、市場は何が起こるのか不確定だという状況を最も嫌うので、やるならやるで早く行われた方が、その瞬間の下落は大きいものでも戻るのは早いです。同じことは日本政府の為替介入についても言えて、やるかやらないのか不確定な時が最も市場にとって重しになります。

 

このあたりの外部要因が確定的になるのにはまだ少し時間がかかるので、その間は本格上昇を見込むことはできないでしょう。

 

逆に言えば、そういう状況がありますので買いのタイミングを逃したというようなことはあまり無いと思います。一旦戻ってもまたすぐに落ちてくるように思えるのでむしろ買いは200日移動平均に近いところまで待つとか、十分引き付けてからでも良いと思います。特に指摘しておきたいのは、おそらく海外勢もそのタイミングを手ぐすね引いて待っているはずですが、個人投資家がギリギリの線で踏みとどまっているところから一気に事態が悪化して、市場から退場するように口座内の全てのポジションを決済する、しかもそれが市場に参加している大半の個人投資家に同時に起こるようなことになると、超長基線の200日移動平均を割ってくることがあるので、例えばそこらへんまで待ってみるのも良いと思います。

 

というのが本日の分析となります。

 

さて本日までの成績です。

 

サンコール(5985)

 800株@480円                    +2400円(確定)

 

パーソルグループHD(2181)

3000株@215円                       ±0円(確定)

 

北恵(9872)

1000株@860円(概算)               +10000円(確定)

 

合計                            +12400円 

 

 

4月までの損益                     +727300円

 

オプションの4月までの損益             -82500円

 

5月限P38500売り@605×1枚

5月限P38000買い@450×2枚            +30500円

 

どうでもいいことですが、これを書いている今さっき、地震がありました。でもあまり大きいとは感じなかったです。体感的には震度4の地震が長く続いた感じでした。

 

そして投資家で、しかも実はここに書いてあるようなオプションのポジションだけではなく、日本株で長期保有を目的とした銘柄をまだ持っているのですが、そのヘッジ用にもう少し面白いポジションを組んでいると、例えば、・・・なんて思ってしまいます。

 

あまり良い傾向とは思えませんけれど。

 

とりあえず私と我が家には被害はゼロでした。