雑感(人口減少の原因は何か?) | ぶらっくまーさん

雑感(人口減少の原因は何か?)

日本の23年の出生数がまた最小値を更新したようです。

 

一般にこの速報値よりも実数は更に3万人程度少ないので、確定された日本人の23年の出生数は72万人程度になりそうです。

 

ところでこの少子化の原因が何か、ということについて色々な視点があると思いますが、たまたま私は歴史人口学を少し学んでおり中世ヨーロッパの教区徴募や日本の宗門人別改帳の研究を通じて、人口減少(少子化)は人間が都市に住み始めた時から始まっていることが分かってきていると何度かこのエントリーでも紹介しています。

 

15世紀のフィレンツェの国勢調査がもっとも細かく研究されていますが、それ以外にも歴史人口学の生まれたフランス北西部の中世から近代までの農村と都市の関係を見ても都市部において人口減少が起こっていることが判明しています。

 

ただ、統計学的見地からはこの都市化と人口減少を紐づけて、どちらかが因でどちらかが果である、と考えるのは危険です。誤謬論でいうところの“post hoc,ergo propter hoc causa(この後がなるゆえに、この原因)”の誤謬です。つまり実際にはこのふたつの事象について、何かこれらふたつを誘発する原因が存在する可能性を考慮すべきで、多分それは人間の根源的な欲求や何かに起因しているような気がします。しかし毎年このデータが出るたびに無知な人々が自分の主張を込めた暴論を書き連ねることが多いので、私などはそれを読むとめまいがするものです。

 

例えばおかしな主張をされる人を見つけたりもします。