危険信号 | ぶらっくまーさん

危険信号

最近更新していなかったのは、ちょっと真剣に自分の全金融資産を調整していたからです。 あ~、疲れた(笑)。 その判断も含めてここで少し長めのエントリーを。

 

このブログで日本株を扱うときに書いたように昨年の夏にリーマンショック直前に購入したストリップス債が満期を迎えたため、それを再投資する先として日本株もターゲットにし、全体の一部を日本円に換金して、どうせやるなら投資に興味をお持ちの方々向けに、色々書いていこうというのがこれまでのシナリオでした。

 

今は米中の株を中心に現金化を進めており、今度はそれらをどういう風に差配するかを検討中です。 判断としてはキャッシュポジション(CP:金融資産内の現金の比率)を高める方向で動いています。 大体の米中の株は2010年ごろから買い始めており、これを割りと大規模に処分したので税金とかも色々大変なことになりそうです。 世界経済についていうと、5月上旬までは楽観的でしたが、あそこで米中に何か決定的な亀裂が生じたのだろうと判断しています。 そこから迅速に行動しました。

 

本来だと、トランプ大統領の訪日の前後に、中国も訪問するというシナリオがあったはずです。 そこで事務方が取りまとめた貿易協定を首脳会談で双方が批准する、きっとそういうシナリオがあったはずです、4月までは。

 

トランプ大統領も習主席も、譲る気は全く無いようです。 このままいくとG20でも進展がみられる可能性は限りなく小さいように思えます。 グローバル化を巻き戻す動きですが、おそらくこれだけの期間に亘って事態が好転しないと市場が動揺するだけではなく各企業は次の会計年度での戦略を根本的に見直すことになるはずです。 つまり市場的にも『詰んだ』状態が近づいている、というか本格的な経済の縮小に先駆けて市場が下落に転じたという蓋然性が非常に高いようです。 既にテクニカル的にもそれを示唆する数字が現れてきています。

 

今回の貿易戦争が実際の戦争に転換する可能性はゼロに近いと思いますが、経済的にはちょうど1920年代ごろのアメリカの政策と非常に似た状態をまずはアメリカが作っていて(その時には全世界の2000人以上の経済学者が連名で時の大統領に保護貿易を止めるように書簡を送った)、今回もそれに近いような状態が起こりそうです。 前回のときは、究極の公共事業、すなわち戦争によって経済が上向いたわけですが、今回はその手が封じられており、なおかつ先進諸国は既に財政的にかなり厳しい状況に追い込まれており、特に日本は今の政策のまま行くとするなら、つまり財政支出を抑えながらという方向で経済を運営していくつもりなら、今度は回復までにかなりの時間が必要になりそうです。

 

今のところは可能性があるというだけなので将来の予測なんてしませんけれど。 ただマーケットに激震が走るのは結構近い気がします。 本当に僅かですが、直感的に思うだけですが、実は今、かなり大きな変化の只中にいてそれを目の当たりにしているのじゃないかという気が少しします。