コーナー進入ではブレーキを残すなと言うプロドライバーがいる。長いことセオリーとされていた走り方とはだいぶ違う。そして実際の彼の走り方とも若干違う。そこで真意を整理してみた。つまり彼が言いたいことは「ブレーキを残すなというのはブレーキを離せということではなく減速後に前のめり過多にならないように」ということだと思う。


ずいぶん昔の日光サーキットでのこと。
いつもは1コーナーを普通に抜け2コーナーから3コーナーへは小さく回るようにしていた。しかしユーモアのセンスこそないものの運転技術は上の下くらいのセンスがある元ビデオ雑誌編集者が「小さく回っても大きく回ってもタイムは変わらない」と言うので試してみたところ結果的に件の飲酒運転疑惑の残るプロドライバーが言う〝ブレーキを残さない〟走り方になった。しかしそれで大きく回ろうとするとかなり盛大なアンダーステアリングになる。逆にブレーキを残すことを意識してもそうなる。そうなるとここは絶対に小さく回った方がいいようだ。
もしかしたらそもそも左コーナーが苦手なのかもしれない。思えば筑波の最終コーナーは好きだ。
右ハンドルのアコードはちょっとした工夫で左膝が安定するようになっているもんで実際のところ右コーナーで苦手なコーナーは少ない。


さてそんな思いで走っているともどかしさも存分に味わう。駆動力を掛けて後輪を滑らせられないこともそうだがそれ以上に過給器付きの加速力には歯痒い思いをすることが多い。

具体的にはこうだ。例えば相手がシビックでブレーキングで詰めてコーナーで内側に入れた場合にそこからの加速で前に出ることができる。

他方でその相手が例えばインプレッサやRX-7の場合だとせっかく内側に入れたのにそこからの加速で敵わないことが多々ある。そして次のコーナーでも同じことを繰り返すことになる。これじゃいつまで経っても前には出られない。無論これだとタイムでも敵わない。しかしながらそのへんはいつものことでだからと言って過給器を付けようとはならない。