「ソノシート」と言えばまだ若手だった前田日明が欧州遠征から帰ってきてトップ戦線に混ざり始めた頃に発売されたムック本の付録に付いていた。

そんなシートの話を今回はしなければいけないらしい。


車のシートは座り心地が快適な方がいい。ただしこの〝快適〟は車によって異なる。アコードには柔らかさより身体をちゃんと支えるしっかり感こそが快適性だ。対してモビリオの場合は身体を支えるのは当然ではあるが当たりの柔らかさも欲しい。アルトはあと数センチ下げられたらそれだけで十分だ。

シートポジションに関してはたぶんどんな車でも人より前寄りにしている。背もたれも立て気味だ。


輪ゴムの右下辺りのフィアットパンダクロス4×4はまだ写真でしか見たことはないがバカみたいにホールドして窮屈なわけでもなくベンチみたいに身体を支えないわけでもないちょうどいい感じのシートだと思う。デザインも車に合ってる。たまにアルファードにレカロシートを装着している人を見掛けるがそんな素っ頓狂なチグハグ感は全くなく収まるべき場所に収まってる安心感がある。これはモビリオのシートも同じだ。


さて先に少しだけ触れたシートの位置合わせ。

まず何よりペダルが踏まなければいけない。全ての車に共通していてなおかつ最優先しなければいけないのはブレーキ。咄嗟の時に踏み替えやすくなおかつ普通の人は人生の内にそうそう行うこともないはずのフルブレーキで奥までしっかり踏み込める位置に合わせます。これでだいたい他のペダルもちょうどよくなってる…ことが多い。少なくともダメだったことはない。フェラーリでもランボルギーニでも大丈夫だった。

次に優先するならスロットルペダルよりクラッチペダル。これは踏み切った時に膝に余裕があればどんな状況でもだいたいなんとかなるからそこまで神経質にならなくても大丈夫。

そしてシートパック…背もたれはアルトでもモビリオでもアルファードでもクラウンでも立て気味にする。たとえ高速道路でもリラックスしているように見えるような姿勢にはしない。咄嗟の操作の時に背中が浮き上がるならそれは適した姿勢で運転していないからに他ならない。

アルトの場合は後部座席に乗る人も運転手のそれに付き合ってくれる。

そしてその足下はアコードより広い。